
輸入住宅や欧米スタイルの部屋に憧れてはいるものの、現実では日本らしい家に住んでいて海外スタイルには程遠いと感じる造りだったり、住みたい地域に中古の輸入住宅が無かったりして、理想を実現させることは難しいと感じているかもしれません。
リフォームやリノベーションで、好みのデザインやテイストを実現できると言われているとはいえ、輸入住宅でもない家を海外スタイルのデザインに変えることは出来るのでしょうか?海外スタイルの家にリノベーションするコツをご紹介したいと思います。
1. 住宅の違いを知ることが海外スタイルの近道
海外スタイルの家にリフォームやリノベーションすることを成功させるためには、まずは日本の住宅との違いを知っておくことが重要です。どんな違いがあるのか、知っておくことがなぜ大切なのかをご説明したいと思います。
■輸入住宅と日本の住宅の違いとは?
輸入住宅と日本の住宅では、様々な違いがありますが、大きく分けて下記の2つの違いが見られます。
●工法の違い:輸入住宅の多くは壁や天井、床といった面で構成するツーバイフォー工法で造られています。対して、日本の一般的な木造戸建て住宅は、柱や梁で構成する在来軸組工法で造られています。それぞれの工法の規格サイズは異なり、天井の高さや空間の広さなどに違いが出るため、部屋ごとの基本的な広さにも違いが出ますし、輸入住宅の方が気密性や耐震性が高いなど、最低限の性能にも違いがあります。
●ライフスタイルに伴うデザインの違い:風土や、その国ならではのライフスタイルに伴うデザインの違いが家にも表れています。
例えば、海外は日本人よりも長身の人が多いため体形に合わせた大きな造りのドアが採用されていたり、自然いっぱいの景色を楽しみ、自然光を入れるための大きな窓が採用されていたり、毎日のブランチやホームパーティーを楽しむためのテラスやデッキがあったりします。また、日本では靴を脱いで入るため玄関には段差のある土間スペースがありますが、海外では土足のまま出入りするため基本的にはフラットです。さらに、海外ではテーブルとイス、ソファーやベッドなどのサイズが大きいため、リビングダイニングや寝室に求める広さも日本と異なります。他にも浴槽が必要かどうかは入浴する習慣があるか、国によっても異なりますし、日本ほどウォシュレットなどの機能が整ったトイレを設置する国はありません。その代わり、トイレ後にすぐに体を洗う習慣から、トイレとシャワールームがワンルームになっている国もあります。
このように、暮らしに合わせた家の造りがデザインの違いや間取りの違いになっているため、日本の住宅は日本の風土や日本人の暮らしに合わせて造られたデザインと言えます。
■違いを理解しているリフォーム会社に依頼するのが成功のカギ!
輸入住宅と日本住宅には違いがありますが、日本建築を代表する古民家や和風住宅のような和の魅力を最大限に推しだした住宅ではない限り、在来工法の家であっても、輸入住宅のような海外スタイルの家にリノベーションすることは可能です。
ただし、そのためには輸入住宅などのツーバイフォー工法と在来軸組工法の住宅、どちらか一方だけではなく、どちらの特徴も把握していて、違いを理解しているリフォーム会社に依頼しなければ、リノベーションによる変化を引き立たせることが出来ません。しかも、在来軸組工法の家を触って海外スタイルを作ることになるので、中途半端な知識でリノベーションしてしまうと、規格サイズの違いに直面したり、耐震性などの構造面を危険にさらしたりすることもあり得ます。また、日本スタイルとも海外スタイルとも言えない、どっちつかずの家で統一感が無くなってしまうこともあり、後悔の残るリノベーションになってしまいます。そのため、海外スタイルの家へのリノベーションを成功させるためには、ツーバイフォー工法と在来軸組工法の両方の知識があり、実際に工事の実績があるリフォーム会社に依頼することが重要です。
さらに、海外での生活を経験したり、ライフスタイルの違いを意識的に勉強したりしているスタッフがいる会社に依頼することで、より海外スタイルを反映した家にすることが出来ます。しかも、日本での暮らしの中で、どこまで海外のスタイルを取り入れることが現実的なのか、環境にあまりにもかけ離れて暮らしづらくなってしまわないか、違いを知っているからこそ、客観的にプロ目線でアドバイスすることも可能です。
2. 輸入住宅ではなくても海外スタイルの家にリノベするには?
輸入住宅と一般的な日本住宅の違いを理解したところで、ここからは在来軸組工法のような日本的な住宅やマンションであっても輸入住宅のような海外スタイルの家にリノベーションするための実際的なコツをご紹介したいと思います。
■輸入建材を使って海外の風を取り入れよう!
輸入住宅では、日本では主流ではないデザインや建材が使われています。そのため、輸入建材を取り入れることは、海外スタイルの家をつくる近道となります。
例えば、欧米デザインを感じさせるアイテムとして、窓周りを立体的に装飾する、『モールディング』があります。窓を変えることが出来ないマンションでも、モールディングで室内を装飾したり輸入ドアを採用したりすることで、欧米らしさを演出できます。
また、ドアノブや水栓など、ちょっとしたことに感じるような部分でも、日常生活で目にし、頻繁に触る部分だからこそ輸入建材を使うことで、海外スタイルを感じることが出来ますし、空間に統一感が生まれます。
■海外ならではのカラーコーディネートを!
内外装のどちらも、色を意識してコーディネートすることで、現在の日本らしいデザインから大きくイメージを変えることが可能です。日本の住宅では一般的に使われない色や、海外ならではの色の組み合わせ方を楽しむことが出来ます。
海外スタイルと言っても国によってカラーテイストは異なります。まずは、どの国のスタイルにしたいかを決めたうえで、カラーコーディネートをしましょう。海外スタイルの中でも人気のテイストの特徴的なカラーをご紹介したいと思います。
●アメリカンカントリー:ログハウスがベースとなっているため、パイン材などの木材を中心に、白やベージュ、赤、青などの温かみのある色でまとめギンガムチェックなどの柄を取り入れることがポイントです。
●南欧:白をベースに自然を感じさせるアースカラーであるテラコッタやブラウン、アクセントにオレンジやグリーン、ブルーを取り入れて明るく開放的で温かな空間を演出しましょう。
●北欧:元気が出るようなポップな色の南欧に対し、北欧は自然由来の優しい落ち着いたニュートラルカラー、オフホワイトやグレー、ベージュ、パステルカラーを中心にコーディネートするのがポイントです。
目指したいテイストのカラーを、外壁や壁紙、キッチンなどの設備機器、カーテンなどのファブリックで取り入れることで、海外らしいコーディネートを楽しめます。この点でも、輸入建材を取り入れることでおのずと、その国のカラーを取り入れることが可能です。
3. まとめ
輸入住宅ではない、在来軸組工法の住宅やマンションであっても、海外スタイルの家にリノベーションすることは可能です。しかし、輸入住宅の多くはツーバイフォー工法で、日本の住宅と構造や規格サイズが異なること、国によって風土や習慣、ライフスタイルが違い、それに伴ってデザインや間取りが違うことなど、違いを把握し、どちらの工法も理解して工事実績のあるリフォーム会社に頼まなければ、構造面を危険にさらしたり、後悔の残るデザインになったりする可能性があるので注意が必要です。
日本の住宅と輸入住宅、どちらの知識もあるリフォーム会社に依頼し、輸入建材を採用したり、好みのテイストならではのカラーコーディネートをしたりして、海外スタイルの家に生まれ変えましょう!