新築でも、リノベーションでも、造作洗面台を置いたり、セカンド洗面台を設けたり、洗面台のデザインや場所にこだわる方が増えています。各メーカーのデザインも様々で、どんなデザインが家に合うのか、使いやすい洗面台になるのかと、検討しておられる方は多いのではないでしょうか?
数ある洗面台のデザインの中でも、オシャレな洗面台の代表とも言えるデザインとして、ベッセルタイプがあります。今回は、人気のベッセルタイプの洗面台とはどのようなデザインで、どんなテイストに似合うのか、メリットとデメリットも含めて徹底解説いたします。
1.オシャレな洗面台と言えばベッセルタイプ!
好みの洗面台をリフォームの担当者に伝えたり、施工例を探したりするうえで、洗面台のタイプを知っておくことは役立ちます。オシャレで人気のベッセルタイプの洗面台とは、どのようなタイプなのでしょうか?特徴をご紹介したいと思います。
ベッセルタイプの洗面台とは?
ベッセルタイプ・ベッセル式と言われる洗面台は、洗面ボウルがカウンターに置かれている置き型の洗面台のことを指します。一体型のデザインではないので、造作する場合は特に、洗面ボウルやカウンターなど、それぞれの部位にこだわって別々に選ぶことができます。そのため、ベッセルタイプのボウルは丸型やラウンド型、スクエア型、とカタチは様々ですし、2人並んで使えるような横広のタイプなどもあります。
ベッセルタイプの洗面台はシンプルなテイストを好む方に人気です。色や装飾が少なく、洗面ボウルの直線や曲線などラインを魅せるような、シャープでモダンなテイストの家にピッタリです。また、陶器の洗面ボウルに、塗装仕上げの無垢材や、タイルで仕上げたカウンターを使うことで、自然素材でリフォームする家にも合います。さらに、カウンターの素材や色によって素朴で温かな雰囲気にすることも出来るので、ナチュラル色のカウンターを選びカフェ風や北欧テイストに馴染むベッセルタイプの洗面台も人気です。
ベッセルタイプの洗面台はどうやって探す?
ベッセルタイプの洗面台はシンプルながらも、オリジナリティに溢れたデザインになります。ベッセルタイプは造作洗面台が多いですが、いちからデザインを設計して大工さんや家具屋さんに作ってもらうというわけではなく、各部材を扱っているメーカーから、セミオーダーのように、部材を組み合わせて造作することが可能です。
例えば、アイカ工業株式会社の商品から、洗面ボウルやカウンター、水栓金具、棚板などを組み合わせて自分好みのサイズやデザインに仕上げることが可能です。カウンターはアイカ工業のもの、洗面ボウルは、TOTOのもの、というようにメーカーを変えて部材ごとに選ぶことも可能です。
さらに、設備メーカーではボウルと一体型になったシステム洗面台が主流ですが、TOTOやリクシルといった設備メーカーでも、ベッセル式洗面台として扱っています。造作洗面台と違い、メーカーの商品は、カタログやショールームで実物を確認できたり、カウンターや下部の扉の色やデザインを周りの建具や設備機器と合わせて、空間の統一感が出せたりするというメリットがあります。
2.ベッセルタイプの洗面台のメリット&デメリット
ベッセルタイプの洗面台のデザインを気に入ってはいても、毎日使う設備機器だと思うと、使い勝手や掃除のしやすさも気になるところです。ベッセルタイプの洗面台の、見た目以外のメリットとデメリットを知ったうえで、検討してみましょう。
ベッセルタイプの洗面台のメリット
- 水栓金具やミラーなどのアクセサリーが選べる
基本的には、システム洗面台のようにミラーや棚が一体型になってないので、必要なものを組み合わせて仕上げます。反対に言えば、自分の家には不必要だと思うものは省いて作ることが出来ます。例えば、オープン棚があることで、埃が溜まりやすかったりするのが気になる方は、棚を設けないようにすることで、掃除の手間を減らし、費用も抑えることが出来ます。また、水栓金具も非接触式にしたり、子どもでも使いやすいサイズにしたりすることで、水はねや汚れを防ぎやすくなります。
- 体型・ライフスタイルに合った洗面台になる
ベッセルタイプの洗面台を造作する場合は、カウンターの長さや奥行き、高さなどを自由に選んで設置することが出来ます。そのため、自分の体型に合わせて、使いやすい高さや手の届きやすい幅の洗面台にすることが可能です。
また、洗面所が家事室やランドリールームなども兼ねている場合は、洗面台だけのカウンターではなく、長いカウンターにして、机として作業が出来るようにすることもでき、間取りやライフスタイルに合わせた家具のような洗面台を作ることが出来ます。
ベッセルタイプの洗面台のデメリット
- 継ぎ目や隙間が汚れやすい
置き型なので、カウンターと洗面ボウルに継ぎ目や隙間があり、一体型と比べると汚れが溜まりやすくなります。ボウルが浅く、水はねしやすい場合は特に、継ぎ目に水が溜まり湿気やすくなってしまうかもしれません。また、継ぎ目部分は、サッとひと拭き出来ないというデメリットもあります。特に、卵型のようなデザインであれば、手が入りづらく、掃除がし辛くなってしまいます。
さらに、一体型であれば、手元のボウルから鏡の部分まで、洗面台のパネルがありますが、ベッセルタイプでは、手元の壁は、直接部屋の壁になるので、水はねした場合、汚れやすいというデメリットもあります。汚れや掃除が気になる方は、手元周りの壁だけ掃除がしやすいように、キッチンパネルやタイルを張るなどの対策をしましょう。
- カウンターとボウルの高さ合わせが難しい
水はねを出来るだけ防ぐためには、深型のボウルか、ある程度の高さがあるボウルがおススメです。しかし、一体型や埋め込みタイプの洗面台であれば、ボウルが深くてもカウンターの高さには影響しませんが、置き型のベッセルタイプは、ボウルの高さに合わせてカウンターを設置しようとすると、ボウルが深ければ深いほどカウンターの高さが低くなってしまいます。洗面所で化粧や身支度を整えるために、カウンターを使ったり、物を置いたりしたいと思っている方にとっては、カウンターが低くて使い辛くなってしまうかもしれません。見た目のバランスも悪くなってしまうので、深型のボウルは設置できないとあきらめる方も少なくありません。
3. まとめ
カウンターと洗面ボウルを別々に選ぶことができ、置き型になっているベッセルタイプの洗面台は、シンプルでオシャレな洗面台として人気です。セミオーダーのように部材を組み合わせて造作することが出来るため、オリジナリティ溢れるデザインに出来るだけではなく、必要なアクセサリーや機能だけで作り、費用を抑えることが出来たり、使う人の体型やライフスタイル、間取りに合わせたりすることが出来ます。しかし、継ぎ目があることや、壁に面していることから水はねや掃除の手間が生じたり、深型のボウルが使えなかったりするデメリットもあります。
デザイン性と機能性、両方のメリットとデメリットを確認したうえで、オシャレなベッセルタイプの洗面台を選びましょう。