同じ白い壁でも見え方が違う!?白いクロスを選ぶ時のポイント

オシャレな室内にするため、アクセントクロスが映えるように、白を基調とした家にしたいという方は少なくありません。一方でコーディネートは難しい、とにかくシンプルに飽きがこないように壁は白に、という方もいらっしゃいます。どちらの考えの方にも当てはまる、一見万能で選びやすそうな白ですが、意外と同じ白でも素材や色味の幅が広いうえに、特徴が無いだけに比較しづらく壁の白選びに苦戦するという方は少なくありません。カタログから選ぶにしても、白いクロスだけでも何種類もあり、迷うものです。

そこで今回は、壁を白くする際の注意点や、意外と難しい白いクロスを選ぶ時のポイントをご紹介したいと思います。

1. 白こそ選ぶのが難しい!?

一番シンプルとも言える色だからこそ、白の壁材を選ぶのは難しいかもしれません。壁材に使われる白の色味の種類や白の壁材を選ぶ時の注意点をご説明したいと思います。

■白にも色々ある!

白・ホワイトと呼ばれるものでも色味には違いがあり、壁などの大きな面に使うとさらに見え方にも大きく影響します。200種類あると言われる白の中でも、壁によく使われる白の色味をご紹介します。

●純白:混ざり気のない純粋の白で、最も明るい白と言えます。反射率が高いのでレフ版のように空間を明るくすることが出来ます。そのため、ビデオ会議や動画撮影を行う部屋におススメです。

●パールホワイト:純白よりも黄みがかっているものの、真珠のようない輝きがプラスされた白です。光沢のある白なので、水回りなどで使うと衛生的で清潔な印象を与えてくれます。

●オフホワイト:グレーがかったマットな白で、落ち着いた空間に似合います。グレーとベージュをベースにした人気のグレージュインテリアとコーディネートしやすい白です。

●ミルキーホワイト:その名の通り牛乳のような少し黄みがかった白で、柔らかな印象を与える色味です。パステルカラーとの相性もよく、他の色とコーディネートしやすい白です。

●アイボリー:ミルキーホワイトよりもさらに黄みがかった白です。温かな印象を与える白なので、自然の風合いを感じられるナチュラルテイストに合わせやすい白です。

■明るすぎて室内が眩しい!?

部屋を明るく開放的に見せるうえで、壁や天井といった部屋の広い面を白にするのは効果的です。しかし、太陽光が入りやすい明るい部屋では、全面真っ白な壁にしてしまうと光を反射して明るさが強くなってしまうため、眩しすぎて目が疲れる、落ち着かず休まらない部屋になってしまうことがあるので注意が必要です。また、汚れが目立ちやすいというデメリットもあります。

純白やパールホワイトは特に反射率が高いので、注意が必要です。キッチンパネルのような光沢のある素材もさらに明るさを増してしまいます。そのため、ツヤがあるフラットな素材よりも塗り壁や織物調のクロスなど、表面に凹凸があって光が当たっても陰影が出来るような素材を選ぶことで反射率を抑えるようにしましょう。

また、壁を真っ白にする場合は、天井や床に木材を使ったり、グレーなどの明るさを抑えた色を選んだり、家具やカーテンなどのファブリックに暖色を取り入れたりすることで、眩しすぎる白空間を軽減できます。ほかにも、壁に色のある絵や写真を飾ったり、観葉植物を置いたりするのも効果的です。

白の明るさを確認するには、できるだけ広い面で、電気や太陽光など様々な明かりの元で見ることが大切です。白は小さなサンプル調で見るよりも面が広いとさらに明るく、より白く感じます。グレーや黄みが強いのではないか、と思うぐらいでも光があたる明るい部屋ではちょうど良い白だったというケースは少なくありません。ショールームや施工例など、広い面で実物を確認できる機会があるのであれば明るさなどの見え方を確認しておきましょう。

2. テーマ別・白いクロスを選ぶ時のポイント

白と言われる色でも色味の違いや、見え方の違いがあることを分かったうえで、ここからは素材をクロスに絞って、白いクロスを選ぶ時のポイントをテーマ別にご紹介したいと思います。

■スタイリッシュな空間にしたいときの白いクロス選び

シャープでスタイリッシュなモダンテイストやシンプルテイストを目指すのであれば、明るくはっきりとした白を選ぶことがポイントです。色味のある白を選ぶ場合は、グレーや青みのある寒色系の白クロスを選ぶようにしましょう。

また、質感を考える際には出来るだけフラットで柄のない白クロスを選ぶことで無機質なモダンな雰囲気になります。柄を取り入れたい場合は、大理石などの関目調や、塗り壁調でも漆喰のようなコテの模様が少なく直線的なものを選ぶことで、モダンでスタイリッシュな雰囲気を演出できます。

光沢のあるラインや幾何学模様であれば、凹凸がある白クロスでもスタイリッシュな空間に似合います。

■温かな空間にしたいときの白いクロス選び

北欧や南欧などのヨーロピアンテイストや、カントリーテイスト、ナチュラルテイストなど自然を感じさせる温かな空間を目指すのであれば、アイボリーやミルキーホワイトなどの黄みやベージュがかった暖色系の白クロスを選びましょう。

また、反射率が低い素材の方が温かさを演出できるので、表面がフラットなものよりも、織物調やコテ模様がしっかりあり、曲線的な塗り壁調など、陰影が出るクロスを選ぶことがポイントです。表面に凹凸があるクロスは高級感を演出する点でも効果的です。

さらに、白ベースの空間でも白のレンガ調や木目調の柄クロスをアクセントとして組み合わせることも出来ます。

3. まとめ

他の色と合わせやすく、どんなテイストでもマッチしやすい白い壁ですが、ひとえに白と言っても色味や質感のバリエーションは様々なので、しっかり選ばなければイメージと違う部屋になってしまうかもしれません。白には、混ざり気のない純白以外にも、寒色系が入った白や暖色系が入った白があります。モダンテイストやシンプルテイストなどのスタイリッシュな空間にしたいのであれば、寒色系の白でフラットな素材のものを選び、ヨーロピアンテイストやカントリーテイストなどの温かな雰囲気の空間にしたいのであれば、暖色系の白で織物調や塗り壁調などの凹凸があるものを選びましょう。また、明るい部屋に反射率の高い白を選んでしまったり、全面白にしてしまったりすると、眩しすぎて休まらない空間になってしまうので、明るさを確認しておくことは大切です。

同じ白い壁にするにしても、色味や素材感にこだわることを忘れずに選ぶようにしましょう。