
子供に人気の習い事ランキングや習わせて良かったランキングで常に5位以内に入っているピアノ教室ですが、習わせ始めると、上達のために家にもピアノを置いてあげたいと思う方は多いようです。しかし、存在感のあるピアノの置き場に困る方は少なくありません。限られたスペースの中でピアノを置くためには、リノベーションも検討する必要があるかもしれません。
ピアノが置ける家にするために、どんな間取りにすると良いのか、ピアノをレイアウトするうえで注意すべき点と共にご紹介したいと思います。
1. ピアノの種類によってレイアウトも違う!
ピアノにはいくつかの種類があり、サイズが違うため必要な広さやレイアウトも異なります。まずは、ピアノにはどんな種類があって、どのような間取りやレイアウトにすると良いのか、ポイントをご紹介したいと思います。
■ピアノの種類は大きく分けて3つ
ピアノの種類は下記のように大きく分けて3つあり、種類によってサイズやリノベーションで意識しておきたい点が異なります。
●グランドピアノ サイズ:奥行き150~270cm 幅145~150cm
グランドピアノはサイズが大きいため、少なくとも3畳以上のスペースが必要となります。また、重量も250~500㎏と、家にある家具や家電よりも重量があるので、設置場所の床を補強する必須があります。そのため、ピアノを置く場所を慎重に選ぶ必要がありますし、仮に移動させる可能性がある場合は、その部屋の床も重量に耐えられるように補強しておく必要があることを意識しておきましょう。
●アップライトピアノ サイズ:奥行き55~65cm 幅150cm前後
アップライトは、グランドピアノに比べてコンパクトですが、高さがあり、高いもので130㎝程あります。そのため、一般的な黒のアップライトピアノは壁を覆って圧迫感が出てしまいます。最近は部屋になじむように、木目や白いピアノが人気です。
また、グランドピアノとアップライトピアノは木材や金属が多く使用されていて、温度や湿度の影響を受けやすい繊細な楽器です。そのため、湿度の高い水回りの近くや窓の近く、エアコンの風や直射日光が当たる場所など、湿度や温度の変化が大きい場所は避けて配置しましょう。
●電子ピアノ サイズ:奥行き30~40cm 幅140~150cm
ピアノの中ではコンパクトサイズで重量も40~80kg程と軽いため移動もしやすく、日常使いの家具のようにレイアウトしやすいピアノです。
他のピアノと違って電源が必要なので、コンセントの位置に注意しましょう。レイアウトが良くてもコンセントが近くにないために、延長コードが必要となると導線の邪魔になったり、引っかかって危険になったりします。レイアウトを決める際には、コンセントの位置もセットで考えましょう。
■ピアノを置くのに人気の場所とは?
●リビング・・・子供がピアノを弾く姿を見たり、演奏会を開いたりするうえで、家の中で最も大人数が集えるリビングは人気です。
●防音室・・・本格的に演奏を楽しみたい方や頻繁に練習したい方、住宅街で音漏れが気になる方はピアノや楽器専用の防音室を作っています。電子ピアノやアップライトピアノであれば2畳ほどで良いので、子供部屋の一角やウォークインクローゼットをリノベーションしてピアノ専用の防音室を作ることが出来るかもしれません。
●子供部屋・・・個人的に練習をしたり、家に先生を招いてレッスンしてもらったりする場合は、子供部屋などの個室の方がリビングよりも他の家族のプライベート空間を守ることが出来るので便利です。
●玄関ホール・廊下・・・意外と人気なのは他の家具がなく、テレビや家事などの生活音が気になりにくい玄関ホールや廊下です。吹き抜けになっている玄関ホールは特に音の響も良いと人気です。また、ピアノが置ける広い玄関ホールは、来客者にとっても開放的な空間を印象付け、オシャレな家のアイテムにもなります。
2. ピアノがある家にリノベーションするうえでの注意点
ピアノが置ける家にする点で意識すべきなのは間取りだけではありません。リノベーションでどんな点に注意すべきか、ご説明したいと思います。
■搬入経路も考慮する!
ピアノを置くうえで意外とよくある失敗は、搬入経路を考えていなかったというケースです。グランドピアノは特に大きいため、玄関ドアから入らなかったり、ピアノを置きたい部屋までの廊下や階段を通らなかったりすることがあります。ピアノは組み立て式ではありませんし、だからといってリノベーションを終えた家を解体するのも勿体ないので、事前に搬入経路を考慮しておきましょう。
また、玄関ドアから入らない場合や2階の部屋に配置する場合は、窓から搬入することもあります。トラックやクレーンなどの大型機械を使う必要があるので、窓に近い場所に機械を入れることが可能か、室内だけではなく、家の外回りや立地状況の確認も必要です。また、大型機械を仕様する場合は、費用もかかるので、リノベーション費用とは別に、搬入費用も取り分けておくことも忘れないようにしましょう。
■生活導線とのバランスを意識する!
リビングにピアノを置くのは人気ですが、家族が集まる場所で毎日使う場所でもあるので、生活導線を邪魔しないことを意識することは大切です。ピアノの専用部屋以外にピアノを配置する場合は、家事導線や生活導線の邪魔にならないように、出来るだけ隅に寄せてレイアウトすることが大事です。また、導線を確認する際には、演奏中も想定した配置にしましょう。ピアノの配置そのものは問題なく思えても、演奏中に椅子に座ると通れなくなったり、ダイニングテーブルの椅子と緩衝してしまったりすることもあります。それぞれの椅子を出した際のスペースを確認しておくことが大切です。
失敗を防ぐために、リノベーションの際には、図面の中に配置したいサイズのピアノと家具を入れてもらい、導線や通路幅などを確認しておきましょう。十分な導線や通路幅を確認できない場合は、レイアウトを変更するか、ピアノや家具をコンパクトなものに出来ないかを検討してみましょう。
また、ピアノを置くことによって収納家具が置けなくなり、物が散らかりやすくなるケースもあります。ピアノの上が物置状態になってしまっているお宅も少なくありません。ピアノを置くことで、普段使いの物など、頻繁に必要な小物の収納場所を圧迫することにならないか、収納スペースを削ってしまうのであれば、他の場所に収納を設けることが出来ないかを検討しましょう。
3. まとめ
子供に人気の習い事、ピアノ教室に通うことに伴って、家にもピアノを置きたいと思っている方は少なくありません。ピアノを置くためのレイアウトを考えたり、リノベーションをしたりする場合は、種類によってサイズや注意すべき点が違うので、まずはグランドピアノ・アップライトピアノ・電子ピアノのうち、どのピアノを置きたいのかを考えましょう。そのうえで、十分なスペースが取れる場所か、ピアノを弾く頻度はどれぐらいか、他の家族のプライベート空間を確保することや防音性などを検討してレイアウトを考えることが大切です。また、間取りやレイアウトを以外にも、搬入経路を確保することは重要です。さらに、ピアノの配置を優先しすぎて、生活導線や家事導線の邪魔になったり、収納スペースを圧迫したり、日々の暮らしの妨げとなることがないように意識することも大切です。
リノベーションでピアノが置ける家にして、家族でピアノ演奏を楽しめる家を作りましょう!