スロップシンクって本当に便利?メリットを最大限に活かすには?

水回りの設備として最近は、大型の流しや業務用の流しとして知られる、『スロップシンク』を設ける方が増えています。洗面化粧台や手洗い器とは別にスロップシンクを設けることで、空間をオシャレに彩るだけではなく、暮らしが便利になると感じている方は少なくありません。しかし、予算や間取りを考えると、我が家にスロップシンクは本当に必要なのか、どれほど便利で、設置希望の優先順位をどれぐらいの位置に定めるべきなのか、悩んでおられる方もいらっしゃいます。

そこで今回は、スロップシンクを設けることが本当に便利な暮らしに繋がるのか、自分の暮らしに必要なのかを検討するために役立つかを確認するポイントや、設置の際に意識しておきたいポイントをご紹介したいと思います。

1. 我が家の暮らしにスロップシンクがあると便利?

自分の暮らしにスロップシンクが本当に必要か、便利なのかを知るために、まずはスロップシンクを設けて満足しておられる方が実際にどんなことに使っているのか、どこに設置しているのかに注目してみましょう。

■スロップシンクがあると便利なのはナゼ?

スロップシンクを設けたことで満足しておられる方の多くは、子育て中の家事で役に立っていると感じています。

例えば、乳幼児の時には布おむつを洗ったり、汚れた服を洗ったり出来ます。学生になると、絵具のパレットや習字の筆を洗う場所として、また遊んで汚れた服や部活でのユニフォームの汚れなどを漬け置きして洗う場合は、洗面化粧台とは別に流しがあると便利で、かつ深型で水を溜めることが出来るスロップシンクがあって良かったと、満足度が高い理由となっています。さらに、看病や介護が必要な家族がいる場合も、衣類をサッと洗って洗濯機に入れることが出来て便利です。

他にも、小型犬などのペットのシャンプー台として活用したり、アウトドアグッズを洗ったり、観葉植物の水やりや、植木鉢ごと水に浸す腰水、エアープランツを水に浸すソーキングなどに活用する方もいらっしゃいます。

上記で取り上げた用途が日常的にある方にとって、スロップシンクを設けることは、家事をラクに行い、便利な設備になります。しかし、使う頻度が少ないと感じたり、洗面化粧台で代用できたり、深型や2ボウルのシステム洗面台などを選べばスロップシンクにこだわることはないと感じたりするのであれば、設置希望の優先順位を下げることが出来るかもしれません。

■スロップシンクはどこに設置するの?

スロップシンクがあると便利だと感じても、そもそも設置するスペースが無ければ導入することは現実的ではありません。多くの場合、スロップシンクは洗面化粧台とは別に設けることが多いので、まずは設置出来る場所があるかを確認することが大切です。

・ランドリールーム:衣類の手洗い用や漬け置き用として活用している方の多くがランドリールーム内に設置しています。

・脱衣所:洋服を脱いですぐにスロップシンクに入れることができたり、脱衣所に洗濯機を置いている方はスロップシンクで手洗いしてすぐに洗濯機に入れたりできて便利です。

・玄関土間やシューズクローク:アウトドアグッズや靴を洗うのであれば、玄関に近い場所に設けることで、室内に汚れが入ってくるのを防げます。

・インナーバルコニーや窓際:植物の水やりに活用するのであれば、じょうろや鉢を持っての移動が最短になるような場所にレイアウトすると便利です。

基本的に、使う用途を考えて設置する必要があります。用途に合った導線上に設置しなければ、使う頻度が減りスロップシンクを設けたことを後悔するかもしれません。

2. スロップシンクのメリットを最大限に活かすためには?

スロップシンクを設置することにメリットが多くあると感じて取り入れることに決めたのであれば、メリットを最大限に活かし、より便利に使いやすくするために、どんな点を意識すると良いのでしょうか?意識しておきたいポイントをご紹介したいと思います。

■暮らしに合うスロップシンクの深さと高さを考える!

カウンターや下部収納があるシステム洗面台と違い、流しのみのスロップシンクは、設置高さを自由に決めることが出来ます。衣服を手洗いしたり、ペットのシャンプーをしたり、細かな作業や力が必要になることを考えると、足腰に負担をかけない、自分の身長に合った高さに設置しなければ使い辛いものになってしまいます。

使う人の身長に合わせることはもちろんですが、流しの深さを確認することも忘れないようにしましょう。ひとえにスロップシンクと言っても、TOTOやリクシル、カクダイ、アドヴァンなど、多くのメーカーでオリジナル商品の取り扱いがあり、カタチやサイズ、深さが異なります。深さ次第で作業しやすい高さも変ってきます。

まずは、用途を考えて必要な深さを考えて商品を決めましょう。ペットが入る深さか、水はねしない深さかなど用途に合わせた仕様を考えます。そのうえで、自分の身長に合っているか設置高さを再度確認しましょう。バケツに大量の水を入れた際に持ち上げることが出来ない高さだったという失敗例は多いので、動作を具体的に確認しておくことで失敗を防げます。

■動線や動作を考えたレイアウトにする!

スロップシンクの設置場所を考える際には、その部屋の中のレイアウトや周辺アクセサリーも動作や導線に合わせて考えることが大切です。

例えば、衣類を漬け置きした後に洗濯機に入れるのであれば、洗濯機の横に、洗濯機には入れずに直接干すのであれば、勝手口や窓の近くに設けたり、スロップシンクのすぐ上に水切り棚やランドリーパイプを設けたりすることで、動線が短く動作がスムーズになります。

また、手洗いなどの作業をしっかり行うのであれば、壁が近すぎると腕が当たって力が入らないというケースもあります。作業スペースがしっかり確保出来ているかも確認しましょう。

さらに、お湯が使えると便利な場合は混合水栓にすることや、シャワー水栓が必要ではないかを検討したり、水はねや掃除を考えて周りの壁にキッチンパネルやタイルを張ることも検討したり出来るかもしれません。

3. まとめ

大型の流し、『スロップシンク』を洗面化粧台とは別に設ける方が増えています。スロップシンクを設けることで、子育てや看病、介護中の方は汚れた衣類を洗ったり、漬け置きしたり出来て便利です。また、アウトドアグッズを洗ったり、ペットのシャンプー用に使ったり、観葉植物の水やり場として使ったりも出来ます。用途や作業内容に合わせて設置場所を決め、作業スペースを確保したり、室内でのレイアウトやアクセサリーの設置を決めたりしなければ、使い辛いものになってしまうので注意が必要です。また、デザインや深さは商品によって異なるので、用途に合わせた深さのスロップシンクを、使う人の身長に合った高さで設置することが大切です。

スロップシンクが自分の暮らしに必要かをよく検討したうえで、家事をラクにして暮らしを便利にするメリットを最大限に活かす方法で設置しましょう。