家は居心地の良い場所、自分だけのお気に入りの空間にしたいものです。新生活で緊張やストレスが多くなるこの時期には特に、癒しの空間を作っておきたいと思う方は少なくないかもしれません。そこでおススメなのが『ヌック』です。海外スタイルのお宅をはじめ、オシャレな家にも増えているヌックをリフォームで取り入れる方も増えています。

ヌックを取り入れることにはどんなメリットがあるのでしょうか?居心地の良いヌックを作るうえでのポイントと共にご紹介したいと思います。

1.『ヌック』で作る私の居心地の良い場所

そもそもヌックとはどんなスペースなのでしょうか?オシャレなだけではない、家の中にヌックを作るメリットをご紹介したいと思います。

オシャレな家にあるヌックって何?

ヌックとはスコットランドの『neuk(ヌーク)が語源と言われており、「隅っこ」「隠れ場所」という意味があり、暖かくて心地の良い場所や、ひとりで静かに過ごしたい時にピッタリの空間を指して使われます。

ドアや壁がある個室ではなく、居室の一角に設けた空間で、小上がりにしたりベンチを設けたりして、ゆるやかに区切られた心地良い空間というのが特徴です。

また、広さに決まりはないものの、ヌックの定義には、こぢんまりとした小さな空間という要素が含まれているので、1~3畳ほどの、こもれる空間にするのが一般的です。

ヌックを取り入れるメリット

  • 家族全員がフレキシブルに使える空間

ドアや壁がなく、ゾーニングしているだけなので、家族全員が自由に使える空間となるうえ、読書やゲーム、昼寝、ティータイムで使うなど様々な用途で使えるので、家の中でデッドスペースになりづらいというメリットがあります。家で仕事をする際のメインのワークスペースで使ったり、気分を変えて集中したい時だけ使ったりと、幅広い用途で使えます。しかも、広いスペースが必要ないので、間取りに取り入れやすいというメリットもあります。

  • 家族のつながりを感じられる孤立させない空間

例えば、家族が集うリビングにヌックを設けるなら家族の気配やつながりを感じ、時にはコミュニケーションを楽しみながらも、ヌックの中ではひとりの時間を楽しむことができ、家の中で孤立することなく居場所を作ってくれます。

2.ヌックを居心地の良い場所にするためのポイント

ヌック=癒しの空間・居心地の良い場所、にはなりません。ヌックを快適な空間にするためには、ヌックを作る際に意識しておきたい点がいくつかあります。ヌックを居心地の良い場所にするためのポイントをご紹介したいと思います。

自分にとって居心地の良い空間とは何かを考える!

ヌックは、景色の良い窓際にベンチを設けて明るく開放的な空間にすることも出来ますし、反対に階段下やロフト下など、3面壁に囲まれてあえて天井が低い部分にヌックを設けて秘密基地感を出すことも出来ます。どちらを心地良い場所と感じるかは、人それぞれです。自分や家族にとっての心地良さ、ひとり時間を楽しんだり集中したり出来るのはどんな空間なのかをまずは考えてみましょう。

また、ヌックを家に取り入れるうえで、ヌックを作る前提でレイアウトを決めるという方法もありますが、リフォームやリノベーションのメリットを活かして、家の中で居心地の良い場所をヌックにするという方法もあります。

例えば、リビングの日当たりの良い窓際がお気に入りの場所であれば、ベンチや小壁を設けてヌックにすることで、さらに居心地の良い空間にすることが出来るかもしれません。他にも、和室がリラックスできるという方であれば、押入れをリフォームしてヌックにすることも出来ますし、子ども達が好んで隠れて遊んでいる階段下やロフトの一部をヌックにすることも出来るかもしれません。

既に居心地の良い場所があるのであれば、そこを活かすことで、「こうだったらもっと良いのに」とか、「こんなクロスや床にすればステキになる!」などイメージがわきやすく、さらに居心地よいお気に入りの場所になります。

使い方は自由だけど想定しておくことも大事!

ヌックは幅広い用途で使える自由さが良い部分ではありますが、ある程度どんな時に使いたい空間なのか、想定をしておくことは重要です。中には、柱や梁の凹凸を活用したりデッドスペースにベンチを置いたりしてヌックを設けるケースもありますが、間取りを埋めるように作ったヌックは、スペースが足りなかったり、落ち着けない場所だったりして、想像していた様に使えない可能性があるので注意が必要です。想像していたことが出来ないヌックになると、使わないどころか物置と化してしまうことさえあります。

例えば、ヌックで昼寝をしたり読書をしたりしたいと思うのであれば、横になれるようなスペースを確保した小上がりにするか、座り心地の良いイスが置けるスペースが必要となります。デスクが必要か、収納棚が必要となるか、照明やコンセントの有無も、何をするかによって異なります。ある程度、欲しいものに手が届くようにしておくことで、ひとり時間をのんびり楽しめる空間になります。

しかし、ちょっとしたパソコン作業ではなく、リモート会議や本格的に仕事をするなど作業をするスペースが欲しい場合は、ヌックよりもワークスペースやユーティリティルームとして、しっかりとした個室を設ける方が良い場合もあります。どんな目的で、何に使いたいかを事前に想定しておきましょう。

3. まとめ

海外スタイルの間取り、オシャレな造りとしてヌックは注目されていますが、ヌックを取り入れることには見た目以上のメリットがあります。家族が集まるリビングなどの居室に、暖かくて心地の良いこぢんまりとした空間であるヌックを設けることで、家族とのつながりを保ちながら、孤立することなくひとりの時間を楽しむことが可能になります。リフォームやリノベーションでヌックを設ける際には、デッドスペースを活用する方法もありますが、居心地の良い場所にするためにも、今お気に入りの場所を整えるつもりでヌックを取り入れることで、実用的なヌックにすることが出来ます。

大好きで居心地の良い家にするために、家族で使えるお気に入りの場所、『ヌック』を取り入れてみるのはいかがでしょうか?