1年末年始は家族が休みで、久しぶりにゆっくり家で会話を楽しめるというお宅や、家を出た子供たちが帰省したり、親戚が集まったりするというお宅が多い時期です。そんな家族や親戚が集うタイミングで家や今後の暮らしのことを話しておくことは、自宅を快適な住まいに、長く住める場所にするうえで役立ちます。しかし、家族や親戚が集うたまにしかない機会なのに、あっという間に時が過ぎて、あまり今後のこと話せないままだったとか、リフォームをする時になって、この前話しておけばよかったという後悔も少なくありません。
年末年始のチャンスを逃さないために、家や暮らしに関わるどんなことを話しておくと良いのか、役立つテーマをいくつかご紹介したいと思います。

1.話しておきたい『今後の暮らし方』のこと

家のことを考えるうえで、まずは今後の生活、暮らし方について家族で話しておくことは役立ちます。具体的にどんな点を話すことが出来るのか、ご紹介したいと思います。

バリアフリーにリフォームすべき?

長く住んでいる家は特に、住み始めた頃に比べ、家族の体力が変わるため、段差やドアの開閉などに疲れやすくなったり、危険が増えたりしてきます。そのため、家族の年齢や体力を踏まえて、段差を解消したり、手すりを付けたり、ドアを開き戸から引き戸にしたりするなどのバリアフリーにする必要があるかどうかを話し合っておきましょう。

バリアフリーリフォームをするかどうかに関わらず、家の中で自分にとってバリア(問題)になっている部分に改めて注目して話しておくことで、お互いの体調を気遣えるようになったり、生活の中で助け合える部分に気が付いたり、家具のレイアウトを変えるなどのちょっとした工夫で暮らしやすくなる場合もあります。

今後、どんな点が問題になりそうか、何があると便利そうかなど、これからの暮らしを想定した話も役立ちます。

間取りを変更した方が使いやすい?

家に住んでいる人の年齢や家族構成の変化によって、間取りの変更の必要性を感じている場合もあります。今の時点で誰がどの部屋を、どのように使っているか、話してみることで、意外な発見があり暮らしやすくなる場合もあります。

例えば、広い子ども部屋があるものの、勉強はリビングでしていて寝るスペースだけあれば良いということが分かれば、面積の狭い部屋と子ども部屋を交換したり、子ども部屋を狭くして他の部屋を広くしたりすることが出来るかもしれません。また、求める日当たりの良さや風通しの良さなどはライフスタイルや感じ方によって人それぞれです。学校や仕事で帰宅が遅く日中は部屋に入らない家族は、日当たりの良い部屋でなくても良いことが分かり、部屋を入れ替えてランドリールームとして使えるようにできたというお宅もあります。

この部屋は子ども部屋、寝室といった長年使ってきた固定概念が暮らしやすさを邪魔していることもあるので、それぞれの暮らし方を見直して口に出してみることで、もっと使いやすく居心地の良い空間を手に入れることが出来るかもしれません。

2.話しておきたい『持ち物と将来』のこと

今後の体力を考えてバリアフリーにしたり、家族構成やライフスタイルの変化で間取りを変えたりする場合には、家をリフォームしなければいけません。その際には、すぐにリフォームの話し合いをしてしまいがちですが、他にも事前に話して合っておくと良い点があります。どんな点を話しておくと良いのか、ご紹介したいと思います。

家具や荷物は誰のもの?

いざリフォームをしようと思うと、家の中の荷物を片づける必要が出てきます。子ども達が巣立って家を出ている場合は特に、子ども達の家具や思い出の品が残っていて、リフォーム前に慌てて確認するというお宅は少なくありません。確認しながらの作業に時間を取られたり、慌てて整理したり処分したりしなくて良いように、家族が集ったタイミングで、それぞれの荷物が誰の物かを確認したり、処分して良いのか、保存しておいてほしいのかを確認しておきましょう。

保存しておく場合は、子ども部屋として部屋を丸ごと残しておいた方が良いのか、収納スペースを作ってまとめても良いのか、具体的に確認しておけば、今ある部屋を無駄なく使えたり、間取りの変更がしやすくなったりします。そして、リフォームが必要になった時に、工事期間中に一時的に移動するのではなく、片付けながら整理していくことが可能で、リフォーム前の準備がスムーズに出来てストレスも軽減できます。

もっと先はどうしたい?

今の暮らしをベースに少し先の暮らしについては話しやすいかもしれませんが、家のことを考えるのであれば、数年先、世代が変わる時期のことも念頭に置いて話しておくことは役立ちます。

将来的に家は誰が相続するのか、二世帯にしたいのか、フルリノベーションをして住みたいと思っているのか、賃貸物件にするかなど、方向性が分かっているほど、リフォームやリノベーションの計画が立てやすくなります。

例えば、相続してフルリノベーションをすることを決めているのであれば、今後は大きなリフォームを行わずに、メンテナンスや修繕だけを確実に行うことを決められるかもしれません。

遠い先の将来のことは具体的には分かりづらい部分ですし、簡単に決められることではないので、1回の話し合いで結論を出そうとはせずに、出来るだけ早めに、それぞれの思いを何気なく会話しておくだけでも具体的に話す必要が出てきた時に役立ちます。だからこそ、年末年始を活用して、毎回家のことを話すことを当たり前にしておくなら今後の話し合いをスムーズに行う点で効果的です。

3. まとめ

年末年始の家族や親戚が集う機会を活用して、家のことを話しておくなら、今や今後の暮らしを快適にするうえで役立ちます。これからの暮らしをどうしたいのか、バリアフリーにする必要があるのか、今の暮らし方に部屋の条件が合っているのか、など口に出して初めて分かることもあり、適切なリフォームが行えるかもしれません。また、家具や荷物が誰のものなのか、保存したいのか、どこに保存しておくのかを確認することで、リフォームが必要かどうかを判断しやすくなったり、リフォームを行う場合に片付けやすくなったりします。さらに、この家を相続するのは誰か、リノベーションをして住み続けるのかなど将来のことも、気軽に話す癖をつけていれば、具体的に話す必要が生じた時にスムーズに話し合いが行いやすくなるかもしれません。

家族が集う年末年始だからこそ、家族が集う『家』のことを話してみてはいかがでしょうか?