床のリフォームや家をリノベーションする際には、見た目や触り心地を重視して床材を選ぶものです。しかし、フローリングの色や素材だけを必死に選んでいないでしょうか?オシャレな家にリフォームするには、フローリングの張り方にもこだわってみましょう。無垢のフローリングを選ぶ場合は、定尺張りと言われる、壁と平行に一定の幅で交互に張る一般的な方法以外にも、張り方のパターンがいくつかあります。同じ素材や色のフローリングでも張り方次第で雰囲気が大きく変わります。
では、フローリングの張り方によってどのようにオシャレな家にすることが出来るのでしょうか?欧米風スタイルに似合うフローリングの張り方の種類と、注意点をご紹介したいと思います。
1. 欧米スタイルのオシャレなフローリングの張り方とは?
欧米デザインにリフォームしたい方や欧米スタイルにリノベーションする場合は、どのようなフローリングの張り方でコーディネートできるのでしょうか?ここでは、特に欧米スタイルの家にピッタリなフローリングの張り方をご紹介します。
欧米スタイルにピッタリの寄木張り
フランス語でパルケと呼ばれる寄木張り(パーケットフローリング)は、模様を描くように木板を組み合わせて、幾何学的に張る方法です。明治大正の洋館でも採用された張り方であることからも分かるように、洋風な床を代表するようなクラシカルな床に仕上がります。
大工さんの技術力と手間が必要になりますが、模様を描くように組み合わせていくので、木目や色を上手くコーディネートすることで、オリジナルの床のデザインにすることが出来ます。正方形のパターンを組み合わせたり、バッテンのような組み合わせにしたり、動きがある張り方になります。欧米の中でも、ヨーロピアンなのか、英国風なのか、カントリーなのか、寄木張りの中でも張り合わせ方でテイストを変えることが出来ます。
ヘリンボーン張りをさらに欧米っぽくフレンチに!
寄木張りのひとつでもあるヘリンボーン張りは、魚のニシンの呼称である『へリン』と、骨を表す『ボーン』の名前の通り、骨の背骨をイメージさせるデザインです。両端を直角に切った同じ長さの板を、短辺と長辺を交互に付き合わせて山型に連続して張って仕上げます。ヴェルサイユ宮殿でも使われていて、ヨーロッパでは昔から使われているヘリンボーン張りは、欧米のレトロな感じや高級感を出すうえで効果的な張り方で、北欧・フレンチスタイルの家で採用する方が増えています。
ヘリンボーン張りの中にもいくつか種類があり、一般的な、両端を直角に切るヘンリボーンと違い45度にカットするフレンチヘンリボーンは、さらにシャープな仕上がりになります。直線的でスッキリとした張り方なので、モダンでカジュアルな雰囲気にもしてくれます。
2. デザイン性のある張りパターンを選ぶ時の注意点
欧米スタイルに合った張り方でフローリングをコーディネートする場合、リフォームやリノベーション時に、一般的な壁と平行に張る場合と違う点があります。どんな点に注意すべきか、ご説明したいと思います。
材料費・施工費が高くなる!
一般的な張り方は、部屋の壁に対して真っすぐなので、フローリング材のロスが出にくい張り方です。しかし、ヘンリボーンなどの斜めにカットして張るタイプは、ロスが多く材料費が高くなってしまいます。
特に、ヘリンボーン張り用に加工されてパッケージ化されていない無垢のフローリングを使う場合、カットした部分の使いまわしができず、端数が増えます。しかも、職人さんが加工しながら、1枚ずつ組み合わせて張っていくため、職人さんのセンスが問われるだけではなく、手間がかかり、施工費が高くなる可能性もあります。工事期間が長くなってしまうというデメリットもあります。
ごちゃごちゃしてオシャレじゃない!?
オシャレにはなる一方で、面積の大きな床面に個性が出てしまうため、コーディネート次第では、ごちゃごちゃした印象を与えてしまう可能性があります。また、狭い空間で寄木張りをすると、狭さを強調してしまう場合もあるので注意が必要です。
そのため、家具やラグなどのデザインや色に注意してコーディネートするようにしましょう。シンプルなデザインの家具を選んだり、面積の広い壁面では、大柄なデザインは避けたりする方が、床をオシャレに見せることが出来ます。
ヨーロピアンテイストなど、室内にモールなどの装飾を付けたい場合や、曲線がキレイでデザイン性の高い家具を置きたい場合は、フローリングがシンプルな方がコーディネートの自由度が高くなります。どのデザインを優先させたいか、よく考えたうえでコーディネートすることが大切です。
また、リノベーション時など家の大部分の床を変えるのであれば、全ての部屋でデザイン性の高いフローリングの張り方を採用するのではなく、書斎や廊下など家具が少なく床がよく見える空間や、アクセントを付けたい空間だけ張り方を変えることで、オシャレな空間にすることが出来ます。
3. まとめ
面積の広い床のフローリングを張り方にこだわって、デザイン性の高い張りパターンで仕上げることで、家や空間をオシャレに見せることが可能です。欧米スタイルに仕上げるのであれば、寄木張りにすることで、高級感がありレトロさやクラシカルさを楽しめるヨーロピアンテイストにすることが出来ます。フレンチスタイルであれば、ヘリンボーン張りもピッタリです。しかし、寄木張りなどのパターンを付ける場合は、材料にロスが出てしまうことから、同じ部屋の広さでも材料費が高くなったり、職人の手間や技術が必要なことから施工費が高くなったりします。また、壁や家具などのインテリアコーディネートもセットで考えなければオシャレになるどころか、ごちゃごちゃした印象を与えかねないので注意が必要です。
無垢のフローリングを使って、リフォームやリノベーションを検討する場合は、張りパターンにもこだわって、オシャレな空間を目指しましょう。