家族を送り迎えする場所でもあり、家の顔とも言える玄関は、使いやすく、かつオシャレな空間にしたいものです。しかし、生活のメイン空間とも言えないため、玄関を広くすることで居住空間が狭くなってしまう、というのは避けたいと思うかもしれません。限られた広さの中で、リフォームやリノベーションをする時に、どの部屋をどれぐらいの広さにするかを考えることは重要です。
玄関は、どれぐらいの広さがベストなのでしょうか?玄関を使いやすく、オシャレにするための方法や広さについてご説明したいと思います。
1.理想的な玄関の広さは?
玄関は広ければ広いほど便利、オシャレになる、というわけではありません。どれぐらいの広さが理想的なのでしょうか?
1.5~2畳の広さが一般的な玄関は理想的なの?!
戸建では、玄関の平均的な広さは1.5~2畳ほどです。マンションでは1.5畳以下の広さの玄関も多いですが、狭さや圧迫感を感じ、広げる方が増えています。その点、2畳あれば、単純に考えて玄関に2人立っても一人1畳のスペースが使えるので、スペースとしては十分と言えます。ただし、家族が同時に出かけたり、来客が多く玄関先で話すことが多かったりすると、2畳以上なければ狭さを感じる機会が増えるかもしれません。
さらに、開放的に感じ、来客者がオシャレと感じる広さとして、3畳ほどの広い土間スペースをとる家も増えてきました。玄関を、ただ靴を脱ぎ履きする場所として考えるか、来客者を迎え入れる場所として考えるか、考え方や目的によって理想的な広さが違ってきます。
収納スペース次第で便利な広さは変わる!
上記では、玄関土間の広さだけで考えましたが、実際には玄関収納の方法やスペース次第で、便利な広さや見え方は異なってきます。
例えば、2畳の玄関土間でも、靴箱の有無によって実際に使える人さや開放感は違います。また、靴箱やシューズクロークがあっても、充分な収納スペースが確保されず、玄関土間に常に何足も靴が出しっ放しになっていると片付いていない玄関を印象付けてしまいます。反対に玄関土間が比較的狭くても、スッキリと何もなければ片付いた家に感じさせます。そのため、充分な収納スペースが確保出来ているか、玄関との導線が良いかによって、土間の便利な広さが変わります。
3畳の広い玄関土間があるよりも、1.5畳の土間に1.5畳のシューズクロークがある方が土間には靴箱を置かずにすみ、スッキリするうえに収納力もアップします。基本的に、玄関は玄関としての活用方法しかありませんが、シューズクロークの場合は、靴以外にも、広ければ、自転車やベビーカーを置いたり、洋服をかけたり、アウトドアグッズを置いたり、様々な物を収納できます。また、手洗い器を設置することもできるかもしれません。
必ずしも玄関土間を広くとらなくても、シューズクロークなどの活用性の高い空間を優先的に広くとることで、使い勝手の良い玄関にすることが出来ます。
2.玄関の広さを考える時のポイント
一般的な広さや、理想的な広さはある程度分かったかもしれませんが、実際に自分の家にピッタリな広さを考える際や、限られたスペースでオシャレな玄関にするには、どんな点に注目できるのでしょうか?玄関リフォームやリノベーションを考える際のポイントをご紹介したいと思います。
土間の広さ&カタチを考える!
どれぐらいの広さをとるか、という点も重要ですが、同じく重要なのは、玄関の土間のカタチです。
例えば、正方形の土間は、広ければ広いほど玄関ホールに上がるまでの距離が長くなってしまいます。しかし、玄関土間ではなくホールを広くとって、土間をL型にすると、框にも近く、入って2方向に分かれることが出来るので玄関内での渋滞を防ぐことが出来ます。シューズクロークが無くても、片面に自転車やベビーカーを置いた状態で、靴の脱ぎ履きをすることも出来て便利です。
また、幅は狭くても、廊下のように長く、玄関ホール以外の部屋に面して出入りできる土間空間が続いていれば、靴の収納場所を家族それぞれ分散できたり、出入りの邪魔にならなかったり、買い物した荷物を短い導線で運び入れたりできて便利だと感じる家もあります。
ただ広いかどうか、理想的な広さを確保できているかだけではなく、どんなカタチか、どれぐらいの幅が玄関ホールに面しているか、どの部屋に面しているか、なども一緒に考えておくことで導線の良い、使い勝手の良い家に出来ます。
狭くても開放感があるとオシャレ!?
玄関をそれほど広くとれないというお宅でも、開放感をもたせることで広く、オシャレに見せることが出来ます。反対に、どんなに広くても、明かりの入り方や、内装材によっては、狭くオシャレには見えない場合もあります。
玄関に開放感を持たせるひとつの方法としては、玄関部分の天井を吹き抜けにするなど、天井を高くすることが効果的です。また、大きな鏡を設置したり、玄関ホールや玄関の壁にニッチを設けたりすることで、壁の圧迫感を軽減することが出来ます。また、靴箱を置く場合でも、腰高までのものにするか、壁面収納のように、あえて天井までのハイドアの靴箱にして凹凸が無いスッキリした雰囲気にすることで、狭さを強調せずにすみます。
また、戸建であれば玄関に光が入るように窓を設けることや、採光できる玄関ドアにすることで、明るい玄関になります。マンションであれば、窓や玄関ドアは変えられないので、室内ドアをガラスの採光できるドアにして、室内の明かりや窓からの光が玄関に入るような工夫をすることで、自然に明るい玄関に出来るかもしれません。
3. まとめ
家の顔とも言える玄関は1.5~2畳が一般的ですが、玄関をどのように使うか、収納スペースが確保されているかによって、家ごとに使いやすい広さが異なってきます。また、広さだけではなく、カタチや採光を意識することで、限られたスペースでも、使いやすく、開放的にオシャレにすることが可能です。
玄関の広さを考える時には、広さだけに注目するのではなく、誰がどのように使うか、どんな物を収納したいかを考えて、自分の家にあったオーダーメイドな玄関にリフォームしましょう。