戸建でもマンションでも日本の浴室としてシステムバス(ユニットバス)が主流になってきましたが、オシャレな浴室にするという点では、置き型バスタブのある浴室に惹かれる方も少なくありません。海外スタイルやホテルライクな自宅にするうえで人気の浴室スタイルです。
しかし、毎日使う空間、日ごろの癒しの空間として置き型バスタブのある浴室は、どうなのでしょうか?置き型バスタブのある在来工法の浴室のメリットとデメリット、置き型バスタブを採用してオシャレな浴室にするうえでのポイントをご紹介したいと思います。
1.置き型バスタブって何?
置き型のバスタブと言われると中には、昔ながらの浴室をイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。そのため、古くて使い辛いお風呂を想像してしまうかもしれませんが、置き型のバスタブを選ぶことで、オシャレで暮らし方に合った浴室に出来る場合もあります。どのような浴室で、どんなメリットとデメリットがあるのか、確認してみましょう。
置き型バスタブのある浴室ってどんなの?
置き型バスタブとは、システムバスのように床や壁と一体化になっていない、単体の浴槽です。取り扱いメーカーは少ないものの、TOTOやリクシル、サンワカンパニーなどの住宅設備メーカーや、欧米メーカーの取り扱いをしているCERA TRADINGなどで置き型バスタブの取り扱いがあります。さらに、置き型バスタブが主流な欧米から輸入建材として取り寄せることも出来ます。
置き型バスタブを採用する場合は、在来工法と呼ばれる方法で浴室を作ります。床・壁・天井・浴槽がユニット化されていて現場で組立てて造るシステムバスに対し、在来工法はそれぞれのパーツを現場で組み合わせて施工していく方法です。
置き型バスタブのメリット&デメリット
メリット
・浴室の面積やカタチが自由
システムバスでは、1317(0.75坪)や1717(1坪)というように規格サイズがあるので、スペースに合ったサイズのユニットを選ぶ必要があります。しかも、カタチも基本的に四角形です。そのため、1坪よりも少し広いスペースはあっても、システムバスは1坪以下のタイプしか入らず、デッドスペースが出来てしまうことがあります。また、四角形以外のいびつなカタチには対応できません。その点、在来工法の浴室であれば、バスタブさえ置けるスペースがあれば、スペースを全面使うことができますし、カタチも自由に使えます。置きたいところに浴槽を置けるという自由度が高いレイアウトが出来るのです。
さらに浴室内に、洗面化粧台やトイレ、脱衣所を一緒にレイアウトすることも出来て、開放的に使えるというメリットもあります。
・オシャレな雰囲気になる
システム化されていないため、お気に入りのバスタブと、水栓、タイルなどを組み合わせたオリジナルの空間を作ることが出来ます。そのため、海外スタイルやホテルライクなどのオシャレな雰囲気を作ることができます。浴室内の設備や建材ひとつひとつを選ぶため、組み合わせは何千通りになり、家全体のテイストに合わせたこだわりの浴室が出来ます。
・コストを抑えることが可能
浴室を構成する部材を自分でひとつひとつ選ぶことが出来るので、選び方次第で浴室リフォームのコストを抑えることが出来ます。
デメリット
・断熱性が低い
システムバスは浴槽の周りやフタにも断熱材が施されているものが増えているため、断熱性が高いのに比べ、置き型バスタブは断熱性が劣っているため、寒さを感じるかもしれません。家や浴室自体の断熱性を上げる必要があります。
・追い炊き機能が付けられないバスタブもある
バスタブのバリエーションが限られているうえに、追い炊き機能が付けられるものになるとさらに限られてしまいます。シャワーをメインで使う方であれば問題ないかもしれませんが、浴槽への入浴がメインで必須の機能という方にとってはデメリットとなります。
2.置き型バスタブでオシャレな浴室を手に入れるポイント
バスタブを置き型にすれば必然的のオシャレな浴室になるというわけではありません。どうすれば置き型バスタブを使って、使いやすくてオシャレな浴室にリフォーム出来るのか、ポイントをご紹介したいと思います。
掃除のしやすさを考えた素材とレイアウト
置き型バスタブは、床や壁を防水仕上げにして、給排水設備を整えさえすれば好きなところに浴槽を置くことが出来ます。そのため、絶景が見える窓際や、庭と繋がる土間部分、リビングの一角など部屋の雰囲気に合わせて、オシャレにレイアウトが可能です。しかし、その際には掃除のしやすさを考慮に入れてバスタブの位置を考えておく必要があります。
置き型バスタブを壁に近づけて置く場合、手が入らないほどの隙間が出来ると掃除がし辛くなってしまいます。手が入り掃除がしやすい広さや洗い流しやすい広さを確保しましょう。また、人工大理石ではなくアクリル製など軽くて持ち上げやすい素材の浴槽を選べば、掃除の際に少し動かせるようにしておくことも出来ます。排水の方法を、浴槽と排水管を固定せずに開放式排水にすることで、浴槽自体をひっくり返して洗えるように出来るので、システムバス以上に掃除やメンテナンスがしやすく長持ちする浴室を手に入れている方もいらっしゃいます。
建材・水栓にこだわる
置き型バスタブで、海外スタイルやホテルライクな雰囲気の浴室にしたいのであれば、バスタブはもちろんのこと、床や壁のタイル、シャワーや蛇口などの水栓金具もこだわるようにしましょう。
日本のメーカーだけでは、選択肢が限られてしまいますが、海外の建材を含めるとバリエーションが豊富になります。しかも、海外風ではなく本物の海外の建材で本場のスタイルを実現できます。
そのためには、輸入建材を扱っているリフォーム会社に依頼することが重要です。また、実際に海外の住宅で使われている浴槽や水栓を使うのであれば、海外の家の造りを知っている会社の方が、施工にも慣れていますし、コーディネートプランを出してくれたり、メンテナンスの方法も教えてくれたりして安心です。輸入住宅やツーバイフォー住宅などに特化している会社を選ぶようにしましょう。
3. まとめ
浴室にはシステムバスが主流になってきていますが、オシャレな置き型バスタブを使った在来工法の浴室には多くのメリットがあります。限られたスペースや、絶景が見える場所、いびつなカタチの空間などでも、デッドスペースを作らず比較的自由にレイアウトが出来ます。また、部材をひとつひとつ選ぶことが出来るためオリジナル性の高いオシャレな浴室に出来るうえ、コストを抑えることも可能です。置き型バスタブを採用した在来工法の浴室にリフォームするのであれば、選択肢を広げ安心して工事をしてもらうために、輸入建材を取り扱っていて海外スタイルの住宅リフォームに特化した会社に依頼するようにしましょう。
海外スタイルやホテルライクな浴室、自分らしいオシャレな浴室を手に入れるために置き型バスタブを検討してみるのはいかがでしょうか?