家事をラクに行ったり、片付く家にしたりするためには、収納スペースを確保することが重要です。しかし中には、収納スペースはあるのに、充分に使えていないという方や、使い辛いと感じている方もいらっしゃいます。そのため、収納があれば良いというわけではなく、使いやすい収納を作ることが大切です。
収納スペースに余裕があるのにキレイに片付かないという方や、そもそも収納スペースが足りないと感じている方に、使いやすい収納をリフォームで作るコツをご紹介したいと思います。
1.今ある収納をさらに使いやすくする方法
収納があるのに、上手く使えていなかったり、片付かなかったりするという悩みを抱える方は少なくありません。今ある収納を活かして、さらに使いやすくするための方法をご紹介したいと思います。
扉を無くして動作をラクに!
キッチンや洗面所など毎日使うものや定期的に出し入れするものを収納する場所は特に、扉を無くすことによって、家事がスムーズになり使いやすくなるかもしれません。扉がある収納は中身が見ないため、生活感を隠し、空間をキレイに見せるというメリットがある一方で、ドアや引出しを開けることで動作が増えるというデメリットもあります。そのため、用途に合わせて扉を付けて隠す場所と、使いやすいようにオープン棚にする場所を分けることで、使いやすさをアップさせることが可能です。
例えば、オープン収納として人気なのは、キッチンの調味料収納や、洗濯機まわりの洗剤置き場は扉をあえて無くしてオープンにすることで出し入れしやすく家事の時短に繋がります。扉の厚み分、収納スペースの奥行きも広くなり、収納量や置けるものもアップします。
しかし、使いやすさを優先させて扉を外すと散らかった感じがするのではないかと不安があるかもしれません。その場合は、収納内にアクセントクロスを張ったり、調味料や洗剤を入れるボトルを統一させたりすることで、見せる収納になってもオシャレに収納することが出来るので、キレイな空間を崩すことなく使いやすい収納にすることが出来ます。
また、水回り以外にも寝室のクローゼットの扉を外してオープンにすることで、出し入れがしやすく、洋服全体を見渡しやすくすることも出来ます。扉が開き戸や折戸の場合は、ドアを開けるスペースが必要になりますが、扉を無くすことで通路として使えたり、家具を置けたりして部屋を広く使えるようになり、レイアウトも良くなるというメリットも期待できます。
ただし、クローゼットの場合は扉を無くすことで埃が入りやすくなったり、臭いがつきやすくなったりするデメリットもあるので、部屋の間取りや通気性に合わせて、メリットとデメリットを比較したうえで扉を無くすかどうかを判断しましょう。
間仕切りを無くせば大容量収納に!
扉以外にも間仕切りを無くすことで収納スペースを広げ、収納量をアップさせることも出来ます。
例えば、洋室のクローゼットなどは、部屋に横並びで2つ設けられている家は少なくありません。用途が同じ場合は特に、2つのクローゼットをまとめて幅広のクローゼットひとつにするほうが、扉を開けた時の開口幅が広がり、出し入れしやすくなります。間仕切りがあることで、入らなかった整理ダンスや衣装ケースが入るようになって、デッドスペースが無くなったというケースも少なくありません。同じ位置にあるクローゼットでも、ひとまとめにするだけで広く使いやすくすることが出来ないかどうかを、検討してみましょう。
また、和室の押入れ内部の棚、中段を無くしたり、天袋をなくして天井までひと続きの収納にしたりすることで、使いやすい収納スペースに生まれ変えることも出来るかもしれません。布団を出し入れしないため中段の必要性を感じない方にとっては特に無くすことで、高さのあるものを収納することが出来ますし、固定された中段よりも、収納に合わせて可動棚を設けたり、キャビネットを置いたりした方が、片付く収納になります。天袋に関しても、高くて扉を開け閉めしてまでも使わないという方でも、天井まで一続きになった収納スペースであれば、枕棚と言われる高い位置にある棚に関しては見えやすく使い勝手があると感じられる方は少なくありません。
2.使いやすい収納をリフォームで作るコツ
今ある収納を使いやすくリフォームしたとしても圧倒的に収納スペースが足りないということもあります。その場合は、リフォームによって新たに収納を設けることが出来るかもしれません。その際に、より使いやすい収納にするために、リフォームのコツをご紹介したいと思います。
スペースの広さよりも用途に合わせることが重要
リフォームで新たに収納を設ける方の中には、現在デッドスペースになっている部分や少しでも隙間があればすべて収納に、と思っている方や、ファミリークローゼットやウォークインクローゼットなど、大容量収納をとにかく作れば良いのではないか、と考える方がいらっしゃいます。しかし、収納を設けたわりには、片付かないうえに、収納内には空きが目立つという失敗例は多いので注意が必要です。それは、収納したいものと場所が適切ではなかったことに理由があるかもしれません。
例えば、洋服よりも靴が多い人は寝室にウォークインクローゼットを広くとるよりも、玄関に大容量のシューズクロークを設けた方が使いやすく片付きます。収納を設ける際には、家の中で、何が多く、どこで使っているか、という点をまずは書き出してみましょう。適材適所に適切な広さの収納があることで、導線がスムーズになります。
片付くキレイな家に出来るリビング収納
収納と言えば、洋服を片づけるウォークインクローゼットやファミリークローゼット、靴やアウトドア用品といった玄関まわりのものを収納するシューズインクローゼットを設けることが人気です。もちろん、それらの収納スペースがあることで片付けやすい家にすることに出来ますが、他にも使える収納として、リビング内に設けることがおススメです。
リビングで使うものは、家族で共有している文房具や薬、スマホの充電器、子どもたちのプリントなど、個人管理ではないものが多いこともあり、整理整頓されにくい傾向があります。特にLDKがワンルームになっている家では、モノが増えてしまいます。しかも、家族が集い、来客を迎えるような場所なので、キレイな状態を保ちたい部分です。その点でリビング収納があるなら、共有収納スペースとして片付けがしやすくなります。大容量スペースではなくても、奥行き45cm以内で幅60~80cm程の可動棚付きのスペースがあるだけで、片付くキレイな家に出来るかもしれません。キッチンカウンターの下や一部を用いたり、壁面の一部を使ったりしてリビング収納を設けることが出来ないか検討してみましょう。
3. まとめ
家の中にどんなに収納があっても、収納スペースが広くても暮らし方に合っていなければ、使われないスペースや使い辛いものになってしまいます。今ある収納の扉を無くしたり、間仕切りや中段、天袋をなくして繋げたりすることで、出し入れしやすく、動作がスムーズで使いやすい収納に生まれ変えることが出来るかもしれません。また、新たに収納を設ける場合には、家の中で何が多く、どこで使うのかを確認したうえで、適材適所に収納スペースを設けることが大切です。また、モノが溢れやすいリビングに収納を設けることで、片付いたキレイな家にすることも出来るかもしれません。
工夫次第、良いプランニング次第で使いやすい収納を設け、片付くオシャレな家にすることが出来るので、収納にもこだわってみましょう。