部屋数の多い家に憧れる、使い勝手が良さそう、と部屋数が多いことはメリットに感じるかもしれません。その一方で、住んでいるうちに、使っていない部屋が出てくるケースや、中古物件を購入する際に、面積はちょうど良いものの部屋数が多くて悩んでいるという方もいらっしゃいます。そのような方にとっては、部屋数を減らすリフォームやリノベーションを行うことで、暮らしやすく、良い間取りになる可能性があります。
そこで今回は、部屋数を減らすリフォームやリノベーションには、どんな効果があるのか、どんな注意点やポイントがあるかをご説明したいと思います。
1. 使いにくい間取りの原因は部屋数の多さにあった!?
部屋数を減らすことで、どのように使いやすい間取りになるのか、一部の人にとって、部屋数が多いと感じる理由や問題点、部屋数を減らすことのメリットをご紹介いたします。
片付かないのは部屋数が多いから!?
部屋数が多く、収納が多くても片付かないと感じておられる方がいらっしゃいます。しかし、むしろ部屋数が多いことこそが片付かない原因になっている場合もあります。余っている部屋を収納として使っていると、空いているからとりあえず、という理由によって物を増やしてしまったり、人目に付く場所はキレイにして、この部屋に全て入れておこう、という考え方になってしまったりする方は少なくありません。
反対に、部屋数が少ないので、どこに何を置くかよく考えて物を購入するという方や、普段から使っている部屋は何がどこにあるかを把握できているので、ストックしている物が重複する失敗がないなど、必要な広さで生活することが片付けることを意識できる家になっている場合もあります。
部屋数が多いから、面積が広いから家が片付く、キレイになるわけではありません。家族構成やライフスタイルなど、用途や目的に合わせた必要な部屋数と面積の家で、持ち物を把握できる方が、部屋数が減っても片付く家になる可能性は高まります。
部屋数を減らせば導線や間取りが良くなる!?
使っていない部屋があるものの、部屋数が足りないわけではないし、余裕がある方が良いのではないか、と感じる場合もあるかもしれません。しかし、他の部屋との間取りや導線を考えてみましょう。使っていない部屋分、他の部屋に行く導線が長くなっているかもしれません。スペースを他の部屋にあてたり、減築して庭にしたりすることで、導線が良くなるだけでなく、風通しや日当たりが良くなる場合もあります。
もし、今使っていないこの部屋が無ければどうか?という観点から間取りや日当たりを考えると、より快適で暮らしやすい家になることが分かるかもしれません。
2.部屋数を減らすリフォーム・リノベーションのポイント&注意点
部屋数を減らすことで、使いやすい間取りになるかも、と感じた方や、中古物件の3LDKの間取りを2LDKにして住む予定にしている方など、実際に部屋数を減らすリフォームやリノベーションを行う際に、どんな点に注意すべきか、ポイントをご説明したいと思います。
減らすことだけを意識しない!
3LDKの間取りを2LDKに変える、という目的だけであれば、隣接する2部屋の間仕切りを無くして繋げるだけで、2LDKにリフォームすることは出来ます。しかし、部屋数を減らしたから使いやすくなるというわけではありません。
繋げた部屋が広くなったことで、家具を並べていた壁が無くなり、レイアウトが悪くなったり、導線の長さは変わっていないため、家事導線が特別良くなるわけではなかったりします。部屋数を減らすリフォームやリノベーションを行う際には、単純に減らすことだけを意識するのではなく、減らした後の部屋の広さやレイアウトも考えておくことが重要です。
例えば、子ども部屋と隣接する、使っていない洋室を繋げて広くしても、子ども1人にとっては活用性のない広さになるだけです。間取りにもよりますが、リビングや水回りなど、家族が集まる場所が広くなるように繋げなければ、部屋数を減らしても、デッドスペースが減らせるわけではないのです。そのため、場合によっては、今使っていない部屋を繋げるよりも、使っている2部屋を繋げて、使っていなかった部屋を個室として活用する方が使いやすい間取りになるかもしれません。
部屋数を減らすうえで、今使っている部屋かどうかにとらわれるのではなく、何の用途の部屋が、どれぐらいの広さ必要かを考えたうえで、家全体のレイアウトを見直しましょう。配置をし直すつもりで部屋数を減らすことで使いやすい間取りの家にリフォームすることが出来ます。
ツーバイフォーでは部屋数が減らせない?!
壁で建物を支える2×4(ツーバイフォー)住宅の場合は、壁が構造体なので、基本的には、部屋を間仕切っている壁を撤去できません。そのため、思ったように部屋数を減らすことが出来ない場合があります。
しかし、ツーバイフォーの知識があるリフォーム会社であれば、安全性を確認したうえで、壁を無くした分、梁で補強したり、部分的に壁を無くしたり、スリットにしたりして、独立した部屋を他の部屋とつなげることによって部屋数を減らすことが出来る場合もあります。
また、部屋数を減らすリフォームは、他の部屋とつなげる以外の方法もあります。2階建ての戸建てであれば、2階の部屋を無くして1階を吹き抜けにすることで、減築することが出来ます。どこか、ひと部屋が広くなるわけではありませんが、2階の部屋数を減らしつつ、1階は開放的で明るい部屋にすることが出来ます。
ツーバイフォー住宅では、むやみに壁を取っ払って部屋数を減らすことは出来ませんが、専門的なプロの知識のもとで、構造部分を意識しながらであれば、部屋数を減らすリフォームやリノベーションの方法はあるので、まずは、ツーバイフォーに詳しく経験豊富なリフォーム会社に依頼することが重要です。
3. まとめ
部屋数が多くあっても、ライフスタイルに合っていなければ、デッドスペースが出来たり、導線が長くなったりしてしまいます。そのことは片付かない家の原因にもなるかもしれません。家全体の間取りや導線を見直して、必要な部屋の数と広さを考えたうえで部屋数を減らすリフォームやリノベーションを行うことで、暮らしやすい間取りの家に生まれ変えることが出来ます。ツーバイフォー住宅であれば経験豊富なプロに相談して間取りを整えてみましょう。
暮らしにくさや、片付かなさを感じるのであれば、自分の暮らしには、部屋数がいくつ必要なのかを見直して、リフォームしてみるのはいかがでしょうか?