快適な家って結局どんな家のこと?快適な家を造るには?

誰しも快適な家に住みたいと思ってリフォームを行いますが、何をどうすれば快適な家になるのか、漠然としすぎて分からないと感じている方は少なくありません。

どんなことを意識すると、快適な家にリフォームすることが出来るのでしょうか?リフォームやリノベーションで快適な家を造るためのポイントをご紹介したいと思います。

1. 快適な家だと感じられる理由はどこにあるの?

実際に快適な家だと感じているお宅には、どんな特徴があるのでしょうか?家づくりのプロが教える快適な家に共通する2つのポイントをご紹介したいと思います。

■機能性が高い家

家自体の機能性が高いと快適さを感じやすくなります。特に快適さに直結する機能性には下記のものがあります。

●断熱性:家の中の温度が安定して一年中快適な温度に保たれていることは、快適さを感じることに大きく貢献します。室温を安定させるためには、外気の温度に左右されない、断熱性の高い家にすることが重要です。断熱材を施して、夏は涼しく、冬は暖かい、安定した室温が保てる家にしましょう。

●気密性:気密性の高い家は、花粉や黄砂、PM2.5などのアレルギー物質の侵入を防ぐことができます。また、結露を防ぐので、カビの発生を防ぎ、アレルギーの原因を防ぐだけではでなく、掃除の手間も軽減できます。さらに、気密性が高いと、防音性も高めることが出来るので、プライベート空間を守ることが出来るという安心感や、騒音にさらされない快適さもあります。

●耐震性:地震大国日本では、家の耐震性を高めておくことは重要です。まずは、旧耐震基準で建てられている1981年(昭和56年)以前の建物や、築年数が経っている2000年(平成12年)以前に建てられている建物は特に、耐震診断を行って、現在の家の耐震性能を把握しましょう。そのうえで、必要な耐震補強を行うことで、耐震等級を上げて安心で快適な家にすることが出来ます。

●防犯性:空き巣の被害に遭っている家は意外にも多いので、防犯性を高めることで、安心感が高まります。家にいれば守られている、安心できるという穏やかさは快適さと繋がります。

■ライフスタイルに合っている家

どんなに機能性に優れた家でも、自分らしくいられる場所、暮らし方に合っている場所でなければ落ち着かず、快適さはありません。そのため、ライフスタイルに合った家にすることが重要です。

例えば、下記の分野をライフスタイルに合わせることが大切です。

●間取り:家族構成にあった部屋数や広さ、生活動線がある間取りにすることが重要です。さらに、家事の内容別に得意不得意や好き嫌いを考えて、家事動線やレイアウトを決めることや、自分に合った機能をもった設備機器を選ぶことが大切です。また、子供が巣立った時や老後のことなども考慮された間取りにしているお宅は、長く快適に住める家に繋がっています。

●インテリアテイスト・デザイン:好きなものに囲まれた空間は、心地良い場所となります。そのため、好みのインテリアテイストやデザインの家にすることも重要です。好きなデザインや色を何でも取り入れてしまうと、統一感が無い落ち着かない家になってしまう危険性があるので、まずは、自分がどんなテイストが好きなのかを把握して、トータルコーディネートしましょう。

2. 我が家を快適な家にリフォームするポイント

機能性が高く、ライフスタイルに合っている家は快適な家になる可能性が高まります。では、実際にどんな点を意識してリフォームで取り入れると良いのか、具体的に考えてみましょう。

■機能性の譲れないラインを決めておく!

設備機器のグレードや性能の素材など、最新のもの多く、上を見ればきりがありません。良いものを提案されると、暮らしていくうえで、それが必須なのではないかと錯覚してしまうことさえあるかもしれません。最上級のグレードで揃えられるに越したことはないかもしれませんが、それではリフォーム費用がかかりすぎてしまいます。快適な家が出来ても、普段のやりくりが大変になったり、リフォームローンの返済に追われ仕事に時間を奪われたりして、家で過ごす時間が減ってしまうなら本末転倒です。

必要以上に機能性にこだわりすぎて、費用面で快適さが軽減してしまわないためにも、どの部分の機能性にこだわりたいのか、優先順位を決めておくことは大切です。2025年4月から建築基準法の改定で、リフォームに関する要件も変わりました。省エネ基準への適合が義務化されるなど、機能性の点では特に、法律によって基準が定められているので、その基準を満たすだけでも十分だと感じる方もいらっしゃいます。また、断熱性のや防犯性能など、それぞれの性能において、どこまでこだわれば我が家の快適さを満たすことが出来るのかは、家の構造や立地などによっても異なります。そのため、我が家の譲れない最低の基準を決めておくことは助けになります。

例えば、防犯性能の面で、治安が良く、住宅街で自治体のパトロールカーが走っているようなところであれば、窓ガラスを防犯ガラスにしておくことを最低ラインにするかもしれません。しかし、家の位置が奥まっていて人通りが少なく、近隣で空き巣被害の話を聞くような場所であれば、窓ガラスはもちろん防犯カメラを設置することを最低ラインにする方が安心です。

自分の家にとっての譲れないラインを決めるためにも、機能性に関する正しい知識を取り入れておくことや、プロのアドバイスに頼ることは重要です。

■ライフスタイルを把握しておく!

リフォームによって理想の家を造ることが出来るとはいえ、現実的ではない理想を追い求めると、家がライフスタイルに合っていないために、過ごしにくい家になってしまいます。

我が家のライフスタイルを把握するために、まずは家族全員の生活パターンを確認してみましょう。また、今の暮らしや、家の問題点を具体的に挙げてみることも大切です。意外とお互いに気付いていなかった問題点や解決策が見えてくることもあります。そのうえで、家に求める理想を挙げることで、現実可能な理想の家を造りやすくなります。

また、上記でも取り上げた通り、マネープランも現実的なものでなければいけません。快適な家にするために、金額の点で無理しすぎると長く住める家にはならないかもしれません。今あるお金だけではなく、ライフイベントなども確認して生涯のお金をある程度シミュレーションしておくことも重要です。

3. まとめ

快適な家にするためには、機能性の高い家にすることと、ライフスタイルに合った家にすることが重要です。機能性を高めるために、家の断熱性・気密性・耐震性・防犯性を意識してリフォームしましょう。また、ライフスタイルに合った間取りにすることや、インテリアテイスト・デザインにすることで、自分らしくいられる居心地の良い家にすることが出来ます。また、2つのポイントを抑えるうえで、家の構造や立地環境、ライフスタイルに合わせて、機能面の優先順位や譲れないラインを決めておくことや、ライフスタイルを現実的に見つめなおすこと、生涯にわたるマネープランを確認したうえでリフォームをすることが役に立ちます。

我が家にとって快適な家を目指してリフォームしましょう!