キッチン専用の収納として、パントリーをリフォームやリノベーションで設ける方が増えています。しかし、便利そう!というイメージからパントリーを設けたいと思ってはいるものの、具体的にどれぐらいの広さ必要で、どのようなパントリーが使いやすいのか漠然としている方は少なくありません。
そこで今回は、パントリーにはどれぐらいの広さがあるとベストなのか、またリフォームやリノベーションでパントリーを設ける際のポイントをご紹介したいと思います。
1. 我が家のパントリーのベストな広さとは?
パントリーの広さは、一般的には、0.3~3畳と広さに幅があることからも分かるように、ベストな広さは、家族構成やライフスタイル、収納方法によって異なります。自分の家にとってのベストな広さを、どのように判断できるか、ご説明いたします。
導線を短く手が届く範囲に置きたいなら壁面収納型パントリー
パントリーのベストな広さを考える際には、パントリーに何を収納したいか、収納したい物のサイズや量を具体的に確認してみましょう。
家族が少なく、食材は特に大袋で買わないという方であれば、奥行きのあるパントリーよりも、一般的な食器棚のように、幅は90~180㎝で、奥行きは40~45㎝程の横に広く、棚数の多い『壁面収納型パントリー』の方が使い勝手が良くなります。広さは、0.3~0.5畳ほどです。
もう少し広くしたい、大鍋やお米など大きな物も入れたい、という方であれば、奥行きをクローゼットサイズの60㎝ほどの1畳弱ぐらいにすることで、少し大きな物も収納しやすくなります。壁面収納型パントリーは、パントリー内に入っていく必要がないので、導線が短く、手が届く範囲に収納できるというメリットがあります。
大家族・大容量収納であればウォークイン型パントリー
大家族で食材のストックが多いという方や、食器や調理器具、キッチンや食に関係するものは全てまとめて隠す収納にしたいという方は、壁面収納型パントリーよりも、大容量収納になる『ウォークイン型パントリー』がおススメです。また、パントリーにトイレットペーパーなどの日用品も一緒にストックしたいと思っている方も、収納する物のサイズやカタチを選ばないウォークイン型の方が、使いやすくなります。
ウォークインクローゼットのように、中に入って収納するので、片面であれば1.5畳ほど、全面や両面に棚を付けるのであれば、2~3畳ほどの広さが必要となります。パントリー内でも、棚の奥行きを変えることで、大きな物と細かい物の収納スペースを分けることが出来ますし、細かい物だけ、壁面収納型パントリーのように、中に入らずに取り出せるような工夫も出来るかもしれません。
2.使いやすいパントリーを作るポイント
リフォームやリノベーションでパントリーを設ける際には、広さ以外にどんな点に注意すると良いのでしょうか?使いやすいパントリーを作るポイントをご紹介したいと思います。 パントリー内をどのようにするか、という点だけでなく、普段パントリーをどのタイミングで使うか、という点も意識してみましょう。タイミングや動作を考えることで、パントリーを使う頻度や導線が分かり、ベストな位置が見えてきます。 例えば、食材やストックする物を頻繁に購入するのであれば、キッチンからのアプローチの良さだけではなく、買い物から帰ってきた時に運びやすい位置や、玄関からの導線がスムーズな間取りにしておくことで、使い勝手がいっそう良くなります。玄関とキッチンをつなぐように、ウォークスルータイプのパントリーがおススメです。しかし、反対に食器や調理器具、季節の物などがメインで、外からの出し入れが少ない場合は、キッチンからだけのアプローチの良さを考えるだけで良いかもしれません。 中には、パントリーを設けたわりには片付かなかった、という方もいらっしゃいます。むしろ、パントリーがあることで、買い足ししやすくなり物が増えたというケースさえもあります。そのため、パントリーを含め、収納を増やせば便利と思うのではなく、今の家の状態で何が問題になっているのか、根本原因を見つめ直すことも大切です。 間取りに余裕がある場合は、パントリーを設けることも片付けやすい家を作るひとつの方法ですが、新たにスペースを設けるよりも、今あるキッチンやキッチン収納を、大容量の物に変えるだけで問題が解決されるかもしれません。特に、収納アドバイザーなどプロのアドバイスを受けたうえで、持ち物を見直し、持っている物に合ったサイズやデザインのキッチンをオーダーメイド作ることがおススメです。 我が家にあったパントリーのベストな広さを知るためには、収納したい物の量やサイズを確認してみましょう。大きな物は少なく、すぐに取り出せるパントリーが良ければ、0.3~1畳ほどの壁面収納型パントリーがベストです。大家族やストックが多い方、日用品など収納したい物が沢山ある方は、1.5~3畳ほどのウォークイン型パントリーがベストかもしれません。また、パントリーに収納するものだけではなく、内容やアプローチの仕方を確認することで、レイアウトや導線の良いパントリーを設けることが出来ます。 持ち物を見直すこと、収納スペースの広さや使い方を改めて考えてみることによって、パントリーを設けるかどうかに関わらず、使いやすいキッチン、片付く家を作ることが出来ます。
問題を解決するのはパントリーではなかった!?
3. まとめ