仕切れる子供部屋ってどうなの?使いやすい仕切り方とは?

春の兆しを感じるこの時期になると、入学や進級、受験など、子供の成長に合わせ、子供部屋を作ったり整えたりする方が増えます。最近は、リビング学習も人気ですが、子供の人数が多いと、それぞれに個室を用意することを考えて、仕切れる子供部屋を作るお宅が増えています。しかし、将来的に仕切れる子供部屋って本当に良いのだろうか、家族のライフスタイルに合っているのだろうか、と悩んでおられる方は少なくありません。

子供部屋を作るにあたって、将来的に仕切れる子供部屋は良いのかどうか、メリットとデメリットを考えてみましょう。また、既に子供部屋があるお宅では、どのように仕切ることで使いやすい子供部屋になるか、仕切り方のポイントもご紹介したいと思います。

1. 仕切れる子供部屋のメリット&デメリット

将来仕切ることが出来る子供部屋の特徴を理解し、メリットとデメリットをよく検討したうえで設けなければ、使いづらい間取りになるうえに、必要以上にリフォーム費用がかかってしまうかもしれません。どんなメリットとデメリットがあるのか、確認してみましょう。

■将来仕切れる子供部屋のメリット

●用途が広がる:仕切ることが出来る子供部屋では、大抵6帖以上の部屋にすることが一般的です。6帖の部屋の場合、初めから個室にすると、それぞれ3帖の空間ということになり、幼い時は遊ぶには狭さを感じてしまうかもしれません。しかも、子供が一人の時期や、子供たちが全員巣立ったあとは、3帖の部屋が2つあっても使いづらい空間になりますが、6帖以上あれば用途の幅が広がり有効活用できます。

●大掛かりなリフォームが不必要:子供の人数や成長に合わせて子供部屋を作るとなると、その度にリフォーム工事が必要となりますが、仕切るだけの広い子供部屋であれば、間仕切り壁を設けるとしても、部屋を丸ごと作る工事よりも安価で時間もかかりません。

■将来仕切れる子供部屋のデメリット

●子供の人数の増減に対応できない:仕切ることを前提に作った部屋は、子供の人数に合わせて部屋の形やドアの数を決めています。そのため、子供の人数が増えてしまうと、部屋の広さが公平に仕切れなくなったり、ドアの数が足らず、プライベート空間が守れなかったりするというデメリットがあります。そのため、仕切ることを前提にする場合は、子供の人数の増減に対応した部屋の形や間仕切り方を意識しておく必要があります。

●リフォーム工事が必要:大掛かりな工事が必要ないとはいえ、壁で間仕切るのであれば、工事が必要となります。間仕切り壁の工事は一般的に10万円程度必要となりますが、子供部屋を設けた時点でしっかりプランニングを行っていなければ、壁を新設する工事だけではなく、ドアの設置や照明、コンセントといった電気工事も必要になり、さらにお金がかかります。事前に取り分けておかなければ、入学や受験などの子供にお金がかかる時期と重なってしまうかもしれません。また、忙しい時期と工事日程が被る可能性もあります。

2. 使いやすい子供部屋にするための仕切り方のポイント

将来的に仕切ることを考えて、既に広い子供部屋があるというお宅も少なくありません。仕切り方によっては、リフォームが必要となりますが、どのように仕切ると使いやすい子供部屋になるのか、仕切り方のポイントをご紹介したいと思います。

■何で仕切るかを考える!

空間を仕切る方法には、下記のようにいくつか種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあるので、子供の人数や年齢、性格を踏まえたうえで、仕切る方法を考えましょう。

●壁:間仕切り壁で仕切る場合は、リフォーム工事が必要となります。将来壁で仕切ることを前提に子供部屋を作るのであれば、それぞれの部屋にドアを設けること、窓や照明、コンセントの位置、冷暖房効率などを意識したうえで間取りを考える必要があります。床や天井に下地を入れておくことも大切です。区切ったときに左右対称になるようなレイアウトであれば、各部屋、公平な子供部屋になります。

