持ち家でも賃貸物件でも、DIYで自由にリフォームやリノベーションをする方が増えています。DIYの中でも室内の雰囲気を大きく変えることが出来る床の張替えは、満足度が高く、挑戦する方が増えています。特にクッションフロアは、気軽に挑戦できるアイテムとして人気です。
そこで今回は、DIYで床をキレイに仕上げる建材としてクッションフロアが人気の理由や、張る際の注意点をご紹介したいと思います。
1. DIYでも床を手軽にキレイに出来るクッションフロア
DIYの床材として人気のクッションフロアですが、そもそもクッションフロアとはどのような床材なのでしょうか?また、DIYで人気なのはなぜかをご紹介したいと思います。
■クッションフロアとは?
クッションフロアとは、塩化ビニール樹脂を原料とした床材で、ビニールの裏側に、その名の通りクッションが張り付けてあります。表面のビニール面は、タイル調や木調、無地など、プリントが施されているので、色やデザインなどのバリエーションが豊富で、様々なテイストに合わせることが可能です。
また、ビニールという性質上、防水性があるので、トイレや洗面脱衣所などの水回りを中心に住宅の床材として、新築やリフォーム、リノベーションの現場でも使用されています。そのうえ、木フローリングやタイルといった他の床材よりも安価ということもあり、賃貸分譲問わず主流になっています。
■DIYでも人気の床材
クッションフロアは、DIY用に作られた床材ではないものの、カットしやすく、木材やタイルに比べて軽く、力のない方でも一人で作業しやすいため、DIY出来る床材として人気になっています。しかも、プロも使っている建材なので、品質も安心ですし、見栄えも良いというメリットもあります。
本来は、接着力の強い接着剤を使って張りますが、手軽に張ったり、賃貸物件でも張ったりできるように、置き型タイプやテープ付のタイプなど、DIYに特化した商品も増えています。また、プロのようにロールや平米数を計算して購入せずとも、0.75坪トイレサイズ用、〇畳用など、コンパクトで分かりやすいサイズでの販売も増えており、ホームセンターやネットでも手に入るという購入のしやすさもDIYでの使用人気に繋がっています。
ただし、DIY用のクッションフロアの中には、プロが使用しているレベルの品質ではなく、プリントの柄が安っぽかったり、一般的な厚みの1.8ミリよりも薄くてクッション性がなかったりする、低品質のものも増えてきているので、柄だけではなく質にも注意して選ぶようにしましょう。
2. DIYでクッションフロアを張る時の注意点とは?
職人ではなくても、気軽に張れるクッションフロアですが、プロではないからこそ注意しておきたい部分があります。DIYでクッションフロアを張る時に注意すべき点をご紹介したいと思います。
■張替えか上張りかで注意点が違う!?
クッションフロアを張る方法としては、既存の床材を剥がしてクッションフロアを張る『張替え』と、既存の床材の上からクッションフロアを張る『上張り』があり、張り方によって下記のように注意点が異なります。
●張替えの場合の注意点
・畳や木フローリングからの張替えの場合は、厚みが薄くなるため、既存の床よりも低く仕上がり、他の部屋やドア枠と段差が出来てしまいます。高さを揃えるためには、クッションフロアの下に板を敷くなど高さを調整する必要があります。
・既存の床を剥がす際に、剥ぎ残しがないようにしなければ、厚みが薄いタイプは特に、剥ぎ残しの凹凸を拾って表面がボコボコしてしまいます。強力な接着剤で貼られていることも多く、既存の床をキレイに剥がすためには、上張りよりも手間もかかりますし、ゴミも出てしまいます。
●上張りの場合の注意点
・既存の床がタイルやフローリングの場合、タイルの目地やフローリングの溝が表面にでて凹凸が出来てしまいます。既存の床がクッションフロアでも、家具の跡で凹んでいたり、凹凸の模様が加工されていたり、汚れが付着していたりすると、新しいクッションフロアに凹凸が出来てしまいます。上張りするクッションフロアの厚みが薄ければ薄いほど、既存の床の凹凸をひろいやすくなります。素材が違う床材の上に張る場合や既存の床材に凹凸がある場合は、既存の床の汚れを落として、平にしたうえで上張りしましょう。また、下地の凹凸をひろいにくい、出来るだけ厚めのクッションフロアを選ぶこともポイントです。
・クッションフロアは通気性が低い素材で出来ているため、フローリングや畳に上張りすることでカビやダニが発生しやすくなる可能性があります。もともと湿度が高い場所やカビが発生しやすい部屋は張替えの方が安心です。
・クッションフロアは、木フローリングや畳と比べて厚みが薄いとはいえ、上張りすることで床に厚みが出てしまいます。場合によっては、開き戸の下部分が擦るようになって傷が付いたり、そもそも開閉が出来なくなってしまったりすることもあります。上張りしても、ドアに緩衝しないか、段差は気にならないか、事前に確認したうえで上張りしましょう。
■床そのものの状態に注意!
見た目を変えたり、素材を変えたりするためにクッションフロアを張る場合は問題ないですが、クッションフロアは床の仕上げ材なので、床自体、下地に問題がある場合は、キレイにリフォームしたことにはなりません。
例えば、床が傾いていたり、沈む部分があったり、隙間が出来ていたり、カビが発生しているなどの問題がある場合は、クッションフロアに張り替えるだけではなく、原因となる床の下地部分のリフォームが必要です。特に上張りしてしまうと、見た目はキレイになっても、むしろ問題が悪化する可能性があます。
まずは、既存の床に問題がないかどうかを確認してみましょう。歩いて気になる部分があったり、カビや腐食が見られたりするのであれば、クッションフロアを張る前に原因をプロに確認してもらい、職人によって適切なリフォームをしてもらいましょう。クッションフロアを張ることはDIYで出来ても、床の傾きを無くすような基礎部分をリフォームするには、技術が必要です。仮にプロによるリフォームが必要になっても、仕上げは自分で行いたいと思っているのであれば、DIYを行いたいこと、どのクッションフロアを張る予定なのかを事前に担当者に伝えておくことで、職人が高さを合わせて下地工事までを行い、仕上げだけはDIYでお気に入りの柄のクッションフロアに張り替えることが出来るかもしれません。ただし、リフォーム会社によっては、DIYを嫌うところや、仕上げまでのセットでしか工事を請け負わないというところもあるので、事前に確認をしておきましょう。
3. まとめ
水に強く、水回りの床材として人気のクッションフロアは、色柄のバリエーションが豊富で様々なテイストに合わせやすく、加工もしやすいことから、手軽にDIY出来る床材としても人気です。しかし、DIY建材としての取り扱いも増えてきたことから、一般住宅でプロに使われているレベルの品質よりも、低品質な商品も増えてきているので、好みの柄を選ぶだけではなく、質の確認も忘れずに行いましょう。クッションフロアに張り替える場合も、既存の床材の上に上張りする場合も、高さが変わるので、段差やドアの高さを確認して必要であれば下地調整を行いましょう。また、床の下地自体に問題がある場合は、クッションフロアを張って見た目がキレイになっても、根本原因は解決されていないうえに、悪化することもあるので、プロに依頼して適切なリフォームを行ってもらいましょう。
バリエーションが豊富なクッションフロアを使って、DIYでお気に入りのキレイな床にリフォームしてみましょう!