毎日歩き、過ごすフローリングは、家の中でも汚れや傷がつきやすく、劣化が早い場所のひとつです。しかし、フローリングをリフォームするとなると面積も広く、時間も費用もかかってしまうのではないか、と躊躇してしまう方は少なくありません。
フローリングのリフォームにはどのような方法があるのでしょうか?大切なお金を賢く用いるうえで、フローリングリフォームの最適な時期や方法、リフォームのポイントについてご説明したいと思います。
1.フローリングのリフォーム方法
フローリングをリフォームするための方法には、大きく分けて『重ね張り(上張り)工法』と『張替え工法』があります。2つの工法の違いや、メリットとデメリットをご紹介したいと思います。
重ね張り(上張り)工法
現在張っているフローリングの上から重ねて新しいフローリングを張る方法を、『重ね(上張り)工法』と言います。
既存の床材を撤去する手間がなく、撤去時の埃などが立ちにくいため、工期は8帖程で1日と短く、施工は比較的簡単に行えます。そのため、住みながらリフォームができ、DIYで行う方も増えています。しかし、劣化が激しく、床に沈みが出ていたりする場合は、悪い状態にフタをするだけなので、プロに状態を確認してもらったうえで行うようにしましょう。下地の状態が良く、フローリング材の傷や日焼けなど表面的な劣化が問題の場合や、下地が劣化していても一部分のみで、床下から補強が出来る場合などは、重ね張り工法が適しています。
フローリングが二重になるので、強度が増し丈夫になったり、断熱効果が期待できたり、防音効果もあります。また、ドアの枠や床の高さの違いで出来ていた段差が重ね張りによって無くなり、バリアフリーになる場合もあります。バリアフリーリフォームのために、あえて重ね張り工法を選択することもあるほどです。しかし、現在バリアフリーになっている場合は、重ね張りすることで新たな段差が出来てしまったり、ドアの開閉が出来なくなってしまったりすることもあります。現在の床の高さや、使用したいフローリングの厚みなどを考慮したうえで行う必要があります。
張替え工法
今あるフローリング材を全て撤去したうえで、新しいフローリングを張り直す方法を、『張替え工法』と言います。
撤去作業や処分費など、重ね張り工法に比べ手間と費用がかかります。しかし、一度全てを撤去することで、床の下地の状態を確認することが出来ます。そのため、床がブヨブヨしている時や、歩くときに音が鳴るような状態で構造部分まで影響しているような場合でも、下地を確認し、補修したうえで新たに張替えるので安心です。
また、床下に断熱材を入れる場合や、畳からフローリングなど床の高さが変わる場合、間仕切り壁を撤去して2部屋を繋げるなど間取りが変わる場合も張替えの方がキレイに仕上げることが出来ます。
2.フローリングリフォームを成功させるポイント
フローリングリフォームの2つの工法を知ったうえで、実際にリフォームを成功させるために、どんな点に注意すると良いのか、ポイントをご紹介したいと思います。
フローリングの寿命は10~15年
一般的な複合フローリングの寿命は10~15年、無垢フローリングは20年以上もつと言われています。日当たりや、部屋の使い方など環境によって異なりますが、各種類のフローリングの寿命を目安に、目立つ傷や落ちない汚れがないか、音が鳴ったり沈んだりする場所はないかなど、床の状態を意識しておくことで、良いタイミングでリフォームしやすくなります。
音が鳴ったり沈んだりしてしまうと、下地の補強工事が必要となり必然的に張替え工法によるリフォームの選択肢しかない状態になってしまうかもしれません。定期的にメンテナンスしたり、リフォームをしていたりすれば、下地が劣化することを防げるので、重ね張り工法などのお得なリフォーム方法も選択でき、家も安全で快適な状態のまま長持ちします。
しかし、1度重ね張り工法によってリフォームをしている場合は、何度も重ね張りをすると、ドアに緩衝したり段差が出来てしまったりします。定期的にフローリングのリフォームをすることを考えると、リフォーム費用を抑えたい時期や傷や汚れが気になった時は重ね張り工法で、間取りを変えるなど家全体のリフォームが必要なタイミングに合わせて張替え工法が出来るように、資金計画や家全体のリフォーム計画を踏まえて予定を立てることで、長い目でみてお得にリフォームが出来ます。
長期的なリフォーム計画を見据えてフローリング材の種類にこだわる!
上記でとりあげたように、複合フローリングか無垢フローリングかによって寿命が10年近く異なります。複合フローリングだけで比較しても、傷がつきやすいもの、汚れが目立ちやすいものなど、選ぶ種類によって劣化のスピードが変わります。肌触りや高級感も異なるので、実物を見て触れて確認しておくことが大事です。
種類によって劣化が違うということは、何を選ぶかによってある程度リフォームのタイミングを自分で調整出来るということになります。家の内装材は消耗品で、いつかはリフォームを行う必要があります。比較的安価なフローリング材で1回のリフォーム費用を抑えるのか、寿命が長いハイグレードのフローリング材を採用してリフォームの頻度を抑える方がお得になるのかを検討してみましょう。また、良く使う部屋や家族が集まるリビングなどはハイグレードのものや無垢フローリングにするなど、部屋によって床材を変えることも効果的です。
3. まとめ
フローリングリフォームには、既存のフローリングの上から重ねて新しいフローリングを張る、重ね張り(上張り)工法と、既存のフローリングを撤去したうえで新しいフローリングを張る、張替え工法があります。フローリングの表面的な劣化の場合は重ね張りによるリフォームの方が、工期が短く費用を抑えることも出来ます。一方で下地の劣化が激しい場合や、バリアフリーになっている場合、間取りを大きく変更する場合などは張替え工法が向いています。フローリングリフォームを行う際には、長期的なリフォーム計画を立てたうえで、フローリング材の寿命を目安にリフォームの時期や方法、フローリング材の種類を決めましょう。
定期的なメンテナンスと、ベストな時期にベストな方法でフローリングリフォームを行うことで、家全体を快適な状態に保ちましょう。