●家具・造作収納:タンスやベッドなどの家具で仕切ることによって、仕切る場所を固定せずに容易に変えることが出来ます。また、家具のレイアウトによっては、2スペース以上にも区切ることが可能で、人数や用途に合わせることが可能です。ただし、多くの場合、天井まで仕切られないので、冷暖房機器がそれぞれの部屋に必要ないというメリットがある一方で、完全な個室ではないので音や視線が気になってプライバシーが守られにくいというデメリットがあります。そのため、子供それぞれの個室としてではなく、子供たちの寝室、勉強空間、趣味空間、といった用途ごとに分けて使うための仕切りとして活用するケースもあります。

また、可動式の棚やクローゼットなどの収納を造作して間仕切りに使うことも出来ます。造作すれば、家具のように、好みの場所に移動させて仕切ることもできますし、天井までの高さのものを作ることも可能です。また、仕切らずに使うときも、収納として活用したり、他の部屋で活用したりすることも出来て便利です。

●建具:子供部屋の間仕切りたい部分に始めから2~3枚の引き戸を設けることで、建具を閉めるだけで空間を仕切ることが可能です。子供部屋を作る時点で、建具を設置しておけば、将来リフォーム工事が必要となることもありません。いつでも、開閉が出来るうえに、床にレールがない上吊り引き戸であれば、将来一部屋にしたいとき、ドアを無くすだけで、オープンな空間に出来ます。窓が一か所しかない部屋であれば、採光付きのドアを選ぶことで、明かりを採り入れることも可能です。ただし、間仕切り壁ほどの気密性や個室感はありません。

●カーテン・ロールスクリーン:目隠し程度の間仕切りであれば、カーテンやロールスクリーン、アコーディオンカーテンなどで仕切るという方法もあります。壁や建具などよりもコストもかかりませんし、建具と同様、いつでも開閉できて便利です。しかし、音漏れや寒さ暑さ対策が必要となります。遮光・防音機能があるカーテンなどを活用することを意識する必要があるかもしれません。

■子供部屋にこだわる必要はない?!

空間として仕切ることが出来る方法がいくつかあることや、仕切ることを前提に作った子供部屋が意外とフレキシブルに使えないデメリットがあることを考えるなら、今から子供部屋を作ろうと思う方は、子供部屋として部屋をとりわけることにこだわらず、子供たちの居場所を作ることを意識することもできます。

例えば、勉強する場所を確保したいのであれば子供部屋を作るのではなく、リビングダイニングや階段の踊り場、2階の廊下などを広めにとって、その一角を仕切ったり、デスクを置いてスペースを取り分けたりすることで、子供が勉強できる空間にできるかもしれません。子供の成長や人数に合わせてフレキシブルな対応が出来ますし、子供が巣立った後も、使わない部屋を生み出さず、大掛かりなリノベーションも必要ないかもしれません。特に、個室を設けたくないと思っている方や、子供の人数が少ない場合、また兄妹で年が離れていて、同時期に子供部屋が2部屋以上必要になることはなく、成長に合わせて順に個室が必要になるケースなどでは効果的な方法です。

将来仕切れる部屋は必ず子供部屋でなければいけないと思わず、子供たちのプライベート空間や勉強スペースがどれぐらい必要かを意識して間取りをレイアウトすることで、ライフスタイルに合わせた選択肢が広がるかもしれません。

3. まとめ

子供たちの成長に合わせた子供部屋を設けるうえで、将来的に間仕切ることが出来るオープンな子供部屋は人気です。子供が幼いうちは広い空間を使い、成長や用途に合わせて比較的簡単なリフォーム工事で仕切ることが出来て便利です。しかし、よくプランニングしたうえで作っていないと、電気工事が必要になってお金が必要な時期にリフォーム費用がかかったり、忙しくなったりしてしまうかもしれません。また、子供の人数の増減に対応しづらいというデメリットもあります。将来仕切ることが出来る子供部屋を設けるのであれば、デメリットを理解したうえで、どんな方法で仕切ると使いやすいのか、よく検討しましょう。また、子供部屋という個室にこだわることなく、子供たちの居場所やスペースを意識することで、家のどこでも空間を有効活用することが出来るかもしれません。

子供部屋のリフォームを検討している方は、子供たちのことをよく考え、将来仕切ることが出来る子供部屋も選択肢に入れてみるのはいかがでしょうか。