ツーバイフォー工法の家でも和テイストにリフォーム出来るの?
地震に強い家としてツーバイフォー住宅が注目されているので、中古物件を購入してリノベーションをする方の中には、ツーバイフォー住宅に絞って物件を探しているという方もいらっしゃいます。最近は、ツーバイフォー工法で建てるハウスメーカーも増え、リノベーションで好みのテイストに自由に変えられるので、選択肢も広がっていますが、ひと昔前までは、ツーバイフォーは輸入住宅というイメージが多く、選択肢が少なかったので、中古物件となると、ブリティッシュスタイルやカントリースタイルといった洋風の家が多いかもしれません。
しかし、地震に強い家にしたいという理由でツーバイフォー住宅を探す方全てが、海外スタイルが好きなわけではありませんし、室内には和室を設けたり、和テイストにコーディネートしたりしたいという方もいらっしゃいます。ツーバイフォー住宅は、和テイストにすることは難しいのでしょうか?ツーバイフォー住宅と和風住宅の違いや、和テイストにするためのポイントをご紹介したいと思います。
1.ツーバイフォー住宅=海外テイストとは限らない!?
ツーバイフォー住宅は、北米由来の建築工法ということもあり、洋風、輸入住宅、といったイメージがあるかもしれません。そのため、和風の家には出来ないのではないか、和室は似合わないのではないか、と思うかもしれません。ツーバイフォー住宅と和風住宅の違いから、自分好みの和テイストにするポイントを確認してみましょう。
ツーバイフォー住宅と和風住宅の違いとは?
従来の日本の木造建築は、柱や梁、筋交いを使って建物を支える在来工法と呼ばれる方法で建てられています。それに対し、北米由来のツーバイフォー工法は、同じ木造建築ですが、床や壁といった面で支える造りになっています。
古民家の内装や純和風と言われる真壁で造られた和室を見ると、柱や梁が見えるデザインです。しかし、ツーバイフォー工法で建てられた建物は、和風の象徴ともいえる柱や梁がそもそもないので見せることが出来ません。和テイストを形作るアイテムが無いのです。
しかし、ツーバイフォー工法で建てられた建物に限らず、鉄筋コンクリート造のマンションでも、和室があることからも分かるように、室内を和テイストにすることは可能です。反対に、日本らしい木造在来工法の家でも、欧米テイストや、北欧テイストなど、海外スタイルの内装にリフォームして楽しんでおられる方は多くいらっしゃいます。それぞれの構造に合ったテイストはありますが、最近はリノベーションで自由に好みのテイストに仕上げることが可能です。
和モダンが似合うツーバイフォー住宅
構造を活かした和スタイルに出来ないとはいえ、在来工法による柱や梁が『和』を連想させるアイテムだということが分かるので、付け柱や付け梁を使って和のスタイルに見せることが出来ますし、天井や床は板張りや畳を使うことで和空間を作ることも可能です。
また、あえてツーバイフォーという構造を活かした和テイストにするのであれば、柱や梁を見せない和モダンスタイルにすればツーバイフォー住宅にピッタリです。日本らしいスタイルに、スタイリッシュでシャープなデザインであるモダンさを掛け合わせた和モダンスタイルは、他の洋風テイストの部屋やソファーやベッドといった洋風な家具ともマッチします。
2.ツーバイフォー住宅で和テイストを取り入れるポイント
ツーバイフォー工法で建てられた住宅であっても、和テイストにリフォームすることは可能です。和テイストに仕上げるうえで、ツーバイフォー工法ならではのポイントをご説明したいと思います。
素材やデザインにこだわって和テイストに仕上げる!
輸入住宅で多い、天井や壁面、ドアや窓の枠に付けられている装飾・モールディングを無くしてスッキリさせるだけでも、一気に和の雰囲気に近づけることが出来ます。面で建物を支えるツーバイフォーの構造自体はシンプルなので、海外スタイルを感じさせる装飾やアイテムを無くすだけで和テイストに仕上げやすくなるかもしれません。
さらに、欧米スタイルの家と和風スタイルの家には、似ている部分もあります。そのひとつとして自然素材があげられます。例えば、床には木板のフローリング材が使われたり、壁は珪藻土や漆喰など塗り壁・土壁で仕上げたりします。どちらも自然素材を使っていることを考えると、テイストの違いが出るのは、何の素材を使うか、さらにその素材の色やデザイン部分だと言えます。
和テイストの床に仕上げるのであれば、畳を使うことや、日本で一般的に使われている木材、杉やヒノキ、松といった針葉樹か、ナラやブナといった広葉樹の薄茶色系の木フローリングを使うことで和スタイルになります。節が多すぎるとカントリーテイストやログハウスに見える場合もあるので、節の量も意識しましょう。
また、同じ珪藻土仕上げの壁でも、仕上げデザインが、刷毛引きや扇などは和テイストに仕上がるのに対し、スパニッシュやスタッコなどはヨーロピアンな雰囲気に仕上がります。和紙や竹といった日本らしい素材を取り入れて仕上げるなど、日本らしい素材やデザインにこだわって仕上げましょう。
ツーバイフォー工法に精通した会社にリフォームを依頼する!
和風の外観にしたい、和室を設けたり和テイストにコーディネートしたりしたい、と思う場合、日本テイストのデザインや構造に精通している会社に頼むべきだと思うかもしれません。デザイン面など、気に入った施工例がある会社の方が、よりイメージをカタチにしてもらいやすいですし、経験値や技術力も備わっているので、会社を選ぶ点では効果的です。しかし、ツーバイフォー工法で建てられた家の外装を変えたり、間取りを変えたりするようなリノベーションをして和テイストにしたいのであれば、ツーバイフォーの構造に精通した会社に依頼するという点が最重要になってきます。
木造在来工法と違い、面で家を支えているツーバイフォー工法は、壁を撤去したり移動させたりするうえでルールがあります。せっかく地震に強い家を選んでも知識がない会社がリフォームしてしまうと、耐震性が極端に下がってしまい意味がありません。そもそも、ツーバイフォー工法の建物はリフォームやリノベーションが出来ないと断る会社もあるほどで、正しい知識を持っていないと満足のいくリフォームが行えません。
内装材や色など、インテリアコーディネートは在来工法でもツーバイフォー工法でも、比較的自由にコーディネート出来ますし、大抵のリフォーム会社が工事を行うことが可能です。しかし、家のベースとなる構造部分に関係する工事は、正しく工事できる会社が限られてくるので、ツーバイフォー工法に精通しているか、という点に注目して会社選びを行いましょう。
3. まとめ
地震に強いツーバイフォー住宅が注目されていますが、中古物件は輸入住宅や海外テイストの家が中心です。しかし、和テイストが好きな方や和室を作りたい方は、リフォームやリノベーションによってツーバイフォー住宅でも和テイストに仕上げることが可能です。柱や梁が構造的にないものの、和モダンテイストであれば似合います。また、モールディングなどの洋風アイテムを撤去し、日本らしい自然素材やデザインで仕上げることで、和テイストになります。外観や間取りを変えるなど構造に影響する場合は、和テイストに精通した会社以上に、ツーバイフォー工法に精通したリフォーム会社を選ぶことで、安全にリフォームしましょう。
工法の違いや使う素材、デザインを意識することで、好みのテイストにリフォームしてお気に入りの家にしましょう。