リノベーションをすると決めてリフォーム・リノベーション会社に依頼し、ヒアリング・打ち合わせや家の調査が終わると、いよいよプランが提出されます。提出されたプランを見ると、理想の暮らしに近づいた感じがしてワクワクするものです。しかし、楽しみな反面このプランで大丈夫なのかと不安になることもあります。特にスケルトンリフォームやフルリノベーションなど大掛かりな工事になると確認する範囲が広く、何をチェックすべきなのか分からなくなってしまうこともあるので注意が必要です。

プランを提出された際にどんな点を確認しておくと良いのでしょうか?リノベーションを成功させるために大切な、プラン打ち合わせ時に確認しておくべき4つのポイントをご紹介したいと思います。

1. 希望通りになっているかを確認する2つのポイント

最初に提出されたプランは、自分たちの依頼が伝わっているかどうかが分かる重要な判断材料となります。安心して任せられる会社なのかを判断するうえでも、どんな点を確認すると良いのか2つのポイントをご紹介したいと思います。

■要望は全て反映されているか?

まずは、今回のリノベーションで依頼した要望が全て反映されているかを確認しましょう。確認しやすいように、初回の打ち合わせで話した内容を残しておいたり、要望を箇条書きにしたものと照らし合わせたりしながら、一つずつ確認しましょう。

プランを確認して要望がほぼ反映されているのであれば、しっかり話を聞いて寄り添おうとしてくれている会社だということが分かります。反対に、抜けている部分が多い会社は、しっかりと向き合ってくれていなかったり、担当者からプランナーへの連絡ミスが多かったり、プラン提出前に確認ミスが多かったりする可能性があります。どんな理由であれ、初回のプラン段階で最低限の希望が通っていない会社は、リノベーションを成功させるうえでは信頼に欠ける会社と言えるかもしれません。

また、全て確認したうえで、抜けている場所があれば忘れているだけなのか、理由があってあえてプランに入っていないのか、担当者に確認することも重要です。中には構造上、理想通りに出来ないことや、もっと良い提案が出来るためという場合もあるので、全て反映されていなくてもネガティブな理由とは限りません。

■コンセプトは理想に近い?

プランの提出の際には、コンセプトを聞いてみましょう。どんなことを目指してプランを考えたのか、方向性を確認することで、この会社がどんなことを意識して、プランナーがどれだけ自分たちのことを思ってプランしてくれたのかが分かります。少しでも、方向性が違うなと感じたり、自分たちの暮らしに合わせたオーダーメイドではなく、会社で規格化されたようなプランだと感じたりするのであれば、希望の家を実現することは難しくなるかもしれません。

プランを見ながら、もう一度方向性や理想を伝えて、2回目のプラン提出で理想が反映されていればしっかりと話しを聞いてくれていることが証明されて今後も安心ですが、プランの修正に応じなかったり、一向に希望が反映されなかったりする場合は、打ち合わせが長引くだけなので、依頼する会社を変えた方が後悔を防げます。

また、デザイン性やオシャレ度にこだわる方は特に、インテリアテイストもチェックしておきましょう。平面図のみのプランでは確認できませんが、CG映像やパースなども提出してくれる会社であれば、完成イメージをよりしっかりと確認することが出来ます。リフォーム・リノベーション会社の中には、『これが今流行っている』とか、『わたしの会社はこのテイストが得意なので、こっちのテイストでいきましょう!』などと言って、希望していたテイストと系統が全く違うテイストを提案する会社もあります。コーディネート術や建築の知識など、プロの意見が参考になることは多くありますが、希望するテイストは個人の好みや理想なので、流行りや会社の不得意に左右されて決めるものではありません。希望のテイストをより良いものにする提案であれば問題ありませんが、希望を伝えていたにも関わらず色やデザインなど全く違うテイストのプランを提出してくる会社は、今後も希望を聞かずに、会社がやりやすい方法でリノベーションを進めていく可能性があるので、注意が必要です。

2. 満足度を上げるために確認する2つのポイント

希望通りのプランになっているのは最低限重要なことですが、せっかくプロに依頼してプランを出してもらっているのであれば、ふんわりとしたイメージをしっかりとカタチにしたプランにしてほしいものです。リノベーションの満足度を上げるために確認しておきたいポイントをさらに2つご紹介したいと思います。

■現実的で使いやすい寸法になっているかを確認

平面図上では出来ることでも、建築上や生活上では出来ないことがあります。例えば、図面上では希望するサイズのキッチンは入っていても、冷蔵庫を置く場所が無かったり、ダイニングテーブルを置く場所が考えられていなかったりする場合があります。また、ドアの開閉に必要な幅と廊下の広さが適切ではなかったり、窓はあっても、家具の置き場がなく、家具を置くと窓がふさがれてしまうようなプランだったりすることもあります。希望を反映して平面上では問題なくレイアウト出来ているものでも、立体的に考えられていないと現実的ではないプランになり、何度も修正が必要となってしまいます。

プランニング歴の浅い人や、パソコンやソフトが使えて技術的には図面はかけてもリフォームやリノベーション、建築の知識がない人が図面を描いているケースでは、暮らしに寄り添ったプランになっていない、現実的な寸法になっていないということがあります。サイズや寸法を確認して、現実的なプランになっているかを見抜きましょう。

さらに、平面図だけでは分からない高さや段差部分は特に、図面上に記載がない場合は、細かく確認しておくことも大切です。しっかりとプランニングされている場合は、高さや段差のことも理解したうえで提案してくれていますが、とりあえず図面に落とし込んでレイアウトした、というような場合はプランナーもイメージが出来ていないため、高さ関係が漠然としてしまっている可能性があります。漠然としたまま契約してしまうと、工事が始まってから何度も寸法を確認されることがあったり、担当者の判断で勝手に寸法が決められたりする場合もあります。サイズや高さなどの寸法を具体的に確認しながらプランの打ち合わせを進めていくことが大事です。

■リアルに生活している様子がイメージできるかどうかを確認

プランを見た時に、その家で生活している様子がリアルにイメージ出来るかどうかという点は満足度の高い家にリノベーションするうえで大事なことです。

朝起きてから一日の活動を、家の中を動きまわる様子をイメージしながら、図面やパースを見てみましょう。この空間は想像しづらい、という場所があるのであれば、現実的なプランになっていないかもしれません。そもそもプラン全体が、自分たちが暮らすイメージが出来ないという場合は、どんなにオシャレで素敵な間取りだな、と感じたプランでも、自分たちのライフスタイルには合っていないのかもしれません。

新築のようにガラリと変えることが出来るのもリノベーションの魅力ですが、暮らしに合わせたオーダーメイドの家が出来ることこそリノベーションの最大の魅力です。家に暮らしを合わせるのではなく、暮らしに家を合わせるようなプランにしてもらいましょう。

3. まとめ

スケルトンリフォームやフルリノベーションなど大掛かりな工事が必要な場合は、プランに基づいた細かな打ち合わせが重要です。まずは、提出されたプランを細かく見て要望が全て反映されているか、コンセプトやインテリアテイストなどの方向性が理想通りなのかを確認しましょう。要望通りのプランになっていれば、しっかり向き合って話を聞いてくれている信頼できるリフォーム会社であることが分かります。また、図面上だけのプランになっていないか、寸法やレイアウトが現実的なものかどうかを確かめましょう。さらに、その家で暮らしている様子がイメージできるかどうかを確認することも、ライフスタイルに合った家にリノベーションするうえで大切なチェックポイントです。

提出されたプランをじっくり、しっかり確認して、リノベーションを成功へと導きましょう!