リフォームやリノベーションでデザインや使い勝手にこだわる家をつくるうえで、設備機器選びは重要です。住宅設備機器メーカーの商品を選ぶことも出来ますが、さらにこだわって、ライフスタイルにピッタリ合った設備機器にしたいのであれば、造作やオーダーメイドが、より理想を現実化してくれるかもしれません。特にキッチンは、家事のしやすさに大きな影響を与えるうえに、家族が集うダイニングやリビングと隣接することも多く目につく空間なので、こだわるべき部分と言えます。
キッチンにこだわってオーダーメイドで作ることには、どんなメリットがあるのでしょうか?こだわりをカタチにして、お気に入りのオーダーメイドキッチンを造るうえでのポイントとともにご紹介したいと思います。
1.オーダーメイドキッチンだから手に入る快適さ
様々なメーカーやグレードのシステムキッチンが発売され選択肢が広がっていますが、その中であえてオーダーメイドキッチンを選ぶことにはどんなメリットがあるのでしょうか?オーダーメイドキッチンだからこそ実現する良さをご紹介したいと思います。
■オーダーメイドなら自分好みのデザインと使い勝手になる!
リフォームやリノベーションでは、限られたスペースにキッチンを入れなければいけないことがあります。しかし、オーダーメイドキッチンであれば、規格サイズのキッチンに合わせて間取りを考えるのではなく、間取りや部屋の広さに合わせてキッチンのサイズやデザインをミリ単位で調整出来るという魅力があります。
また、今まで使っているキッチンで不便さを感じていた部分をピッタリ解決できるのもオーダーメイドキッチンならではの良さです。例えば、コンロの横にお気に入りのスパイスラックを置くためのスペースをラックサイズに合わせて造ったり、夫婦の身長に合わせて高さの異なる調理スペースを設けたり、シンクを小さくしたり、シンク下の収納スペースを引き出しとオープン棚を組み合わせて造ったり、自分の暮らしや動きにピッタリ合わせたキッチンが出来ます。
さらに、デザインにこだわる方にとっては、キッチンを設備機器のひとつとしてだけではなく、インテリアや家具のひとつとして捉え、部屋全体のコーディネートを楽しむことが可能です。
■オーダーメイドキッチンは意外と安い!?
オーダーメイドと言えば、特注感があり高くなるイメージを持つ方は少なくありません。しかし、オーダーメイドキッチンの場合はオーダーメイドだからこそ、価格も自由に設定して予算内のキッチンを造ったり、細かなコストダウンを行えたり出来ます。
システムキッチンの場合は、グレードによって価格帯が決まっているので、お気に入りのデザインや色の扉や、カウンターが選べなかったり、好みの食洗器や水栓金具、レンジフードを入れるためにはメーカーやグレードを変えなければいけなかったりするかもしれません。しかし、オーダーメイドであれば、部品をひとつひとつ自分の好みで選ぶことが出来るので、メーカーやグレード、価格に縛られることがありません。しかも、それを予算に合わせて調整することも可能です。
例えば、キッチン内部の棚の枚数や部材も選べるので、扉など見える部分の素材に色やデザインにこだわり、内部の棚の枚数を減らしたり、割安な部材を使ったりして予算内で造る微調整が行えます。
2.こだわりを完璧に表現するキッチンを作るポイント
好みのデザインで使いやすいキッチンを、かつ価格を抑えて手に入れるうえで、キッチンをオーダーメイドで造ることはベストな選択ですが、注意しなければ、こだわりが上手くカタチにならないことがあります。そこで、ここからは、お気に入りのキッチンを手に入れるためのポイントをご説明したいと思います。
■オーダーメイドキッチンにするなら打ち合わせに余裕をもとう!
オーダーメイドキッチンの施工例を見ることは出来るかもしれませんが、完全オリジナルなオーダーメイドキッチンであれば、全く同じものはないため、『我が家のキッチン』がどんな完成になるかはイメージしづらいものです。図面やパース、スケッチなどで細かな点を確認しながら、イメージをカタチにしていく打ち合わせが必須となります。そのため、オーダーメイドキッチンの打ち合わせには時間がかかります。
中には、せっかくこだわってオーダーメイドキッチンを選んだにも関わらず、途中で打ち合わせが面倒になったり、時間が無くなり曖昧なまま話を進めてしまったりして、理想とは違うキッチンが完成したり、使い勝手の悪いキッチンになったりしたという失敗例もあります。そのため、オーダーメイドキッチンの打ち合わせは余裕をもって行いましょう。
また、打ち合わせを確実に行うための時間が必要なことに加え、納品までの時間も余裕をもっておく必要があります。パーツが揃っていて組み立てるだけのシステムキッチンと違い、オーダーメイドキッチンの場合は、オリジナル性が高ければ高いほど、発注してから納品まで時間がかかります。納品のタイミングを考えてリフォームやリノベーションを行わなければ、内装工事が終わってもキッチンだけが納品されず、工事期間が無駄に延びてしまう場合もあります。キッチンの納品のタイミングを考えて、リフォームそのものも余裕をもって進める必要があるかもしれません。
■キッチン単体で考えない!
オーダーメイドキッチンのデザインや機能性を考えて打ち合わせを行う場合、キッチンにこだわりすぎてキッチン単体だけで考えてしまわないように注意しましょう。オーダーメイドキッチンの良さは、使い勝手や間取りに合わせて造ることが出来るという点です。ですから、間取りやキッチンまわりの家具のレイアウト、家事動線、インテリアテイストなどとセットでキッチンのサイズやデザイン、機能面を考えるようにしましょう。
デザイン性の点では、内装材に使う素材と同じ素材や色をキッチンに取り入れることでLDKが統一感のある空間になります。また、家具と同じデザインや素材を取り入れるならキッチンが家具のひとつのようにコーディネートしやすくなります。立体的に捉え、高さのバランスも確認しましょう。
家事動線の点では、コンロやシンクの位置と他の家具や冷蔵庫の位置、ドアの開閉の向きなどを考えましょう。扉や引き出しを開けた時に壁や家具に当たったり、邪魔になったりしないか、通路幅は確保出来ているかを確認したうえで、サイズや位置、扉や取っ手の種類を決めると、動線がスムーズになります。
3. まとめ
システムキッチンには様々な種類やデザインがありますが、オーダーメイドキッチンを選ぶなら、より自分の暮らしや好みに合ったキッチンになるかもしれません。また、見栄えが良くデザイン性の高いキッチンを、価格を抑えて作ることが出来るのは、オーダーメイドキッチンならではのメリットと言えます。しかし、オーダーメイドキッチンを造る場合は、細かな打ち合わせが必須になることや、納品に時間がかかる場合があるので、時間の余裕をもって取り組んでいきましょう。また、オーダーメイドのメリットを最大限に活かすために、キッチン単体ではなく、部屋の間取りや家具のレイアウト、インテリアもセットで考えることが大事です。
デザインの良さや便利さを追求しつつ、予算内でお気に入りのキッチンを手に入れるため、オーダーメイドキッチンを選択してみるのはいかがでしょうか?