玄関ポーチの広さはどれぐらいが理想?広さを決める時のポイント

玄関の室内側、土間の広さやシューズクロークに関しては慎重にこだわって決める方は多いですが、意外と見落としがちなのは玄関ポーチです。マンションでは共有部分となるため意識することはないかもしれませんが、戸建ての人であれば考えなければいけない部分となります。しかし、外構部分だからと室内と切り離して考えたり、特にこだわらずに大体のサイズで広さを決めてしまったりすると、使いにくい玄関になってしまうので注意が必要です。

玄関ポーチの広さはどれぐらいが理想なのでしょうか?広さを決めるうえで考慮しておきたいポイントと共にご説明したいと思います。

1. 理想的な玄関ポーチの広さとは?

そもそも玄関ポーチは一般的にどれぐらいの広さが必要とされているのでしょうか?自分の暮らしに合った広さを見つけるうえで、どんな点をチェックすると良いのか、チェックポイントもご紹介したいと思います。

■玄関ポーチはどれぐらいの広さが必要?

玄関ポーチに広さは最低1畳程、一般的には1.5~2畳程必要とされています。家の外観や玄関とのバランスを考えて広さを決めることもありますが、実用性を考えた広さにすることが大事です。

人が立つためのスペースの確保はもちろん、玄関ドアはポーチ側に開けるのが一般的なので、開けた際に安全に人が立つことが出来るスペースも必要となります。

しかも、ポーチ部分には段差があるので、奥行きが狭いと、ドアを開けた際に段差から落ちてしまい危険です。一般的なドアの幅は80cm程が多いので、奥行き1.2m以上を確保できれば、安全で余裕のあるスペースを確保できます。玄関に採用したいドアの寸法も確認したうえで、実際に人が立って安全に開閉できるか、確認してみましょう。

■我が家の理想の広さを考える時のチェックポイント

上記では一般的に必要と言われる広さを考えましたが、使いやすさや理想は、人によって異なるため、我が家にとって理想の広さがどれぐらいかを確認することが大切です。理想の広さを知るうえで下記の点を考慮に入れましょう。

●家族構成は?一番玄関に立つ回数が多いのは、その家に住む家族なので、家族構成に合った広さにする必要があります。幼い子供がいて、玄関まで手をつないで帰ってくるのであれば、横に並んで立てる広さか、雨が降っても濡れない広さかを確認してみましょう。横幅2m以上あると余裕があります。

高齢の家族がいて、将来的にポーチ内に手すりを設置する必要がある場合は、設置した際にドアの開閉がスムーズにできるのか、などを確認しておくことが大切です。

●ベビーカー車椅子は使う?ベビーカーや車椅子を使用する場合には、人が並んで立つスペースよりも広さが必要となります。ベビーカーや車椅子を押して玄関土間まで入る場合、縦に並んで入れる幅があれば問題ないと思うかもしれませんが、ドアの鍵を開ける際のスペースや開き戸であれば開閉スペースも必要となります。玄関ポーチの広さを確保できない場合は、リモコンやスマートフォンのアプリで開閉できるスマートキー付のドアにするなど、ドアの種類でカバーしましょう。

また、ベビーカーや車椅子意外にも、自転車を家の中に入れたい人や、アウトドアが趣味でキャンプグッズをシューズクロークまで運び入れたい人など、大物の出し入れがあることを想定出来るのであれば、荷物を持った状態でスムーズに鍵を出して玄関ドアを開閉できるのか、一連の動作を行い必要なスペースを確認しましょう。

●ポスト・置き配ボックスはどこに?ポストをどこに設置したいかによってもポーチの広さが変わります。雨の日に濡れることなくポストから投函物を出したいのであれば、屋根のある玄関ポーチ付近に設置するのがおすすめです。また、置き配ボックスを設置したい場合や、玄関前に荷物を置いてほしい場合は、そのスペースを確保したうえで、十分に人が立てるスペースの玄関ポーチにしなければ、邪魔になってしまいます。

●インターフォンはどこに?家主は基本的に使わないため、見落としがちなのがインターフォンの位置です。インターフォンの前に立つとポーチの端すぎて来客者に転倒の危険があったり、ポーチから身を乗り出さなければ、カメラに映らない位置だったりすることもあります。来客者が安全に立ち、カメラから確認しやすい位置にインターフォンが設置できるように、ポーチのサイズも考えましょう。

2. 玄関ポーチを広く使いやすくするポイント

ライフスタイルに合った適切な広さの玄関ポーチが確保できればベストですが、リフォームでは特に限られたスペースでポーチを造る必要がある場合もあります。その中でも、最大限に広く使いやすい玄関ポーチにするには、どうしたら良いのでしょうか?ポイントをご説明したいと思います。

■玄関ドアの種類を考える

同じ広さの玄関ポーチでも玄関ドアの種類によって、使いやすさが変わる場合もあります。例えば、玄関ポーチを最大限に活用するために、玄関ドアの種類を引き戸にすることが出来ます。

開き戸では、玄関ポーチ部分にドアの開閉分のスペースを確保する必要があり、ドアの前に立つ人も数歩移動する必要がありますが、引き戸にすれば体を動かす必要がないので、玄関ポーチの奥行を広くする必要はなくなり、有効スペースが広くなります。

しかし、引き戸にする際には、玄関ポーチ側にはスペースが必要なくなるものの、ドアを引くためのスペースが必要となるため、玄関土間側の間口の広さを確保しなければいけないので注意が必要です。基本的には、室内側で確保できれば玄関ポーチの横幅には関係ないのですが、ドアを引く部分にはインターフォンが付けられないので、設置位置を考えておく必要があるかもしれません。

■エクステリアもセットでコーディネート

使いやすさを考える際には、玄関ポーチ単体ではなく、インテリアはもちろんエクステリアとの繋がりも考えておくことが大切です。

例えば、車を持っているのであれば、駐車場から玄関ポーチまでの動線はスムーズかを確認してみましょう。玄関ポーチ部分だけではなく、カーポートからの動線部分にも屋根を付けることで、雨の場合でも濡れずに移動できたり、ポーチを広く見せたりする効果が期待できます。

また、玄関ポーチが広くてもポーチ横の植木が成長して、人が立つスペースを圧迫していることもあります。植木が邪魔にならないか、などポーチ周りのレイアウトも確認しておきましょう。

3. まとめ

一般的には、玄関ポーチの広さは最低1畳、使いやすい広さとして1.5~2畳と言われています。しかし、一般的なサイズに合わせるだけでポーチの広さを決めてしまうと、使い勝手が悪かったり、安全が確保できなかったりするので注意が必要です。家族構成や玄関で出し入れするもの、ポストや置き配ボックス、インターフォンの位置などを確認したうえで自分の暮らしに合った理想の玄関ポーチの広さを見つけましょう。また、ドアの種類を考えたり、カーポートからの動線やポーチ周りのレイアウトなど、エクステリア全体のコーディネートを意識したりすることも大切です。

玄関ポーチは、大切な我が家へ最初に出迎えてくれる空間でもあるので、安全で使いやすい広さにしましょう!