キッチンの寿命はどれぐらい?オーダーメイドキッチンなら長く使える?!

キッチンのリフォームのタイミングは、収納が足りなくなったから、使い勝手が悪くなったから、またデザインが古くなったり汚れが目立ってきたりした、などの理由の方は少なくありませんが、そもそもキッチンには耐用年数、寿命というものがあります。新築から一度もリフォームせずに、何十年も同じキッチンを使ってきたというお宅もありますが、何かしらの故障や不具合は生じます。不具合をだましながら使っていると、使い辛いだけではなく、水漏れなどの大きな問題に発展してしまうことがあるので注意が必要です。しっかりとキッチンの寿命、状態を把握しておくことが重要です。

では、システムキッチンの寿命はどれぐらいなのでしょうか?リフォーム費や修理費に無駄にお金がかからないような寿命の長いキッチンはあるのでしょうか?お気に入りのキッチンを長く使うためのポイントと共にご紹介したいと思います。

1.システムキッチンは消耗品!?

住宅設備メーカーが取り扱っているシステムキッチンの耐用年数はどれぐらいなのでしょうか?キッチンの寿命を考えるなら、長く使えるキッチンにするうえでどんな点を意識すれば良いのかをご説明したいと思います。

■システムキッチンの寿命はどれぐらい?

システムキッチンの寿命は約20年と言われています。しかし、これはキッチン全体の年数で、パーツごとの寿命は短く、この間にも部分的に故障などが生じる可能性があります。

例えば、IHクッキングヒーターやガスコンロ、換気扇、食器洗い乾燥機といった設備機器の寿命は10年程で、電源が入らなくなったり、動作に時間がかかったりする可能性があります。また、キッチン水栓も10年前後でパッキンの緩みや部品の劣化によって、蛇口がぐらついたり水漏れが生じやすくなったりします。

シンクやカウンター、扉の汚れや錆、変色やがたつきは20年ぐらい大丈夫だったとしても、10年前後に設備機器や水栓にトラブルが発生して放っておくと、20年もつはずのキッチンも最大限もたなかったり、キッチンは使えても、水漏れで床材や床下が腐食したりします。また、故障すると修理代が高かったり、部品がすぐに手に入らなかったりしたために、修理をしない選択をして、使えない換気扇や食器洗い乾燥機付きのキッチンになっているというお宅も少なくありません。

システムキッチンの寿命はメンテナンスや修理をしたうえで20年程で、10年ぐらいからトラブルが生じることを覚えておきましょう。動線が良く、デザインは気に入っていてもキッチン自体の寿命が来てしまえば、リフォームする必要がある消耗品です。

■オーダーメイドキッチンなら寿命を延ばせる?

キッチンの寿命は、設備機器の寿命と、キッチン本体の部材の寿命が関係していることを考えるなら、それぞれの耐用年数を把握して長く使えるものを選ぶこと、また適切にメンテナンスを行うことで、長く愛用できるキッチンになります。

しかし、システムキッチンの場合は、設備機器や部材はオプションやグレードによる違いだけで、組み合わせを変えるにしても選択肢が限られてしまいます。また、部材を選ぶと言っても表面の仕上げや色がメインで、丈夫な素材、質の高い素材を選ぶとなると、高価になってしまったり、好みのデザインがなかったりするかもしれません。シンクはこのメーカーが良いのに、扉やカウンターは他のメーカーが良い、というように気に入った素材がひとつのメーカーに揃っていないと感じる方も少なくありません。

その点で、デザインだけではなく、部材や部品など、パーツごとに選ぶことが出来るオーダーメイドキッチンであれば、長持ちさせることを意識したキッチンづくりが行えます。

2.オーダーメイドで長持ちするキッチンを作るポイント

オーダーメイドキッチンで、具体的にどんな点を意識して作ると寿命の長いキッチンにすることが出来るのでしょうか?ポイントをご紹介したいと思います。

■掃除・メンテナンスをしやすい素材にこだわる

家具は、メンテナンスすることで20年以上キレイな状態を保ち、使い続けられるものは少なくありません。ドイツやイタリアでは、キッチンも家具のひとつとして、引っ越しの際に一緒に引っ越すほど、国が変わればキッチンは暮らしを共にする愛用品です。オーダーメイドキッチンであれば、家具のように長く使える素材を選ぶことが出来ます。

特に、設備機器以外のキッチン本体の部材にこだわって、水や熱に強いものを選ぶことで、長く愛用出来ます。デザイン性にこだわりすぎたり、用途を考えずに好みの部材を選んだりしてしまうと、システムキッチン以上に耐久性が低いものになって、むしろ寿命を短くしてしまう可能性があるので、水や熱というキッチンならではの環境を意識しておくことが重要です。例えば、耐久性が高いステンレスやホーローは選ぶことが出来るかもしれません。

さらに、部材を選ぶ時には、日ごろどんなお手入れが必要なのか、洗剤の有無や種類、簡単に出来るのか、傷の付きやすさなどを確認しましょう。自分にとって、苦になるお手入れなのか、愛着が湧くものなのか、自分や家族だけのためのキッチンとして考えることが大事です。例えば、天然素材は手入れが必要なものの、傷ではなく素材の味として、劣化ではなく経年変化として、使い続けることによる美しさを楽しむことが出来るので、人によっては愛着が湧きますが、それを面倒、古さを感じるという人にとっては、物理的寿命は長くても、心理的寿命は短い部材となってしまいます。

素材自体の質や強度だけではなく、日ごろの掃除やメンテナンスのしやすさ、使う人の価値観という観点からも素材選びを行いましょう。

■シンプルで自由度の高いキッチンを作る

唯一無二のデザインにすることもオーダーメイドキッチンのメリットではありますが、修理やメンテナンスがし辛いと、長く使えるものにはなりません。

特に、キッチン本体よりも先に設備機器の寿命がきてしまうことを考えるなら、設備機器部分の修理がしやすいシンプルな構造にすることやモデルチェンジの少ないものを選ぶことなどを意識してくことも重要です。

中には、キッチンのサイズにこだわり、今ある冷蔵庫や食器洗い乾燥機がぴったり入るサイズで作ってしまったため、冷蔵庫や食器洗い乾燥機を大きくしたいものの交換できないというお宅もあります。今の見た目も大事ですが、20年以上使えるキッチンを作るなら、サイズが変わるものがないか、交換できる余裕があるかという点もチェックしておきましょう。変化する可能性が高いのであれば、冷蔵庫横のキッチンキャビネットだけ可動式にして移動できるようにしたり、食器洗い乾燥機部分だけ、引き出しではなく開き戸のオープンスペースを取り分けておいたり、自由度の高い造りにしておくことが出来るかもしれません。

3. まとめ

システムキッチンの寿命は20年ですが、IHクッキングヒーターやガスコンロ、換気扇といった設備機器や水栓に関しては10年程で故障が発生しやすくなります。そのため、10年前後で修理や交換といったメンテナンスを行わなければ、水漏れなどの大きなトラブルに繋がり20年ももたないかもしれません。システムキッチンの場合は、選択肢が限られるため寿命を延ばすうえで限界がありますが、パーツごとに細かく選べるオーダーメイドキッチンであれば、長く愛用できるキッチンにすることが出来ます。水や熱に強い素材、お手入れがしやすく愛着のわく素材を選ぶこと、設備機器の修理や交換がしやすく、サイズの変化にも対応できるシンプルで自由度の高い造りにしておくことがポイントです。

快適に長く住める家にするためにも、長く愛用できるキッチンを作りましょう!