
リフォームやリノベーションによって理想の暮らしを手に入れることが出来た方がいる一方で、工事後に『思っていたのとなんか違う』、『キレイにはなっているけど、なんか納得がいかない』とモヤモヤが残る方もいらっしゃいます。しかし、既に終わった工事を改めてやり直すとなると費用も時間もかかるし、住めないわけでもないと思うと諦めてしまい、後悔が残るリフォームになってしまうケースは少なくありません。
なぜリフォーム後に『なんか違う』と思うような事態が起こりえるのでしょうか?その原因と、満足度の高いリフォームに導いてきたプロが、リフォームやリノベーション後の『なんか違う』を無くすための秘訣をご紹介したいと思います。
1. リフォーム後の『なんか違う』はナゼ起こる?
そもそも、リフォーム後に『なんか違う』、『思っていた通りになっていない』と感じてしまい後悔に繋がる原因はどこにあるのでしょうか?まずは原因を知って、対処方法を明確にしていきましょう。
■わたしの理想と担当者のイメージが違う!?
図面通りに完成していて、希望していた設備機器に交換できたのに、思っていたのと『なんか違う』となる原因の多くは、テイストやデザイン、使い勝手の希望がしっかり伝わっておらず空間としてのトータルコーディネートが理想通りに出来ていないことにあります。
しっかり打ち合わせをして、担当者は「分かります」「希望通りに出来ます」と言ってくれていたにも関わらず、完成したテイストは思っていた感じになっていないという場合、打ち合わせの時点でお互いのイメージに相違があったことが考えられます。
例えば、欧米スタイルに仕上げたいと言っても、北欧テイストをイメージする人もいれば、カントリーテイストをイメージする人もいます。他にも、自然素材が好きで無垢フローリングを使いたい方でも、節があるのが好きな方もいれば、節なしが好みの方もいます。キッチンにコンセントを設けたい理由が電気調理機を使うための場合もあれば、キッチンに扇風機や除湿器を置きたい場合もあり、用途によってコンセントの設置高さは違います。また、部屋は希望通りになっているものの、家具が入ったら思ったより狭く使い勝手が悪かったということもあります。
このように、少しの言葉だけでは伝わっていない、理想通りになっていないということは多々あります。打ち合わせの早い段階で、担当者と分かり合えていると思い、細かな部分を確認することなく進めてしまった結果、イメージしていたものと違う完成になって後悔に繋がってしまうかもしれません。担当者との打ち合わせがスムーズで相性が良いと感じていると特に、この相違に気付きにくくなってしまう場合もあるので注意が必要です。
■伝えたつもり・伝わったつもりは危険!
希望や変更を伝えたつもりだったのに伝わっていなかった、伝言を忘れられていたり、最終決定が何になったのか確認出来ていなかったりして、思い通りの仕上がりになっていない、というトラブルはリフォーム失敗例のあるあるです。
工事が始まるギリギリまでクロスの品番決めに悩んで伝えたり、ギリギリでコンセントや棚の高さの変更を伝えたり、こだわって悩み、ギリギリで伝えるとも多いオーダーメイドで行うリフォームならではのトラブルと言えます。施主からすると、伝えたと思っていたことが、しっかり伝わっていないことがあり得るのです。
しかも、定期的な打ち合わせの際に決まったことであれば、基本的にはメモに残っており、伝達ミスは防げますが、着工前ギリギリや工事中に決まったことは、現場で伝えたり、電話で伝えたり、担当者以外に伝言をお願いしたりするケースも多く、担当者のメモ忘れや伝達ミスが起こりやすくなります。メモが残っていないために、施主と担当者の間でどちらのミスなのか犯人捜しに発展したり、工事のやり直しの費用をどちらがもつのかを揉めたりするなど、大きなトラブルに発展してしまうケースもあります。
2. プロが教える『なんか違う』を無くすコツ
後悔に繋がる原因が分かったところで、どのように対処すれば良いのでしょうか?満足度の高いリフォームやリノベーションにするためのコツをプロがご紹介したいと思います。
■完成予想CGでイメージをカタチに!
言葉だけでは伝わりづらいイメージをカタチにして相違を無くすために効果的なのは、完成予想CGを使うことです。外観や室内の完成イメージを3Dにしてもらい、画像や動画で確認することで、デザインやカラーコーディネートなどのバランスやテイストを、より具体的に見ることが出来ます。
CGによって立体的に確認した時に、担当者がイメージしているものと違っていることに気付いた方は少なくありません。工事前のCGで、『なんか違う』に気付けるので、相違を無くすことが可能です。しかも、CGで確認しながら修正が出来るので、イメージをカタチにして、より現実的なプランに仕上げていくことが出来ますし、打ち合わせもスムーズに行えます。
完成予想CGを作ってもらう際には、必要な家具を入れてもらうことも忘れないようにしましょう。実際の生活に必要な家具や家電などを入れて出来るだけ現実的なものにすることで、家具を置くと思ったより狭くなったり、テイストのバランスが崩れたりしていないかを確認することが出来ます。
しっかり打ち合わせをして細かく伝えることは大前提で重要ですが、完成予想CGなど、使えるツールは出来るだけ使って、イメージが伝わっているか、しっかりと確認しておきましょう。
■着工前の図面チェックは綿密に!
ギリギリまで悩んだり変更が数回あったりした場合は、伝達ミスが増える可能性が高くなってしまうので、着工前に最終確認の機会を作ってもらい、細かく確認を行うことは重要です。
打ち合わせで決めたこと、分かっていることは全てCG画像と図面に反映してもらい、現場と図面を照らし合わせて見ながら、担当者と共にクロスの品番や棚の高さなど、細かな点も全て確認しておくことで、最終決定の伝達ミスを防げます。
中には、まだ決めかねていて、工事中まで待ってもらうこともあるかもしれません。その場合も、いつまでに決めるのか、日程を忘れずに確認し、図面などに書き込んでおきましょう。
3. まとめ
リフォームやリノベーション後に『思っていたのとなんか違う』と後悔が残るケースは意外と多くあります。その原因は、施主と担当者のイメージに相違があり、理想通りのテイストやデザイン、用途になっていなかったり、最終決定して伝えたつもりの品番などに、伝達ミスがあったりすることにあるかもしれません。イメージの相違を無くすために完成予想CGを活用したり、着工前にCGや図面と現場を照らし合わせながら最終確認をしたりすることによって、後悔を防ぐようにしましょう。
リフォームやリノベーション後の『なんか違う』は、打ち合わせ段階で防ぐことが可能です。秘訣を意識して満足度の高いリフォームにしましょう!