頻繁に起こる地震に備え、出来る限り安全で耐震性の高い家にしておきたいと思うものです。そのため、耐震リフォームを行うお宅が増えていますが、家の耐震性を上げる前に、まずは家の耐震状況を把握しておく必要があります。状況を把握するために必要なのが『耐震診断』です。耐震診断士という専門家による検査と診断によって、正確な状況と必要な補強が分かります。この、専門家にしか行えない耐震診断が、世田谷区では条件に当てはまる住宅は今なら無料で受けることが出来ます。
世田谷区にお住まいの方にとって耳よりな情報でもある、無料で受けられる耐震診断にはどんな条件があるのか、診断内容やその後の耐震リフォームにおいての注意点とともにご説明したいと思います。
1.世田谷区ならお得に耐震性の高い家に出来る!
世田谷区が行う耐震化に関係する支援制度は、補助金制度や助成金制度とは違います。どのような制度で、誰が利用できるのかご説明したいと思います。
■世田谷区では昭和56年6月までに着工した家の耐震診断が無料
世田谷区では、令和7年度末までに耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することを目指して、木造住宅への耐震化支援事業が行われています。その支援制度のひとつとして、区登録の耐震診断士を派遣して耐震診断を無料で行うことが出来ます。
耐震診断とは、震度6強相当の大地震に対して、建物が倒壊する可能性に関して診断します。世田谷区の耐震化支援制度を活用して耐震診断を申請すると、まず一般財団法人日本建築防災協会が定める基準に基づいて新耐震簡易耐震診断を行い、建物の形状、接合金物の仕様、壁は位置バランス、劣化状況を簡易的に検証します。この検証で「一応倒壊しない」となれば、ここで診断終了です。次に、木造住宅の耐震診断と補強方法による耐震診断(一般診断法)を行い、天井裏や床下、室内からの目視によって診断します。
無料の診断を受けることが出来る条件は、下記の通りです。
●平成12年5月31日までに着工した建築物(その後に増築前の延べ面積の2分の1を超える増築をしたものを除く)
●一戸建て住宅・兼用住宅(住宅部分が2分の1以上のもの)・併用住宅(住宅部分が2分の1以上のもの)・長屋・共同住宅・寄宿舎、または下宿
●地階を除く部分が木造在来軸組工法による建築物(平面的混構造を除く)
●地上階が平屋建てまたは2階建ての建築物
●対象建築物に居住者がいる場合には、居住者全員の同意が得られているもの
木造住宅の耐震化を支援します(昭和56年6月から平成12年5月までに着工した木造住宅) | 世田谷区ホームページ (setagaya.lg.jp)
■世田谷区は家の状態をお得に確認できる!
日本耐震診断協会によると、木造住宅の耐震診断料金は延べ床面積が120㎡程の在来軸組工法の建物の耐震診断には、概ね60万円~100万円かかります。(但し関東地方で竣工時の図面完了検査を取得している場合の料金で、図面が無い場合は、建物を実測して耐震診断に必要な図面を作成する料金が発生します。)
|耐震診断の料金(費用)|(一財) 日本耐震診断協会 (taishin-jsda.jp)
家が安全かどうかを調べるだけでも、60万円以上かかるうえに、補強が必要となるとさらにリフォーム費用がかかってしまいます。そのことを考えると、世田谷区に住居がある方はお得に家の状態を調べられる格好の機会です。令和7年度までという限定の期間をぜひ活用しましょう。
2.耐震性の高い家にするには専門家の助けが必須
耐震診断後に補強が必要だと分かった場合や、耐震性をさらに上げたい場合はどうすれば良いのでしょうか?診断後の流れや注意点をご紹介したいと思います。
■耐震リフォームは別途依頼が必要
無料の耐震診断の結果、耐震性なしと判断された住宅は、耐震性を上げるために、耐震リフォーム(耐震改修工事)の実施を検討することになります。世田谷区の無料耐震診断を受けた住宅の所有者であれば、無料で相談員が派遣され、耐震リフォームの質問が出来たり、簡易な補強設計や概算工事費算出を行ってくれたり出来るので、どんな工事が必要で、どのぐらいの費用がかかるかなど目安が分かります。
しかし、実際に耐震リフォームを行う際には、世田谷区に依頼するのではなく、リフォーム業者を自分で探して依頼する必要があります。耐震性を上げるための工事は、診断書があるからと言っても、DIYなど個人レベルで行えるものではありません。耐震リフォームを行える専門家の力が必要です。リフォーム会社を探す際には、診断書に基づいて必要な耐震リフォームを行うかはもちろんのこと、さらに耐震性を高める方法が他にもあるかなどを確認しつつ、見積りを出してもらいましょう。耐震診断では、倒壊するかしないかのレベル、最低限の安全性に関して診断されます。倒壊の危険がなくとも、被害を出来るだけ最小限にして、大地震後もリフォームの必要なく住み続けられる家を求めるのであれば、診断で問題がない場合でも、耐震性を上げるために工事をしたいと思う方もいらっしゃいます。
また、耐震リフォームでは、柱や基礎などの扱う工事になるため、このタイミングに合わせて床や壁といった内装材のリフォームを行ったり、間取りを変えるようなリノベーションを行ったりすることも出来ます。そのため、耐震リフォーム以外にも、希望に沿った間取りやデザインのプランを立てて、良質な工事を行ってくれるリフォーム会社を選ぶことで、安心で安全な家かつ、お気に入りで快適な家へのリフォームが行えます。
■耐震リフォームも助成金を活用してお得に!
耐震リフォームは別途リフォーム会社に依頼する必要があるとはいえ、工事に関しても世田谷区では助成制度があり、補強設計費の一部補助や耐震改修の工事費の一部補助、不燃化耐震改修の工事費の一部補助など、助成金を活用することが出来ます。耐震リフォームが必要になった場合でも、助成金を活用することでお得にリフォームを行えるということです。
助成金を確実に活用するためには、世田谷区に申請手続きを行い、耐震改修工事の際には、中間検査が実施されること、助成金の交付決定前に助成対象業者との契約を締結してしまうと助成は受けられなくなってしまうなど、条件に沿った方法や順番で行う必要があります。自ら流れを把握しておくことも大切ですが、申請に精通しているリフォーム会社に依頼するなら、流れを把握したうえで手続きを行ってくれるので安心です。
3. まとめ
家の耐震性を上げる耐震リフォームを行うためには、まずは耐震診断を行う必要がありますが、世田谷区では耐震化支援事業の取り組みにより、無料で専門家による耐震診断が行えます。一般的に60万円以上かかるとされる耐震診断なので、無料になる世田谷区民はお得にリフォームが行えることになります。さらに、設計費や工事費などの助成金も活用出来ます。平成12年5月31日までに着工した住宅で、今まで耐震診断を行ったことが無かったり、耐震性が不安だったりするのであれば、今がお得にリフォームが行えるチャンスです。
安心で安全な家にするための耐震診断&耐震リフォームを、世田谷区に住んでいるメリットを最大限に活かして行いましょう。