土間と三和土って違うの?!土間を使ったオシャレな家にするには?

日本は靴を脱ぐ文化とはいえ、昔から土間空間があり、親しまれてきました。集合住宅や狭小住宅が増え、徐々に土間空間が狭くなっていったものの、最近は、カッコよく使い勝手の良い家にするため、靴を脱がない海外スタイルのようなオシャレな雰囲気にするため、あえて土間空間を取り入れる家にリフォームする方も増えています。

そんな土間と同じような空間のことを、三和土と呼んでいるのを聞いたことがあるかもしれません。土間と三和土は違うものなのでしょうか?三和土に付いて、また土間や三和土を取り入れたオシャレな家にするうえでのポイントをご紹介したいと思います。

1.土間にも種類がある!?

靴のまま入ることが出来る空間を土間と言いますが、三和土とは何が違うのでしょうか?ここでは、三和土とは何か、土間にはどんな種類があるのかをご説明したいと思います。

■三和土って何?土間とは何が違うの?

漢字で『三和土』と書いて、『たたき』と呼びます。たたきは聞いたことがある方でも、この漢字を使うことを知らない方は少なくありません。漢字の通り、三種類の材料を混ぜて作られたことに由来しており、花崗岩などを砕いた叩き土と、石灰とにがりを混ぜて練ったものを叩いて固めて作る、土間の仕上げ材のことを指して、三和土(たたき)と言います。現代では、花崗岩ではなく、赤土と砂利と石灰が使われていることが一般的です。

古来は、三和土を土間空間に使うことが主流だったので、土間空間を指して三和土と呼ぶこともあり、三和土=土間という意味で使うこともありますが、正確には三和土は土間の仕上げの種類のひとつです。

日本古来の伝統的な工法で作られ、土のままの空間とは違い、固めることで土埃が舞い上がることを防ぎ、玄関や炊事場の床として使われる、火にも水にも強い素材です。現代でも、化学成分が含まれない自然素材で作る土間、断熱性が高い土間として人気です。

■三和土以外の土間の種類

三和土で仕上げた土間は、古民家や日本家屋では一般的ですが、集合住宅や海外スタイルの土間空間では他の素材による仕上げも多く、下記のように土間の種類には選択肢があります。

●タイル・・・粘土を板状にして焼いて作る陶磁器製の材料で、テラコッタタイルなど、欧米スタイルの家の土間では主流の素材です。自然素材のもつ温かさや、重厚感が出る土間に仕上がります。

●モルタル・・・セメントに水と砂を入れて練って作ったペースト状の素材を塗って仕上げます。硬質で強度が高いため、自転車やアウトドアグッズなどを置く土間に適しています。無機質な仕上がりがインダストリアルテストやカフェ風の空間に馴染みます。

●天然石・・・天然の石を敷き詰めて仕上げます。天然石は摩耗に強いので、家具を置いても傷が付きにくく凹み跡も残りません。また、大理石や御影石など、自然由来の唯一無二のデザインを楽しめるというメリットもあります。

●Pタイル・塩ビタイル・・・プラスチック製タイルで施工が簡単なうえに、耐久性が高いため、店舗や事務所など公共の施設で使われています。

●CF(クッションフロア)シート・・・塩化ビニル製でシート状になっていてサイズに合わせてカットし、接着して使います。マンションなどの集合住宅では、トイレや洗面所の床材として主流になってきました。

2.土間を使ったオシャレな家にするポイント

三和土を含め、好みの素材を使って仕上げることが出来る土間ですが、素材を楽しむ以外にも、どんな点を意識するとオシャレで使いやすい家にすることが出来るのでしょうか?土間を使ったオシャレな家にするためのポイントをご紹介したいと思います。

■玄関以外に三和土を取り入れてオシャレな家にする!

三和土・土間空間というと土足で入る玄関部分が一般的ですが、他にもオシャレな家、使い勝手の良い家にするうえで土間空間を家の中で幅広く使うことが出来ます。

例えば、玄関の土間を広くとり、シューズクロークや洗面所まで繋げることで、玄関が開放的に見えるだけではなく、土足のまま入ってアウターを片付けたり、手や汚れたアウトドアグッズを洗ったり出来て便利です。また、古民家のように、キッチンを土間にすることも出来ます。庭や畑、釣りでとってきた食材を土足のままキッチンに運んで、すぐに調理が出来ます。LDKがワンフロアの間取りでも、キッチンを三和土にして床材を変えることで、空間を緩く仕切ったり、アクセントになったりしてオシャレです。

他にも、グリーンスペース、趣味部屋などを土間にして作業をしやすいようにしたり、ワークスペースやホームオフィスを土間にして靴を履くことでプライベート空間とのメリハリを付けられるようにしたりすることも出来ます。

■仕上げ材に合わせてプロの力を借りよう!

土間空間をDIYで仕上げることも出来ますが、素材や土間にする場所によっては、DIYが難しい場合があるので、注意が必要です。

例えば、DIYで主流となったクッションフロアであれば、サイズを図り、カタチに合わせてカットして接着することで、仕上げることが出来るので、比較的個人レベルでも可能です。ただし、クッションフロアは土足には弱く、汚れや傷が入りやすいとい点や、水気ぐらいであれば問題ないものの水を流すことが出来るほど強くないので、水洗いをしたい土間には不向きという点を意識しておく必要があります。土足のままで入る玄関や勝手口などは、クッションフロアよりも強いPタイルの方が適しています。クッションフロアを活用する場合は、インナーテラスやランドリールームなど、室内履きで歩く、『土間空間風』仕上げにしたい場所に適しています。しかも、デザインのラインナップが豊富なので、タイル調やコンクリート調、三和土調など土間の仕上げの種類も室内のテイストに合わせて選べます。

クッションフロアがDIYで出来るのに対し、三和土やモルタル仕上げにするには、材料の配合によっては固まらなかったり、塗り方によってはヒビが入りやすくなったりして、プロの技術が必要となります。水を流せるようにする場合は、勾配を付ける必要もあるので、さらに難しくなってしまいます。三和土は特に、誰でも施工出来るわけではないうえに、技術のある職人も減っています。

土間空間のDIYを考えているのであれば、どこにどんな素材を使うか、どこまで自分で施工しても問題ないか、素材の性質や技術力をプロに尋ねて、必要な場合はプロの力を借りて、オシャレでかつ安全で、見栄えの良い土間に仕上げましょう。

3. まとめ

赤土と砂利と石灰の3つの素材を混ぜて叩き固めて仕上げる、三和土(たたき)は、土間の仕上げ材として、日本で古くから活用されてきました。三和土は現代でも人気の仕上げ材ですが、海外スタイルを取り入れたり、施工がしやすかったり、オシャレな空間にしたいという理由から、タイルやモルタル、天然石、Pタイル、クッションフロアも土間の仕上げ材として活用されています。また、土間空間自体も玄関だけではなく、ライフスタイルに合わせて、シューズクローク内や洗面所、キッチン、インナーテラス、ワークスペースに取り入れることが出来ます。土間の素材を決める際やDIYを楽しみたい場合は、素材の性質や用途を考えて、必要であればプロの知識や技術を借りるようにしましょう。

ひとえに土間空間と言っても、選ぶ素材や用途によって見た目や使い勝手が変わります。素材にこだわってオシャレな土間のある家にリフォームしましょう!