框(かまち)で変わる!玄関框にこだわったオシャレな家にするには?

家の第一印象を決めると言っても過言ではない玄関は、そこに住む家族を出迎えるだけではなく、来客者も迎える場所なので、オシャレな空間にしたいとこだわる方は少なくありません。しかし、玄関まわりの間取りや広さは家ごとに違うため、オシャレな家を参考にしてリフォームやリノベーションで取り入れたくても限界があると感じるかもしれません。しかし、玄関の仕上げ材の仕様にこだわることでオシャレに仕上げることは、どんな家でも可能です。

そこで今回は、玄関の仕上げ材のひとつ、玄関框にこだわってオシャレな家にするポイントをご紹介したいと思います。
 

1. 玄関框ってそもそも必要なの?

玄関ドアを開けると目に飛び込む框ですが、框にはどんな役割があるのでしょうか?一般的な框の仕様と共にご紹介したいと思います。

■玄関框って何?

玄関框(かまち)は、上がり框とも呼ばれ、玄関土間と玄関ホールの境目、土足を脱いで上がる段差部分にある、横木の化粧材のことを指します。段差を設けて上足と下足を分ける日本ならではの家の造りとも言えます。框の横木は、室内側の床材の端部を隠すように取り付けられ、端部からの傷みや腐食を防ぐ役割があります。また、上り下りを頻繁にする場所で、玄関に腰掛けて来客者との会話を楽しむ場所でもあったため、框の横木があることで強度を保つだけではなく、美しく見せる役割もあります。

玄関框の高さは、木造戸建て住宅では100~200㎜ですが、マンションなどの集合住宅では、50~70㎜の高さが一般的です。戸建てでも、バリアフリーを意識して玄関框の高さをあえて低くしているお宅もありますし、土足のまま室内に入る欧米スタイルのお宅では、そもそも玄関框がない場合もあります。反対に古民家などの日本建築の家は300㎜程の高さがあり、式台(踏み台)が必要な場合もあります。玄関の面積に関わりなく、戸建か集合住宅か、土間と床にどれだけ段差があるかによって、框部分の高さも異なるため、框の見せ方次第で玄関の印象を大きく変えることが出来ます。

■一般的な玄関框の仕様とは?

玄関框の素材として一般的なのは、木材です。室内のフローリングと同じ素材や色の框が使われます。マンションなどの集合住宅では、玄関框の段差が低いうえに、床に木フローリングではなく、クッションフロアなどが張られているため、木板ではない框も増えています。

基本的には、この床材を選べば玄関框はコレ、というように担当者の中で決まっているため、新築であれ、リフォームやリノベーションであれ、框の素材やサイズ、色などを確認されることはありません。玄関框にこだわりたいのであれば、施主側から框の仕様を指定する必要があります。

最近は、施主の希望でデザイン性を考慮して、大理石などの石材やタイル、ステンレスなどを採用するお宅も増えています。

さらに、リフォームに特化した、『リフォーム框』というものもあります。床のフローリングを上張りする際に、既存の框を撤去せずに、L字の板状になったリフォーム框を上張りすることで、フローリングとの段差もなく仕上げることが可能です。

2. 玄関框でオシャレな玄関にする方法

大抵の家にある框だからこそ上手に活用してオシャレな玄関にしたいものです。框をどんな素材や仕様にすればオシャレな玄関になるか、コーディネート例をご紹介したいと思います。

■床や土間とのコーディネートで広く見せる

上記でも取り上げた通り、玄関框は基本的には床材に合わせた素材のものが選ばれますが、土間の素材に合わせるという方法もあります。玄関ホール側か、土間側か、どちらかの素材に合わせることによって、奥行き感が出るので、広く見せたい方に合わせることがおススメです。

例えば、玄関ホールが狭く圧迫感を感じるのであれば床材に合わせ、反対に土間部分が狭いのでれば土間材に合わせることが効果的です。どちらを広く見せたいか意識して、素材を考えてみましょう。統一感を出すために、存在感のある下駄箱の素材や色に合わせるというケースもあります。

また、土間と框を同素材で仕上げ、同系色の床材を選べば框部分で分断されないため、より奥行き感のある開放的な玄関に仕上げることが出来ます。さらに、段差を設けるもののあえて、框も含め土間から玄関ホールまでをタイルやモルタルなどの同素材で仕上げ、室内部分から見切り材を入れてフローリングにすることで、玄関を開放的に見せるという方法もあります。

■框で側面をオシャレに仕上げる!

玄関框は、床材や土間材と同素材を使うのが一般的ですが、框にアクセントをもたせるために、あえてどちらの素材にも合わせず、異素材のものやカラーの異なるものを框として使うことでスタイリッシュに仕上げることが可能です。

例えば、木フローリング仕上げの玄関ホールとタイル仕上げの土間に対して、框をメタリックなステンレスで仕上げたり、ナチュラル色やホワイトベースの空間に框部分のみ黒のタイルで仕上げたりするコーディネートが人気です。他にも、框部分にモザイクタイルを張ったり、床材と同じ木仕上げでも色を変えたりしてアクセントを付けることが出来ます。

框を異素材で仕上げることでアクセントになりますが、高さのある框や玄関が狭い場合は、框が悪目立ちしてオシャレになるどころか圧迫感が出てしまうので要注意です。仕上がりのイメージが出来ずに不安な場合はパースを作成してもらったり、実際に既存の玄関に採用したいフローリングやタイルの端材を置いてみたりして見え方を確認しておくと安心です。

3. まとめ

玄関土間と玄関ホールを分断する段差の横木となる玄関框は、床の仕上げ材の端部を隠し、補強して傷みを防いだり、玄関を美しく見せたりする役割があります。
一般的には、床材に合わせた素材で框を仕上げますが、玄関をオシャレに見せるためにこだわって、あえて框の仕様を指定することが可能です。
玄関框の素材には、木や大理石などの石材、タイル、ステンレスなどの金属を採用出来ます。
玄関ホールか土間の広く見せたい部分に合わせて框の素材や色を選んだり、スタイリッシュに見せるために、框を異素材で仕上げてアクセントにしたりすることが出来ます。

日本ならでは家の造りと言える玄関框を、オシャレな玄関に出来るアイテムとして活用しましょう!