リフォームしたのに快適にならなかった、リノベーションしたのに、むしろ使いにくくなった、という話を聞いたことがあるかもしれません。それは、リフォームとリノベーションどちらかの選択が間違っていたり、タイミングが適切ではなかったりしたことが原因かもしれません。
リフォームとリノベーションの違いや言葉の意味は理解しているものの、実際に何をどのタイミングで行うべきなのか、自分の家の場合はどちらを選択する方が、問題を解決して住みよい家になるのか、という点はよく分からないまま、という方は少なくありません。そこで今回は、リフォームとリノベーションを自分の家に合う方法で、かつ適切なタイミングに行うためのポイントをご紹介したいと思います。
1.リフォームの適切なタイミング&リフォームでは解決しない問題
はじめに、リフォームについて考えてみましょう。どんなタイミングにリフォームをすべきなのか、そしてリフォームでは解決できない問題、リフォームでは満足しにくい点に関してご説明したいと思います。
古さ・故障・見た目が問題ならリフォームを!
リフォームには、修繕や古くなったものを新しくする目的があります。例えば、故障したり劣化が目立ってきたりした、キッチンや洗面化粧台であれば新しいものに交換するリフォームで、使えるようになり充分見た目もキレイになります。また、日焼けが目立ってきたり、劣化やカビで剥がれてきたり、色や柄が好みではないクロスも張り替えリフォームで、大きく見た目が変わりキレイな空間になります。
このように、同じ位置や同じサイズに交換する場合であっても、古さや故障、見た目の好みが問題であれば、新しい物やキレイな物にリフォームすることで満足が得られます。
さらに設備機器であれば、同じサイズで、デザインや色のバリエーションは豊富ですし、機能やオプションによって、収納量が増えたり、使い勝手が良くなったりするので、交換リフォームであっても、大きな変化を感じられることは少なくありません。特に生活には問題なく、困ってはいないものの、設備機器が故障したタイミングなど、リフォームが必要になった時には、デザインや機能の見直しを行うことで、リフォームの満足度がアップします。
キレイ・新しいでも問題は解決されない!?
リフォームによって、どんなに新しく、キレイな設備機器や、内装になっても使い勝手などの問題は解決されないために、リフォームしてもそれほど満足しなかった、という後悔を経験される方もいらっしゃいます。
例えば、キッチンの収納が少なく調理器具が溢れてしまったり、調理スペースが狭く調理がし辛かったりする場合などは、最新のシステムキッチンで少しは改善されるかもしれませんが、大きな変化ではないために、すぐに使い辛さを感じてしまうかもしれません。また、クロスを新しくしても、風通しが悪くカビが発生しやすい場所では、そもそもの原因を取り除かない限り、新しくしたクロスが数年後にはカビが発生し、剥がれてしまうかもしれません。
物は絶対に劣化しますし、耐用年数もあるので、定期的なリフォームは必要になります。しかし、設備機器が耐用年数を超えたことによる故障や、問題の原因が劣化や古さではなく、その他のことにある場合は、リフォームをしても一時的な満足感だけで、すぐにリフォームをする必要が生じます。その分、費用も時間もかかるため、満足感が無いだけでなく、後悔に繋がってしまうかもしれません。
2.リノベの適切なタイミング&リノベで解決しない問題
続いて、リノベーションに適したタイミングを見てみましょう。また、リノベーションよりもリフォームの方が良いこと、リノベーションの規模や内容によっては解決できない問題についてもご説明したいと思います。
ライフスタイルに合わない時はリノベーションを!
ライフスタイルの変化は、家の使い勝手や暮らしやすさに大きく影響を与えます。家族が増えた場合は部屋数や共有スペースが足りないと感じるかもしれません。また、暮らす人の人数が変わらなくても、子どもが学生になったり、仕事がリモートワークになったりした時に、勉強や仕事をするスペースが必要になるかもしれません。
さらに、今までは気にならなかった、キッチンや洗面台のサイズも、狭くて家事が捗らない、子育てし辛いと感じだすこともあります。反対に夫婦2人だけの暮らしになって大きなキッチンが必要なく、むしろ導線を長くしている原因だと感じることもあるかもしれません。
そのような時は、新しくキレイな内装や最新の設備にリフォームしても意味がありません。間取りを変えたり、今の設備機器と違うサイズに変えて部屋を整えたりするリノベーションが必要となります。家に住む人数が変わるタイミング、ライフスタイルが変わるタイミングで、リフォームが必要になる場合は、リノベーションの方が使い勝手が良くならないか、リノベーションも視野に入れて考えてみましょう。
リノベさえすれば良いというわけではない!?
リフォームでは解決しない問題でも、リノベーションさえすれば良くなるというわけではありません。中には、リノベーションしたことで使い辛くなった、導線が悪くなったと後悔する方もいらっしゃいます。それは、問題点が明確ではなかったことや、部分的なリノベーションによって導線が変わってしまったことに原因があるかもしれません。
例えば、実際にはリフォームでも充分満足できる場合でも、リノベーションの方が雰囲気は変わって良い、せっかくだから新築のようにした方が良い、スケルトンリフォームをすべきだ、と勧めてくるリノベーション会社もあります。確かに、見違えるように、新築のように家は変わるかもしれませんが、今まで気に入っていた部分や、慣れ親しんで使いやすかった部分まで変えてしまって後悔する方は少なくありません。今あるものを活かすことや、今の家の良さを大切にして長く住めるようにすることは、リフォームやリノベーションのメリットのひとつです。リフォームやリノベーションを考える際には、問題点ばかりに目がいきがちですが、今の家の気に入っている点や、大切にしたい点も見直して、不必要にリノベーションしないように注意しておくことも大事です。
また、問題となっている部屋だけリノベーションして一見使い勝手がよくなったかに思えたものの、他の部屋や家具のレイアウトを変えていないことから、むしろ導線が悪くなったり、風通しが悪くなったりして、結局他の部屋もリノベーションしなければいけなくなるということもあります。リノベーションの際には、問題を感じている部分だけでなく、家全体の導線やレイアウト、見た目も意識しておきましょう。
3. まとめ
適切な時期や内容でリフォームやリノベーションを行わなければ満足を得られないどころか、後悔の原因になってしまいます。故障や劣化が問題であれば、リフォームを考えましょう。設備機器リフォームの際には、機能面やオプションなども視野に入れることで満足度がアップします。また、ライフスタイルの変化によって生じる問題であれば、リノベーションの方が問題は解決するかもしれません。
一時的なリフォームや不必要なリノベーションにならないように、問題の根本を確認することや、家全体の良い部分やレイアウトを意識することで、ベストなタイミングで満足度の高いリフォームやリノベーションが行えるはずです。