生活動線を意識した間取りにする!何を意識するといいの?

暮らしやすい間取りにするうえで意識することが重要なのは生活動線です。一度間取りを変えるような大がかりなリフォームをすると、簡単には動かせなくなる部分なので、慎重に考える必要があります。

生活動線にはどんな種類があるのか、またどんな点を意識すると暮らしやすい間取りになるのか、動線をスムーズにするヒントをご紹介したいと思います。

1. 意識したい4つの生活動線

動線の中には、種類があって間取りを考える時に特に意識しておきたい動線が4つあります。どんな動線で何を意識すべきなのか、ご説明したいと思います。

■生活に欠かせない『家事動線』と『衛生動線』

暮らしやすさに直結する動線として、家事動線と衛生動線があります。

家事動線とは、その名の通り、掃除、洗濯、料理といった家事に必要な動線のことです。毎日行う家事だからこそ、移動のしやすさ、動作のスムーズさを意識しておくことが大切です。日々のストレスを軽減するためにも、動線の中でも特に優先すべき部分といえます。

また、衛生動線も意識した間取りにすることが重要です。衛生動線とは、浴室やトイレ、洗面、手洗いなどの衛生に関係する水回りを意識した動線のことです。家事動線と重なる部分がある一方、家事とは別の動きや、家族によって異なる動きもある部分なので、時間帯や家族それぞれの動線を確認しておくことが大切です。トイレや洗面の個数によっても動線に違いがでるので、比較しながら考えましょう。

■暮らし方で異なる『通勤動線』と『来客動線』

生活に欠かせない家事動線と衛生動線に対して、必須とは限らない動線もあります。それは、通勤動線と来客動線です。

通勤動線とは、会社や学校などの通勤に関係する動線のことです。通勤・通学している人たちは、通勤までの準備をスムーズに行い、混雑を避けることを意識した動線にすることが大切です。しかし、自宅でのリモートワークやホームオフィスにしている方であれば、通勤動線よりも、ワークスペース内の働きやすい動線を意識することやプライベート空間との差別化を意識することが大事になります。また実際に通勤している人であれば、玄関の位置と車までの位置、道路の位置など、家の外の動線も意識しておく必要がありますが、通勤の必要がなければ、家の中の動線のみを検討すればよいことになります。

さらに、学校に通う子供たちがいる場合は、年齢によっても異なります。まだ幼く今後の学齢期が長いのであれば通勤動線を意識しておく必要がありますが、あと数年で卒業して家を出る可能性が高いのであれば、通勤動線を意識するという優先順位は下げておいた方が、その家に住み続ける家族にとって暮らしやすい間取りになります。

また、玄関から客室までの動線を意識ふることが大切な来客動線も、絶対に必要な動線とはいえません。来客がほぼ無かったり、客室が無い家だったりすると、来客動線を意識する必要は無いかもしれません。しかし、家の中に招き入れることは少なくても、配達などの玄関での来客対応はあるかもしれません。動線として意識する必要はなくても、玄関と家事動線や衛生動線が交わらないようにしたり、プライベート空間が見えないようにしたり、玄関の位置や広さなどを意識することは重要になるかもしれません。また、置き配ボックスなど、玄関ポーチやアプローチまでの動線、防犯などの意識も大切です。

通勤動線と来客動線は、まずは、自分たちの暮らし方を確認して他の動線との優先順位を決めておくことが大切です。

2. 動線をスムーズにするための間取り決めのヒント

実際に動線を意識した間取りにするうえで、どんな点を気を付けるとよいのか、間取りの決め方のヒントをご紹介したいと思います。

■家族それぞれが理想の間取りを発表しよう!

動線を描きながら部屋を並べて決めていくのは難しいので、まずは家族の使用頻度が多く、家族団らんの場となるリビングを配置してみましょう。そこから動線を描きながら、部屋を配置していくと間取りを決めやすくなります。キッチンやダイニングなど、リビングよりも家族の滞在時間が長い場所や、集まりやすい部屋を中心に考えることも出来ます。

リビングなどベースとなる部屋を配置した後に、生活動線を線で引きながら、近くにあると便利な部屋やスペースを書き足していくと、我が家の理想の間取りのカタチが次第に見えてきます。

また、間取り決めを家族のうち誰かひとりが行って話しあうよりも、家族それぞれが書き出した間取りを持ち寄って話し合う方が、家族の生活動線を把握したり、間取りの希望を理解したり、アイディアや選択肢が増えたりして効果的です。

■家事動線は家事動作を具体的に確認しながら決めよう!

家事動線を意識して間取り決めを行う時に、見落としがちなのが、具体的な動作です。図面のうえで線を書き込んで動線を確認する方は多いものの、実際に家事を行う動作を意識していないケースは少なくありません。しかし、動作を確認していなければ、図面上では動線が短くスムーズに動けるはずの間取りが、実際に住んでみるとスムーズに動けないという失敗例があります。

例えば、玄関からキッチンまでの動線が短く、帰宅後の荷物を運び入れやすくしているなっていると思っていたはずが、実際は、荷物を両手いっぱいに持っていると廊下幅が狭く、通り抜けできないために、何度も往復して少しずつ運ばなければいけなかったり、開き戸にしていたため、開閉し辛かったりして、図面上最短の動線は使わずに、ぐるりと回ることになったというお宅もあります。

日常的に行っている家事のひとつひとつの動作を実際に行ってみながら、どれぐらいの広さが必要なのか、ドアの種類は問題ないのか、棚の位置や引き出しは邪魔にならないか、など具体的に確認しておくことは、図面上だけではなく本当に暮らしやすい間取りにするうえで役立ちます。動きの癖や、体形、理想としている家事動作や方法は人やライフスタイルによって異なるので、我が家ではどうか、自分にとってはどうか、を意識して確認するようにしましょう。

3. まとめ

間取り決めを行ううえで、生活動線を意識しておくことは、暮らしやすい間取りにするうえで役立ちます。特に家事動線や衛生動線は、日常的な動作に関係しているので、優先順位を高くして最短にスムーズに動ける動線にしましょう。通勤動線や来客動線は、ライフスタイルによって異なるので、自分の暮らしでは必要なのか、優先順位はどれぐらいなのかを、まずは確認したうえで動線を考えることが大切です。間取り決めを行う時は、その家で暮らす人全員の理想の間取りを持ち寄って話し合うことで、自分たちらしい間取りにしやすくなります。また家事動線を考える際には、図面上だけではなく、動作も具体的に意識しておくことが大切です。

生活動線を意識した間取りにしてライフスタイルに合った暮らしやすい間取りを手に入れましょう!