リフォームやリノベーションの特集雑誌やインスタグラムなどを見ると、オシャレな家ばかりで憧れる反面、我が家には現実的ではない、常にこんな状態を保てるわけがない、と思ってしまうかもしれません。せっかくリフォームするなら、キレイにオシャレにしたいものですが、インテリアテイストまでこだわる価値があるのか、そもそもどんなテイストであれば居心地が良いのか分からないと感じている方は少なくありません。

整理整頓が苦手でも、掃除に追われなくてもオシャレな雰囲気を保てるインテリアテイストはないのでしょうか?おススメのテイストをご紹介したいと思います。

1. 整理整頓が苦手・ズボラな暮らしでもオシャレになる?

オシャレな家にすることや、キレイな状態を維持することに難しさを感じるのには、どんな理由があるのでしょうか?難しさの中でもオシャレで片付いた家を保つ秘訣と共に、ご説明したいと思います。

■オシャレな家は現実的ではない!?

子育てや介護、仕事に追われ、忙しい暮らしを送っていると、毎日掃除を細かく出来るわけでもないため、オシャレな家にしても維持するには難しいと感じることもあります。家族それぞれの動きや持ち帰ってくるものも違うので、意志に反して散らかってしまうこともあり、キレイにしなければという意識や、実際に掃除に追われてしまうと、居心地の良いインテリアテイストがむしろストレスになってしまうということもあります。

例えば人気の、モダンテイストやホテルライクは、生活感を無くし、シャープでスタイリッシュな洗練されたデザインが特徴です。そのため、生活雑貨など、物を出来るだけ見えないように隠したり、見えているものや家具は真っすぐ直線的な配置を意識したりする必要があります。溢れやすい物を見えないようにするには、収納や間取りの工夫が必要となりますが、家の広さによっては隠すための十分な広さの収納を確保するには限界があったり、家事の時短や使い勝手を考えると手が届く見える範囲に収納したりした方が良いと感じるかもしれません。また、家族がいると、常に整理整頓することは難しく、暮らしやすさの点からも現実的なスタイルではないと感じるかもしれません。

さらに、オシャレは好きだし、好みのテイストに囲まれて暮らせるに越したことはないものの、そもそもズボラな性格で、細かいところまで気にしたくない、家事はそこそこにして、他のことに時間を沢山使いたいという方もいるかもしれません。ズボラな暮らしこそ自分らしい暮らし、ライフスタイルだとしたら、オシャレな家に縛られて家事に追われるのは快適な暮らしにはなりません。

■ズボラな暮らしでもインテリアは楽しめる!

毎日の暮らしを考えると、リフォームでどんなにキレイにしてこだわっても、オシャレな家を維持するのは難しいと感じるかもしれません。そのような場合は、リフォームやリノベーションの際に、お掃除機能がついた設備機器を導入したり、汚れにくい建材を使ったりすることで、出来るだけ家をキレイに保つことが出来ます。

それに加えて大切なのは、どんなインテリアテイストにするか、という点です。インテリアテイスト次第で、汚れを目立ちにくく、ズボラな暮らしでも気になりにくい、かつオシャレな家にすることが可能です。

例えば、ホコリや手垢は明るい色よりも暗い色の方が目立ってしまいます。そのため、フローリングやキッチンの扉の色は、ダークブラウンやグレー、黒などのダーク色よりも、オークやメープル、白などのナチュラルカラーやライト色を選ぶことで汚れを目立ちにくくすることが可能です。

また、プラスチックや樹脂製品などは傷が入ると破損や劣化に見えてしまいますが、革や木などの自然素材の傷は、経年変化や味として使い続けることが出来る素材です。

健康や衛生面を考えて、ある程度の清潔さを保つことは重要ですが、汚れが目立たない色や素材を中心にインテリアテイストをコーディネートしておけば、掃除に追われることなく、少しズボラな暮らしでもキレイさを保て、心にゆとりが出来るかもしれません。

2. 整理整頓が苦手でも大丈夫なインテリアテイストとは?

インテリアテイスト次第で片付けや掃除のストレスが違うことが分かりましたが、具体的にどんなテイストにすると、整理整頓が苦手な人でもおしゃれな家を保ちやすくなるのでしょうか?おススメのテイストをご紹介したいと思います。

■雑然さがカッコいい『インダストリアルテイスト』

掃除や家事は良いがセンス良く整えたり、整理整頓したりするのは苦手という方には、整え過ぎられていない、雑然とした置き方こそがテイストの味となる『インダストリアルテイスト』がおススメです。

インダストリアルとは、「産業の」、「工業の」という意味があり、工業的なデザインのインテリアテイストを指します。大量生産された機能美に優れたデザインのものを取り入れたり、工場街をイメージさせるような建築素材がむき出しになったりした、無骨なデザインながらも使用感や暮らしを感じられる温かなインテリアテイストです。工業系のインテリアテイストという点では、アメリカのニューヨーク州の元工業地帯の都市、ブルックリンのインテリアスタイルも、インダストリアルテイストに似た雰囲気でおススメです。

物が多く、雑然としているように感じる工場内の使い勝手重視の配置は、暮らしやすい物の配置という点でも、生活になじみますし、生活の中で増えていく傷や汚れも、味としてインダストリアルテイストを演出してくれます。

■色選びに困らない『アメリカンポップテイスト』

インテリアテイストを統一させるうえで重要なのはカラーコーディネートです。しかし、生活していく中で、様々な色が入ってくるものです。テイストに合わせて同系色でまとめるにも、微妙な色の違いに苦戦したり、子どもたちのおもちゃには鮮やかな色が使われていますし、色とりどりな子どもたちが描く絵や作品も飾りたいとも思ったりすると、カラーコーディネートはより難しくなってしまいます。

そのような場合は、カラフルな色を取り入れることこそが、テイストを築くことになる、『アメリカンポップテイスト』でコーディネートすることがおススメです。限られた色の中でコーディネートしていく引き算の考えではなく、色やデザインを取り入れる足し算の考え方なので、色選びが自由で比較的カラーコーディネートがラクになります。

日本を感じさせる黒や白といった静けさや深みのある色、灰色、藤色といった淡い色ではなく、赤・青・黄色といった明るくて鮮やかな原色が多く使われている海外のポップな色をメインにすると、物や色が多くても、それをインテリアテイストに変えやすくなります。同系色で色を合わせることよりも、色違いにして、いろんな色を取り入れることを意識してみましょう。色選びに迷ったら、カラフルな色が使われていたり、個性的で大柄なデザインのものを選んだりすることで、アメリカンポップ要素が強くなります。

ただし、家全体をカラフルにすると、落ち着かない雰囲気になってしまうかもしれないので、リビングや子ども部屋など、カタチが揃いにくい物や雑貨、おもちゃなどが溢れやすい部屋をメインにアメリカンポップの要素を取り入れることがおススメです。

3. まとめ

日々忙しい生活を送っていると、こまめに掃除をしてオシャレな家を保つのは難しいと感じるかもしれません。ズボラな暮らしが自分らしいという場合もあります。そのような場合は、オシャレな家に縛られてストレスになってしまわないように、汚れが目立ちにくく、むしろ味となるような色や素材を使ったインテリアテイストにコーディネートしましょう。整理整頓が苦手な方やカラーコーディネートに難しさを感じる方であれば、インダストリアルテイストやアメリカンポップテイストがおススメです。

流行りのテイストでオシャレな家が快適な家とは限りません。自分らしい自分に合った暮らしが出来るインテリアテイストを見つけましょう!