リフォームやリノベーションで部屋数を増やす際や、空間を分ける際の間仕切りに、壁ではなくドアを使って間仕切る方法があります。開き戸や引き込み戸を使って、ドアが閉まっている時には部屋を間仕切り、開けた時には、仕切りの無い部屋として使うことが出来ます。
壁ではなく、ドアによって空間を間仕切ることにはどんなメリットがあるのでしょうか?問題点はないのでしょうか?壁とドアのどちらが良いのか、リフォームやリノベーションで間仕切りを作る際のポイントとともにご説明したいと思います。
1. 間仕切りにドアを使うメリット&デメリット
間仕切りに壁とドアのどちらを使う方が良いのかを判断するうえで、間仕切りドアのメリットとデメリットを考えてみましょう。
間仕切りにドアを使うメリット
- 用途に合わせて空間を広く使える
普段は広く使いたいものの、リモートワークの時や子どもの昼寝の時など一時的に部屋を区切って使いたいという場合は、ドアにしておくことで用途に合わせた空間の使い方が出来ます。
- 採光・採風が出来て圧迫感がない
開閉できるので、採光や採風が出来ます。特にスクリーンパーティションなど明かりを通すものであれば、ドアを閉めていても明るさを取り入れることができ、圧迫感のない空間になります。
- 家族の気配が感じられる
幼い子どもやペット、介護が必要な家族など、部屋としての空間は必要なものの、気配を感じることで安心できるという場合があります。スクリーンタイプのドアで間仕切ることで家族の気配を感じられます。
間仕切りにドアを使うデメリット
- 防音性に欠ける
壁に比べて、薄く気密性が低いドアは、防音性に欠けます。そのため、リモートワークスペースとして空間を間仕切るためにドアを設けたものの、リモート会議の音漏れ問題や、家族の生活音が気になって仕事に集中できないという方もいらっしゃいます。
- 家具のレイアウトが限られる
仕切りにはなるものの、開放することも考えるとドア沿いには家具を配置することが出来ません。壁の場合に比べて、家具のレイアウトが限られてしまいます。
- 気密性が低い
特に引き込み戸やスクリーンパーティションのように全面ドアの場合や上吊り戸の場合は、下部に隙間が出来るため、壁よりも気密性が低く、冷暖房の効きが悪くなる可能性があります。
しかし、中には広い空間を仕切って冷暖房の効きをよくするために、あえてスクリーンパーティションを取り付け、間仕切りドアを活用するという場合もあります。
2.間仕切りにはドアと壁のどっちがいい?
間仕切りドアにメリットだけでなく、デメリットがあることを考えると、実際どちらが良いのだろうか、と感じるかもしれません。どんな点を考慮して壁にするか、ドアにするかを決めると良いのでしょうか?
リフォームの目的と将来的な使い方を考える
ドアにするか壁にするかを考える際には、その部屋の目的や、問題点、改善したい点を明確にしておくことが重要です。ドアにすることで開放的に見せ、部屋の使い勝手の自由度が上がる、と勧められるかもしれませんが、ドアを開けて使うことがなかったり、防音性を意識した独立した部屋を作ることが目的だったりする場合は、ドアにしても意味がありません。さらに、ドアのサイズや種類によっては、間仕切り壁を作る工事費よりも高くなることもあるので、ドアにすることがデメリットになるかもしれません。
しかし、空間を仕切るのは一時的で、将来、間仕切りを無くして広く使う可能性の方が高いのであれば、ドアの方が向いているかもしれません。壁を撤去するには工事が必要になりますが、ドアであれば開けるだけで良いですし、ドアを外しておくことも出来ます。上吊り戸は下部にレールが必要ないので、フローリングも繋げて張ることが出来ます。将来のリフォームのしやすさも考慮しておきましょう。
ドアの種類やサイズを考える
壁かドアか悩むという方は、ドアの種類をいくつか考えてみると良いかもしれません。ドアの種類やデザイン、サイズによっても、使い勝手や部屋の雰囲気は変わります。ドアの種類を知ることで、選択肢が増え、ピッタリの条件に出会えるかもしれません。
例えば、開放的にしたいものの家具の置き場に困るという場合は、全面ではなく、壁とドアを半々にすることや、フルオープンになるドアではなく、引き違い戸にすれば、ドア1枚分残るので壁のように家具が置けるかもしれません。また、家族の気配が感じすぎるのは嫌という場合は、上半分だけ採光が出来るようになっているものを選ぶと良いかもしれません。ドアにする場合は、どこまでの範囲をドアにすると良いかをまず考えることで、種類を絞り込むことが出来ます。
また、採光や採風が確保出来れば行き来出来なくても良いという場合は、間仕切り壁に室内窓を設けることや腰壁にすることで問題は解決するかもしれません。壁の場合でも、高さや組み合わせによって調整できるので、単純に壁かドアか、ではなく具体的に高さや幅など立体的にリフォームプランを考えてみることが重要です。
3. まとめ
空間を仕切る方法には、壁以外にもドアで仕切ることが出来ます。ドアにすることで、採光や採風ができ、用途に合わせて空間を仕切ったり、開放的に広く使ったり自由度が高いというメリットがあります。その一方で、防音性や気密性に欠けることや家具のレイアウトが限られることなどのデメリットもあるので、リフォームの目的や将来的なことを考えたうえで決めることが大切です。
間仕切り壁やドアの高さやサイズ、種類などを立体的に考えてプランすることで、自分の家にピッタリ合った空間にリフォームしましょう。