
大切な家で長く快適に暮らすためには、災害に強い丈夫な家や、ライフスタイルに合わせた構造や間取りにするだけではなく、被害を与える害虫『シロアリ』から家を守ることも重要です。「小さな虫だし大丈夫だろう」、「我が家には関係がない話だろう」、と思うかもしれませんが、実はどんな家にもシロアリ被害にあう可能性があります。
大切な家を守るために、どのようにシロアリの被害を防ぐことが出来るのか、シロアリの特性や家に与える影響と共に、ご紹介したいと思います。
1. 家を守るにはシロアリ駆除が必須!
そもそもシロアリに注意すべきなのはなぜなのでしょうか?シロアリの特性や家に与える影響、また家の中にシロアリがいるかどうかのチェックポイントをご紹介したいと思います。
■シロアリなのにアリじゃない!?
シロアリという名前ですが、実はアリの仲間ではなく、昆虫学上はハチの仲間です。日本には24種類のシロアリが生息していると言われていますが、その中でも家屋害虫と言われるのは、主にヤマトシロアリとイエシロアリです。
シロアリは、暗く湿度の高い環境を好みます。また、木材を食料とするため、適度な湿度と食料がある、木造住宅の床下や屋根裏、浴室、畳の裏などに好んで住み着きます。家の中の木材を食べつくすため、基礎や柱がボロボロになってしまい、気付いたころには、床が沈むようになったり天井が落ちてきたり、柱が倒れてくるなど大きな被害になることもあります。家の耐震性、耐久性も低下させます。シロアリの被害が大きければ大きいほど、大掛かりなリフォームが必要となりますし、地震などの災害時には倒壊するリスクも高くなります。そのため、家を守るにはシロアリを家の中から絶滅させる駆除が必須です。
シロアリは、4月中旬から7月にかけて繁殖活動を行うために飛び立ちます。ヤマトシロアリは4~5月の昼間、イエシロアリは6~7月の夕方から夜に活発化して群飛するため、春から夏にかけて移動して、家に侵入し、巣を作る可能性が高くなります。一方で、シロアリは暑さと寒さが苦手な昆虫なので、真夏や真冬は動きが鈍くなります。しかし、基本的には一年中活動し、一年中卵も産むため、冬だから安心というわけではなく、いつでもシロアリの存在に気付いたらすぐに駆除が必要です。
また、家のシロアリがいた部分だけ駆除しても、防除していない部分に移動して被害を広める可能性が高くなるだけなので、シロアリが見つかった場合は一部ではなく家全体の防除が必要となります。
■シロアリがいるかも?のチェックポイントは?
シロアリの棲みかは土や木の中なので、家の中で発見しづらいため、気付いた時には家がシロアリの被害にあっているということは少なくありません。少しでも被害を抑えるためには、早期発見が大切です。出来るだけ早くシロアリの発生に気付くために下記のポイントをチェックしましょう。
●家の中に羽アリがいた・・・1匹ぐらい大丈夫とは思わずに、すぐに駆除を依頼しましょう。自然にいなくなることはないので、確実な駆除が必須です。
●水回りの床がブカブカ・ギシギシする・・・床下に住み着いて、床を支える束柱などをシロアリが食べていると、床板を支えられなくなり、床がブカブカ沈んだり、ギシギシと軋んだりします。床に症状がみられる場合は、シロアリが原因ではないか点検してもらいましょう。
●近所でシロアリ駆除をしている・・・群れで飛んで移動するシロアリは、駆除によって住処を失って近所の家に移動する可能性が高くなります。街全体で大量発生していることもあるので、自分の家にも侵入していないか点検してもらいましょう。
●外周りに蟻道がある・・・日光や乾燥を嫌うシロアリは、移動のために蟻道と呼ばれる土で作ったトンネル状の道を作ります。家の外回りを確認した際に、基礎部分に蟻道が出来ているのであれば、床下に侵入している可能性があるので、すぐに調査してもらいましょう。
2. 木造住宅はシロアリ対策を定期的に!
シロアリがいる場合はすぐに駆除することが大切ですが、それ以前にシロアリに侵入されないように対策をすることも大事です。どのように大切な家をシロアリから守ることが出来るのか、対策方法をお教えしたいと思います。
■湿気対策でシロアリ対策
シロアリが特に好む場所は、湿気の高い場所なので、家の中でも湿度の高くなりやすい水回りの床下や屋根裏をシロアリの好む環境にしないことが大切です。
水道管の劣化などで水漏れが発生していたり、屋根や外壁の定期的な塗装を怠って雨漏りが発生していたりすると、シロアリの発生リスクも高くなってしまいます。水漏れや雨漏りで木材が腐食しているうえに、シロアリによる被害を受けると、急速に被害が拡大してしまいます。シロアリを寄せ付けないためにも、風通しが良い家にすることや、設備機器の定期的なメンテナンス、水漏れや雨漏りがないか床下や屋根裏のチェックをして、日ごろから家を守るための対策を行いましょう。
また、外の木材から家の中に侵入させないようにするために、庭や車庫などに切り株や残材などの木材を置きっぱなしにしないようにしましょう。
■防蟻対策は5年に1度
木や土の中に住み着くシロアリから家を守るためには、木部や土壌にシロアリ防除を行うことが効果的です。
家の木材表面に薬剤を吹き付けたり、ドリルで穴をあけて薬剤を注入して浸透させたり、シロアリの侵入ルートとなる土壌に薬剤を散布してバリア層を作ったりして、侵入できないようにして防蟻対策を行います。家の隅々まで防除するためにも、自分で行おうとはせず、プロに点検・施工をしてもらいましょう。
また、一般的に薬剤の効果の持続は5年間とされています。シロアリの被害を防ぐために、5年に1度はシロアリ防除を行いましょう。また、毎年、外回りを自分で確認したり、5年以内でも、シロアリを1匹でも家の中で見つけた際には、すぐに駆除を行ったりすることが重要です。
3. まとめ
大切な家に長く住むためには、家屋害虫であるシロアリから家を守ることが大切です。シロアリは、木材を食料とし、湿度が高い環境を好むので、家の床下や屋根裏、畳の下、浴室などに住み着きます。木材を食いつくしていくため、被害が大きくなると、家の耐震性や耐久性を低下させ、倒壊させる可能性もあるので注意が必要です。羽アリを見つけたり、床が沈んだり軋んだりする場合や、近所で駆除をしている場合、蟻道を見つけた際には、プロによるシロアリ点検と駆除を行いましょう。また、シロアリを侵入させないために、水漏れや雨漏りがないか定期的に点検してメンテナンスすること、5年に1度は薬剤による防蟻対策を行うことも重要です。
春から夏にかけて活発化するシロアリから家を守るために、対策と駆除をしっかりと行い、長く住める家にしましょう。