『ユニット洗面台』と『造作洗面台』我が家に向いているのはどっち?

感染症の流行から、手を洗う習慣が見直され、それに伴って家の手洗い器や洗面所をリフォームしたり、こだわったりする方が増えました。特に、オシャレな洗面台として造作洗面台が人気を集め、今や洗面台は造作するのが当たり前という考えの方も増えています。しかし、あえて造作する必要はあるのだろうか?既製品で鏡やボウル、収納などが一体型になっているユニット洗面台でも良いのではないか?と感じて悩んでいる方も少なくありません。実際には、どちらにもメリットがあり、ライフスタイルや好み、洗面所や洗面台に求めることは人それぞれなので、自分の暮らし方や好み、予算などに合っている洗面台を選ぶ必要があります。

そこで今回は、ユニット洗面台と造作洗面台のそれぞれのメリットから、どんなお宅がどちらの洗面台に向いているのかを、ご説明したいと思います。

1.ユニット洗面台が向いているお宅は?

まず、ユニット洗面台の方が向いているお宅や、あえて造作しなくても希望の洗面所になりやすいのはどのようなお宅なのかを、ご紹介したいと思います。

■間違いのない機能性を求めたい!

ユニット洗面台は、既製品なのでショールームで実物を確認することが可能ですし、施工例もあるので、どんな使い勝手なのか、どんなサイズ感で、どれだけ収納が出来て、どんな洗面所に合うのかなど具体的に確認することが可能です。そのため、イメージが出来なかったり、実物を見なければ不安だったりする方はユニット洗面台の方が安心です。

また、ユニット洗面台は各メーカーが汚れの付きにくさや節水具合など、掃除のしやすさや機能面の研究やテストをして作り上げられたものなので、既に分かりやすいデータや数字が打ち出されています。そのため、設備や機能に保証があるうえ、自分の求める機能が備わっている洗面台を絞り込んで選ぶことが可能です。造作洗面台の場合は、選ぶ素材や施工する職人さんによって品質が変わることもあるので、間違いのない機能性を求めたいのであれば、ユニット洗面台を選ぶ方が安心です。

■手頃に購入したい!

造作洗面台はオリジナルで作成するので、予算内で造るように調整をすることが可能ですが、品質の良いもの、デザイン性の高いものなど、こだわればこだわるほど高くなりがちです。対してユニット洗面台は、大量生産されているため、比較的安く購入することが可能です。しかも、安定した品質で、一般的に使いやすいとされるサイズや収納量があるので、造作洗面台と比較して手頃な価格で品質の良い洗面台を手に入れることが出来るかもしれません。また、商品代が決まっているので、予算内で探しやすいというメリットもあります。

さらに、造作洗面台はパーツを組み合わせたり現地で造り上げたりする必要があるので、完成までに時間がかかりますが、ユニット洗面台は設置して給排水管や電気線と繋げば、すぐに使用できるため、工事費や人件費も抑えられます。

間取りやレイアウトを変えるリノベーションではなく、リフォームで今ある位置に同じサイズの洗面台を、お得な価格で交換したいという方は特に、ユニット洗面台がおススメです。

2.造作洗面台が向いているお宅は?

ユニット洗面台にも多くのメリットがありますが、造作洗面台にすることで、より希望通りの洗面所になる場合もあります。どのようなお宅に、造作洗面台が向いているのかをご紹介したいと思います。

■デッドスペースを無くしてピッタリサイズに作りたい!

造作洗面台は、ミリ単位で造ることが出来るというメリットから、洗面台が欲しい場所にピッタリのサイズで造ることが可能です。

ユニット洗面台は規格サイズが決まっているため、リフォームでは特に、デッドスペースが出来てしまったり、反対にお気に入りのデザインの洗面台が入らなかったりするケースは少なくありません。間取りに合わせて、入る洗面台のサイズを選ぶのではなく、使いやすい洗面台を間取りに合うように造った方が見栄えも良いうえに、埃が溜まりにくいなど掃除や使い勝手の面などのメリットも多くあります。

また、幅だけはなく高さの点でもサイズを合わせることが可能です。身長の高さに合わせたり車いすの高さに合わせたり、使いやすい高さの洗面台を造ることが出来ます。また、洗面台の高さと家事カウンターの高さやメイクカウンターの高さを合わせてスライド動作のみで使えるようにすることや、好きな高さに収納棚や鏡を取り付けることも可能で、高さもミリ単位でこだわることが出来ます。

■洗面所のテイストにこだわりたい!

ユニット洗面台は、ボウルの色と扉や引き出しのパネルの色を、好みの色を選んで、洗面所とのカラーコーディネートをすることは出来ますが、デザインやカタチ全てで空間に合ったテイストにするのには限界があります。基本的には、どんなテイストにでも合わせやすいシンプルなものが多いため、好みのテイストによっては、空間とマッチしない洗面台になってしまうかもしれません。

例えば、ホテルライクな雰囲気やナチュラルテイストに合うデザインのユニット洗面台を造っているメーカーは多いですが、輸入住宅に合うような欧米風の洗面台は日本の住宅設備機器メーカーでは取り扱いが限られていて選択肢が少なく、部屋の雰囲気にマッチしないケースは少なくありません。また、海外テイストの家に多いツーバイフォー工法で建てられた家は、日本建築に多い木造在来工法の家と規格サイズが異なるため、日本メーカーの洗面台では、ピッタリのサイズにならないことが多いので、間取りに合わせるという点でも、造作洗面台の方が向いています。

欧米スタイルの家の場合でも、造作であれば輸入建材や海外の洗面ボウルを組み合わせて造ることが出来るため、より家のテイストにマッチしたこだわりの洗面所になります。

3. まとめ

洗面台をリフォームしたり、リノベーションで設置したりする場合、ユニット洗面台にするか、造作洗面台にするか、大きく分けて2つの選択肢があります。既製品であるユニット洗面台は、ショールームなどで実物を確認できるうえ、安定した品質で機能性の高い洗面台を比較的安価で購入することが可能なので、間違いのない機能性を求めたい方や、お得に洗面台のリフォームをしたい方に向いています。一方、ミリ単位で幅や高さを調整しながら造ることや、こだわりの家のテイストに合わせて造ることが可能な造作洗面台は、デッドスペースを無くしてピッタリサイズの洗面台を造りたい方や、欧米スタイルなど家の構造やテイストに合った洗面台を造りたい方に向いています。

ユニット洗面台と造作洗面台の特徴を確認して、自分が理想とする洗面所にするためにはどちらの洗面台が良いか考えてみましょう。