能登半島地震を含め、地震の被害を見る度に心が痛みます。場所や時を選べない災害だからこそ、万が一震災に遭った場合でも、出来るだけ被害を免れ、家族を守ってくれるような家にしておきたいと思うものです。災害を防ぐことは出来ないものの、家の選び方やリフォームの方法次第で、震災時に家の全壊リスクを抑えたり、地震に備えた対策が出来たりします。

そこで今回は、近年マイホームをもつ選択肢として主流になっている中古物件をリノベーションして住む場合に、地震に強い家選びや、適切なリノベーションを行うためのポイントをご紹介したいと思います。

1.海外仕様なのにツーバイフォー住宅は地震に強い!

中古物件というだけで、新築と比較して耐震性が低くなるイメージが強いかもしれません。その中でも、地震に強い家を選ぶためには、どんな点に注目すると良いのでしょうか?地震に強いおススメの住まいをご紹介したいと思います。

中古物件を購入するなら耐震診断で確認!

2000年6月1日以降に施工された建築基準法の耐震基準に沿って建てられた家は、一定の強さの地震に耐えられるように、最低限守るべき基準をクリアしています。これは任意ではなく、必ず守って建てなければいけないので、2000年6月以降に建築された中古物件であれば、国が定める耐震基準はクリアしていることになります。

しかし、それ以前であれば、最低限の基準ですらクリアしていない可能性があるということになります。そのため中古物件を探す際には、まず築年数を目安に耐震性を確認することが重要です。

築年数が古い物件の場合でも、耐震診断を行い、耐震リフォームによって耐震性を高めている物件もあります。耐震診断報告書や耐震リフォームの有無を確認しましょう。

耐震リフォームが行われていない場合は、リフォーム会社を通して耐震診断を行い、耐震補強が必要かどうかを確認することで、中古物件であっても耐震性に不安をもつことなく住むことが出来ます。

中古物件でも安全な家を探すならツーバイフォー住宅

中古物件の中でも、耐震性がそもそも高い物件もあります。それは、ツーバイフォー工法で建てられた家です。日本では、柱と梁を組み合わせて作る工法「在来工法」が主流ですが、壁・床・天井のパネルを組み合わせて箱状にする面構造の「ツーバイフォー工法」の方が、力を面で受け止めて分散出来ることから地震に強い工法と言われています。

2000年6月以降の建築基準法に基づいて建てられた家は、在来工法の耐震性が上がったことにより、ツーバイフォー工法と耐震性に大きな差が無くなりましたが、それ以前に建てられた中古物件においては、ツーバイフォー工法の方が地震に強いと言われています。新築では大差ないものの、中古物件だからこそ、工法に注目して家選びをする意味があります。

実際に、日本ツーバイフォー建築協会の調査によると、2011年に起きた東日本大震災でツーバイフォー住宅の95%が居住に支障がなく、2004年の新潟県中越地震ではツーバイフォー住宅の全半壊の報告はゼロ、1995年の阪神淡路大震災では、被災地のツーバイフォー住宅のうち96.8%がとくに補修をしなくとも継続して居住可能な状態を保ったことが分かっています。

中古の在来工法の家を耐震リフォームして住むことも出来ますが、ツーバイフォー工法の物件であれば、築年数が古くても、基本的には耐震性が高いため、耐震リフォームの必要がなくリフォーム費用を抑えることが出来るというメリットがあります。特に、欧米風のデザインが好きな方であれば、耐震性が高いうえに、デザインの点でも海外仕様になるのでおススメです。

2.ツーバイフォー工法の中古物件を購入&リノベする時の注意点

ツーバイフォー中古住宅を購入&リノベするなら会社選びが重要!

日本ではツーバイフォー工法で建てられた家よりも、在来工法の家の方が多いため、リフォーム会社や工事を行う大工さんも在来工法に特化しています。そのため、ツーバイフォー住宅の構造を正しく理解できていない会社があるため注意が必要です。

工法自体がどんなに地震に強くても、構造を理解していない会社が、耐震性を担っている必要な壁を自由に取ってリノベーションしてしまうと家の強度や耐震性は下がってしまいます。中には、ツーバイフォー住宅は、そもそもリノベーションが出来ないと工事を断る会社もあり、思い通りの家に出来ない場合もあります。

ですから、ツーバイフォー工法の中古物件を購入してリノベーションを行いたいと思っているのであれば、ツーバイフォー工法に特化している会社や、ツーバイフォー工法が主流の輸入住宅のリフォーム、リノベーション経験が豊富な会社に依頼するようにしましょう。

リノベーションのことも念頭に置いた物件選びをする

ツーバイフォー工法の住宅は、柱がなく、壁面で家を支えているため、間取りを変えるような大きなリノベーションが出来ないと言われてしまいます。実際には、耐震壁でなければ間仕切り壁を取っ払ったり、補強をして間取りを変えたりすることが可能です。しかし、耐震性にも影響する大がかりな工事になりますし、在来工法の住宅や間仕切り壁を無くしてスケルトンに出来るマンションリフォームに比べると自由度は低いと感じるかもしれません。

そのため、ツーバイフォー工法の物件を探す際には、水回りや大きな部屋の配置を大きく変えずにすむ、好みの間取りの家を初めから探すことがおススメです。

また、リフォームを依頼するツーバイフォー住宅に特化したリフォーム会社に物件選びの時から同行してもらうことで、どこまでリノベーションが可能なのか、イメージ通りの工事が行えるのかを確認することが出来て、後悔のない物件選びと、その後のリノベーションが行えます。

3. まとめ

中古物件であっても、2000年6月以降に建築された家であれば、国の耐震基準をクリアした家になります。また、それ以前に建った家でも、耐震診断を行い、耐震リフォームを行うことで耐震性を高め、安心して暮らすことが出来ます。さらに、築年数の古い家を選択肢に入れるのであれば、ツーバイフォー工法で建てられた家を選ぶことで、同じ時期に建てられた在来工法の家より耐震性が高い可能性が高く、リフォーム費用を抑えることが出来るかもしれません。耐震性を弱めることなく、安全で安心できるリノベーションを行うために、ツーバイフォー工法に特化した会社を選び、物件探しから同行してもらいましょう。

中古物件を購入してリノベーションして住むのであれば、地震に強い家としてツーバイフォー工法に注目してみてはいかがでしょうか?