
住まいを綺麗に保ち、長く住み続けるうえで、リフォームやリノベーションを行うことは、今や当たり前のこととなっており、それを趣味や特技としてDIYを楽しむ方も増えています。しかし、ツーバイフォー工法の家(2×4住宅)となると、急にリフォームには向いていないとか、出来ないとまで言われることがあります。耐震性や断熱性、気密性が高いことから注目されているにも関わらず、リフォームやリノベーションが出来ないとなると、中古物件の購入も悩んでしまいますし、現在ツーバイフォー工法の住宅に住んでいる方も不安になってしまいます。
同じ木造住宅でも、在来工法の家では大丈夫とされているリフォームが、工法が違うだけで、これほど懸念される理由はどこにあるのでしょうか?ツーバイフォー住宅であっても、快適に暮らすポイント、リフォームやリノベーションを成功させるポイントと共にご説明したいと思います。
1. ツーバイフォー住宅のリフォーム・リノベーションが不安視される理由とは?
ツーバイフォー住宅のリフォームやリノベーションが不安視されやすいのには理由があります。不必要な不安を抱かないためにも、理由を確認しておきましょう。
■日本では圧倒的に少ない建築数
林野庁の調べによると、日本における低層住宅の木造率は約80%で、令和6年度の新築一戸建て住宅の91.9%が木造で建てられているほど、日本での木材による建築はメジャーです。しかし、同じ木造でも、工法に関しては、 在来工法(木造軸組工法)が76.6%、ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)が21.0%、木質プレハブ工法が2.4% と、ツーバイフォー工法で建てられた家が圧倒的に少ないのが現実です。 令和6年度 森林・林業白書 全文:林野庁
そのため、日本でのツーバイフォー住宅のリフォームやリノベーションの施工例も必然的に、在来工法と比較すると少なく、情報が集まりにくい傾向にあります。リフォーム適齢期となったツーバイフォー住宅が増える中で、参考になる家や情報が少ないうえに、ツーバイフォー住宅はリフォームやリノベーションが出来ない、満足できない、といった悪い情報が入ってくると、不安が募るばかりかもしれません。
■知識があって適切なリフォームが出来る会社が少ない
建築数が全国で2割程度なので、リフォーム会社としては需要がなく、ツーバイフォー工法に特化したリフォーム会社や、知識をもつ職人が少ないことも、不安につながる原因となっています。同じ木造でも、一般的な在来工法とは違うため、設計士や職人は正しい知識と経験が求められます。しかし、その知識がない状態で、リフォームを受けてしまう会社もあり、施工不良を招いてしまったり、実際には可能なリフォームでも出来ないと伝えたりして、不満が残る工事や間違った情報だけが増えてしまっています。
それでも、ツーバイフォー住宅に精通して正しい知識があり、リフォームでの経験が豊富なリフォーム会社もあります。世田谷区に住宅がある方であれば、ツーバイフォー工法に精通しているさくらリフォームがありますが、全国的に見ると、施主の近所にあると限らないため、適切なリフォームが出来る会社が少ないことは不安要素となっています。
2. ツーバイフォー住宅でも安心してリフォーム&快適に住み続けるには?
ツーバイフォー住宅の建築数や専門的な知識があるリフォーム会社が少ないために、リフォームやリノベーションを不安視する方は少なくありませんが、ツーバイフォー住宅でも、快適に長く住み続けることは可能です。リフォームの不安を軽減して、快適に暮らしていくために意識しておきたいポイントをご紹介したいと思います。
■専門知識のあるリフォーム会社選び
上記でも取り上げた通り、安心して優良施工を受けるためには、何よりもリフォーム会社選びが重要です。リフォーム経験数が豊富で、デザイン性が高くても、ツーバイフォー工法の専門知識や施工技術が無ければ、意味がありません。ツーバイフォー住宅に関する専門知識があるか、リフォーム経験があるか、という点に注目して、リフォーム会社選びを行いましょう。出来ますという言葉だけではなく、実際に施工経験があるか、ホームページで確認したり、施工例を見せてもらったりすることも大切です。
また、輸入住宅を建てるハウスメーカーなど、新築は扱っていても、リフォームやリノベーションまで行ってくれるところは限られるので、ツーバイフォー工法で新築したり、ツーバイフォー住宅の中古物件の購入を考えたりする方は、今後必要となるリフォームやリノベーションを依頼出来る会社が近所にあって、依頼が可能かどうかの確認を事前に行っておくことも大切です。
■アフターサービスの有無を確認
定期的なアフターサービスが付いている会社を選ぶことも、リフォームに関する不安を軽減させてくれます。設備機器が壊れたり、家の劣化が進んだり、目に見えるようになってからリフォームを行うよりも、定期的な点検を行ってくれる会社に依頼することで、プロの目で不具合を早期発見できて、大掛かりな修理を防ぐことができるうえに、常に綺麗で快適な住まいを保ちやすくなります。
また、アフターサービスがあって、長期的な付き合いを前提としている会社であれば、自分でできる修理やメンテナンスを教えてもらうことも出来ますし、工事が必要なメンテナンスやリフォーム、リノベーションの時期も前もって教えてもらうことが出来るので、逆算してマネープランやリノベーションプランを立てやすくなるというメリットもあります。
会社を選ぶ際には、点検の有無だけではなく、点検が無料なのか、どのぐらいの頻度で、いつまで、何回行ってくれるのか、なども確認しておきましょう。
3. まとめ
ツーバイフォー住宅はリフォームやリノベーションに関してネガティブな情報が多いため、不安を感じている方が少なくありません。しかし大きな原因は、日本ではツーバイフォー住宅が木造住宅のうち2割程度しか建築されていないため、リフォームやリノベーション施工例や正しい情報が圧倒的に少ないこと、主流ではない工法であるために、知識や技術、経験が揃っているリフォーム会社が少ない、ということにあります。ツーバイフォー住宅でも、安心してリフォームやリノベーションを行うためには、専門的な知識と実際的な施工経験があるリフォーム会社や、アフターサービスによる定期的な点検やメンテナンスを行ってくれる会社を選ぶことが重要です。
正しい知識や技術があるリフォーム会社に依頼して、不安を無くすことはもちろん、満足度の高いリフォームを実現させましょう。