新築物件では、中2階とも言われるスキップフロアのある家が増え、オシャレな家としても人気を集めています。リフォームやリノベーションでも、今の家の部屋数を増やしたり、秘密基地のようなオシャレな空間を作ったりしたいという方にとってスキップフロアは魅力的かもしれません。

しかし、新築ではなく、リフォームやリノベーションでもスキップフロアを作ることは可能なのでしょうか?ツーバイフォー住宅やマンションであっても作っても大丈夫なのか、リフォームやリノベーションでスキップフロアを作る時のポイントについてご説明したいと思います。

1.スキップフロアで空間を有効活用しよう!

そもそもスキップフロアとはどのような空間を指すのでしょうか?スキップフロアの特徴や、リフォームやリノベーションでスキップフロアを取り入れることにはどんなメリットがあるのかについてご紹介したいと思います。

■スキップフロアって何?

スキップフロア(ステップフロア)とは、一つの階層に高さの違うフロア(床)を設けた間取りのことです。1階と2階の間の空間に設ける場合は、中2階とも呼ばれています。2階建て以上の家でなくても、平屋にも取り入れることが出来ます。

ロフトとスキップフロア、小上がりに対する明確な区別はありませんが、ロフトはサブスペースとして使われることが多いのに対し、スキップフロアはメインの居住空間として使われるのが一般的です。また、スキップフロアは小上がりのように上がるスペースだけではなく、フロアを下げて半地下にするケースもあります。

さらに、スキップフロアには、高さの決まりがないので、空間の用途に合わせて天井の高さを決めることが可能です。そのため、2階建て程の高さでも、細かくフロアの高さを分けスキップフロアを設けることで、何層にも空間を区切ることが出来ます。

■スキップフロアを作るメリットとは?

リフォームやリノベーションでスキップフロアを取り入れることで、下記のような効果が得られます。今の家の問題点をスキップフロアが解決してくれるかもしれません。

●増築せずに部屋数や収納を増やせる

部屋数を増やしたり収納を増やそうと思うと、今ある部屋が狭くなったり、増築したりする必要があります。しかし、スキップフロアであれば家の縦空間、高さを活用することが出来るので床面積を比較的圧迫することなく部屋数や収納を増やすことが可能です。床だけではなく、空間全体の有効活用が出来るので、土地面積が狭い狭小住宅に頻繁に採用されるようになりました。リフォームの場合も、吹き抜け空間や塞いでいた小屋裏を活用してスキップフロアを設けることが出来るかもしれません。

●緩やかに空間を区切ることが可能

開放感を求めながらも、個室が欲しいという点でスキップフロアは効果的です。数段でも小上がりが出来ることで目線の高さが変わるので、壁がない状態でも、緩やかに空間を分けることが出来るからです。そのため、寝室やワークスペース、趣味スペースといったプライベート空間として使うことが人気です。しかも、風や明かりを取り込むことが出来て開放感や通気性が保てます。

●開放的で家族の気配を感じられる

壁やドアなど物理的に空間を区切るものがないので、各フロアが開放的になります。また、そこにいる家族の気配を感じたり、声が届くので、子どもの様子を確かめやすかったり、コミュニケーションが取りやすくなったりします。

●オシャレな家になる

空間が立体的に、動きが出るので、オリジナリティ溢れるオシャレな家にすることが出来ます。リフォームでスキップフロアを設ける場合は特に、家のサイズや用途、ライフスタイルに合わせてスキップフロアの高さや広さを決めることが出来て、こだわりの空間になります。

2.スキップフロアはどんな家でも作れるの?

リフォームが比較的行いやすいと言われている、木造在来工法の家以外でも、リフォームでスキップフロアを取り入れることは可能なのでしょうか?ツーバイフォー住宅やマンションにスキップフロアを作ることは出来るのか、注意点をご説明したいと思います。

■ツーバイフォー住宅でもスキップフロアって出来るの?

ツーバイフォー住宅そのものにスキップフロアを設けることは可能で、新築のツーバイフォー住宅の中には、開放的なスキップフロアを売りにしたハウスメーカーが多くあります。しかし、リフォームになると、構造に影響を与えないように注意が必要です。

ツーバイフォー住宅は、柱や梁ではなく、壁や床、天井といった面で建物を支えています。そのため、スキップフロアを設けるために、床を壊したり、壁を動かしたりすると本来の家の強度が保てず耐震性が下がってしまう可能性が高くなります。ツーバイフォー構造に特化した知識と技術があるリフォーム会社に依頼することはもちろんですが、構造に影響するリフォームとなると大がかりになってしまうことを念頭に置いておきましょう。

しかし、リビングなどの広い空間や吹き抜け空間など、既存の壁や床、天井を触らず、内側にスキップフロアを設けることは可能です。この方法を使う場合であっても、専門的な知識のある会社に依頼することで、安全にリフォームしましょう。

■マンションでもスキップフロアって出来るの?

ツーバイフォーの場合と同じく、構造に影響せず空間内にスキップフロアを作るのであれば、基本的に鉄筋コンクリート造のマンションや団地であってもスキップフロアを作ることは可能です。ただし、ワンフロアの(1戸の中でメゾネット式になっていない)マンションであれば、2階建て以上の戸建てとは違い、天井の高さをフロアに合わせて変えることが出来ないので、既存の天井の高さに注意して作る必要があります。

築古のマンションであれば特に、天井高は2m40cm以内がほとんどです。単純に半分で割ってもそれぞれの高さは1m20cm程になります。床や天井の部材が加わって、それ以下になることを考えると、用途と、それに見合った高さを考えて造らなければ、どのスペースも使い辛くなってしまいます。しかも天井が低い空間にステップフロアが加わることで、さらに圧迫感が出てしまったり、ゴチャついた印象を与えてしまったりして、望んでいた雰囲気へのリフォームが実現しない場合もあります。

高さの比較的低い空間でもスキップフロアを設けたいのであれば、小上がり程度の低い位置にスキップフロアを設けたり、下部をペットのケージスペースにして出来るだけ低くしたり、下部は座卓タイプの和室に、上部は寝室にするなど立ち上がる動作が少なく圧迫感を感じにくい用途で使えるようにしたりするという方法があります。

3. まとめ

空間の中に床の高さが違うスキップフロアを設けることで、オシャレで開放的な家になります。リフォームやリノベーションで取り入れることで、空間を有効活用して部屋数や収納を増やしたり、プライベート空間を守りながらも、家族の気配を感じ、コミュニケーションのしやすい家に出来たり、風通しや採光の良い家にすることが出来るかもしれません。木造在来工法以外の、ツーバイフォー住宅やマンションの場合でも、構造や天井の高さに注意することでスキップフロアを取り入れることが可能です。ツーバイフォーの場合は特に、正しい知識のあるリフォーム会社に依頼することが重要です。

オシャレで空間と暮らしに動きが出るスキップフロアを、リフォームで取り入れてみてはいかがでしょうか?