DIYでコスト削減はウソ!?プロが教えるDIYを使った節約術

DIYが好き、ものづくりを楽しみたいという方以外にも、リフォーム費用を抑えるという目的のために自分でリフォームに挑戦する方が増えています。しかし、残念ながらDIY=コスト削減というわけではないため、節約できるどころか、リフォーム費用が高くなってしまったという失敗例は少なくありません。

DIYでコスト削減になるという話は実際のところどうなのでしょうか?DIYでコスト削減にならなかった方の原因と、DIYを使った節約術をリフォームのプロがお伝えしたいと思います。

1. DIYでコスト削減にならないパターン

計画段階ではリフォームにかかる費用を計算したうえでDIYを行ったつもりでいたのに、最終的にはコスト削減にならなかったという方は少なくありません。問題はどこにあるのでしょうか?DIYによる節約術で陥りやすい落とし穴をご説明したいと思います。

■目先の費用しか見ていなかったという失敗

設備機器の中には、DIYで設置することでメーカーの保証やアフターメンテナンスの対象外になってしまう場合があります。そのため、定期メンテナンスや故障時にサポートが受けられず修理代に費用がかかってしまい施工費用は安くても、ランニングコストがかかって意味が無かったという失敗例は少なくありません。DIYすることで保証対象外になってしまわないかを確認しておきましょう。

また、電気や水道工事など、資格や技術が必要な分野をDIYで行ってしまうと、故障や漏電、漏水の原因になり、不必要なリフォームを行うことになってしまったというケースもあります。資格が必要な分野や、知識や技術に自信がない分野は、工事費が抑えられるからと言って、自分でなんとかやってみようとすると、危険なうえに、後々高くついてしまうことがあるので、しっかり確認したうえでDIYを行うようにしましょう。

■プロの施工費が割高になっているケースも!

大掛かりなリフォームやリノベーションを行う方の中には、リフォーム会社に依頼する部分とDIYで行う部分を分けて、同時進行で行えるようにするケースもあります。

しかし、本来プロに依頼すれば、1人の職人によって2~3日で終わるリフォーム工事が、途中に施主による作業が入ることによって、1週間以上工事がかかるなど、DIYによって工事の日程が延びてしまうということがあります。そのため、職人さんを数回に分けて何度も呼ぶ必要があったり、資材を保管しておく場所が必要になったりして、DIYを行う部分の材料費は安くなっていても、プロに依頼する施工費や人件費が割高になってしまっていて、リフォームのトータルコストはDIYをしてもコストダウンにはならなかったという失敗例があります。

さらに、水回りのリフォームを行う場合は、キッチンやお風呂を使えない期間が長くなったために外食代や銭湯代がかかってしまったり、大掛かりな工事の場合は特に、仮住まいの期間が延びて賃貸費用が増えてしまったりするケースもあります。DIYで材料費を抑えることが出来ても、数回しか使わない大工道具を揃えるのにお金がかかってしまう場合もあります。DIYを行う部分のコストが削減できているかだけではなく、リフォーム工事全体や工事に関係する費用にどう影響するかも確認しておきましょう。

また、DIYを快く思わないリフォーム会社の中には、あえて工事費を高くとる場合もあります。反対にDIYに対して協力的な会社や、DIY講習に取り組んでいる会社、DIY用の道具をレンタルしてくれる会社などもあるので、会社選びも重要です。

2. プロが教えるDIYでコストを削減する方法とは?

DIYでコスト削減にならない場合もあるとはいえ、上手に節約できる場合も多くあります。どんなDIYがコスト削減につながるのか、節約術をリフォームのプロがお教えします。

■プロに依頼すると高くなる造作家具こそDIYで!

クローゼット内に収納するもののサイズにピッタリ合わせた棚を作ったり、部屋のサイズや家族の人数、体形など使う人や暮らしに合わせたキッチンカウンターやダイニングテーブルを作ったりする『造作家具』をリフォーム会社に依頼すると、メーカーの既製家具を使うよりも高くなってしまいますが、DIYになると、市販の家具よりも自分で作る方がコストを抑えることが出来る場合が少なくありません。今持っている家具や市販の家具をリメイクしたりできるのもDIYならではの節約術です。

しかも、DIYによる造作家具はリフォーム会社が行う工事中に作業をする必要がないので、工事期間が延びるリスクも軽減できるうえに、自分のペースで作ることもできます。

プロに依頼することで高くなってしまう、暮らしや家にピッタリ合わせたオーダーメイドの造作家具こそ、DIYすることで大幅なコスト削減につながります。

■素人でも選択肢があって入手しやすい建材はDIY向き

DIYでも行える工事で、コスト削減しやすいかどうかを判断するうえで役立つのは、ホームセンターやネットショッピングで購入しやすい建材かどうか、という点を確認することです。

例えば、水回りの設備機器や、断熱材などの多くは業者さんしか購入できないケースが多いのに対し、クロスや塗り壁材、クッションフロアなどの内装材は誰でもネットショッピングやホームセンターで手軽に購入することが出来ます。しかも、業者さんしか入れないお店で売っていたり、プロ仕様の工具が必要になったりするものは、DIY向きではないため、入手しづらく一般の方は割引のない正規の価格で購入しなければいけなかったり、大量購入する職人さんやリフォーム会社と比較して単品で購入することで割高になってしまったりする傾向にあります。特に設備機器に関係する部分をDIYする場合、専門知識が十分にない状態で購入しようとすると、価格が適正なのかもわかりませんし、使いやすさや工事のしやすさも分からず買うことになってしまい、無駄に部品を買ってしまうこともあります。

反対に、DIY向けのネットショップや、ホームセンターで売られているものは誰でも購入できるうえに、最近はDIYコーナーや商品が充実している店も多く、使い方や使い勝手、どんな工具や部品が必要なのか、一般の方向けに分かりやすい説明や使いやすい工具もあり、バリエーションも豊富なので、選択肢が広がるため価格を比較し、よりコストを抑えながらDIYを行うことが出来ます。

専門の知識が十分に無くても手に入りやすく、選択肢が多くて材料代を比較しながら選ぶことが出来るものは、DIYを行うことでコスト削減を成功させやすいと言えます。

3. まとめ

リフォームコストを削減するためにDIYに挑戦する方も増えていますが、DIYを選択したことによって、コスト削減どころか、高くついてしまうケースもあるので注意が必要です。DIYで設備機器を設置したことでメーカーの保証対象外になってしまったり、資格や知識がないために故障してリフォームが必要になってしまったりすると、一見リフォーム費用を抑えられたように感じても、ランニングコストやトータルコストは高くなってしまいます。また、プロに依頼した方が、工事期間が短く人件費やリフォームに関係する費用を抑えられる場合もあるので注意が必要です。しかし、DIYがコスト削減につながる場合もあります。プロに頼むとコストが高くなる造作家具を作ることや、プロ以外でもネットショップやホームセンターで購入しやすく、費用や種類を比較しやすい内装材は、自分で買って仕上げることでコスト削減に貢献します。

DIYを賢く取り入れて、リフォームコストの削減を成功させましょう!