
人生の3分の1は睡眠に費やすと言われています。しかも、睡眠は年齢や性別問わず必要なものです。ということは、多くの人にとって家にいる時間の大半は睡眠に充てているということでもあります。そのため、家を快適な環境にするためには、大半の時間を過ごすベッドルームを快適な睡眠を手に入れるための空間にすることが重要というわけです。ただ寝るだけの空間を確保するだけではなく、快適さを意識した部屋づくりをすることで、睡眠の質を向上させることにも繋がります。
どうすれば、安眠できるベッドルームを作ることが出来るのでしょうか?意識したいポイントや、手軽に試すことが出来る工夫をご紹介したいと思います。
1. 安眠には温度・湿度・照明が重要!
快適な眠りに欠かせないのは、適切な温度・湿度と、眠りを妨げない照明と言われています。どのように、快適な睡眠を手に入れるためのベッドルームを作ると良いのか、温度・湿度・照明に関する部屋づくりのポイントをご紹介したいと思います。
■快適な温度と湿度を作り出す!
家の全ての部屋で言えることですが、快適に過ごすためには、適切な温度と湿度にしておく必要があります。快適な睡眠環境にするためには、夏は26℃以下に、冬は16℃以上に保ち、湿度は、どの季節も50~60%にすることが理想です。
そのため、ベッドルームにはエアコンなどの冷暖房機器や加湿器・除湿器を設置して温度と湿度の調整が行える環境にしておきましょう。近年の夏は猛暑続きなので、寝ている間に夜間熱中症になるということもあります。部屋全体の涼しさを保つことに加え、多湿になりすぎないようにすることが大切です。ただし、エアコンの風が直接体に当たり続けた状態で寝ていると乾燥で肌や喉を痛めるなど体に良くないので、直接当たらないところにエアコンを設置しましょう。ベッドの位置やエアコンの位置が限定される場合は、スイング機能を使ったり、壁や天井に風を当てて循環させるようにしたりすることで、涼しい状態を保ちながら快適な眠りを手に入れることが出来ます。
さらに、就寝前に過ごす部屋の室温が低いと寝つきが悪くなるので、冬は特にベッドルームを出来るだけ温かい状態が保てるようにすることが大事です。(※1 P24)トイレを含め、他の部屋とベッドルームへの移動時に体が冷え切ってしまったり、ヒートショックを起こしたりする危険がないように、家そのものの断熱性能を高めて、部屋ごとに温度差が大きくならないようにしておくことも快適な睡眠や健康に貢献します。
季節に合わせて冷暖房機器を使ったり、除湿器や加湿器を使ったりして、温度と湿度を調整するのであれば、家そのものの断熱性と気密性を上げることがベッドルームを含め、快適な部屋を作るうえで重要なポイントです。高断熱な家にするなら、冷暖房機器の効きがよくなり光熱費を抑えられますし、高気密であれば、安定した湿度を保つことが可能なので、除湿器や加湿器を必要以上に使う必要もなくなるかもしれません。
※1 厚生労働省による 『健康づくりのための睡眠ガイド2023』
■快適な眠りを誘う照明
明るい光は目を覚ます作用があるため、就寝前のベッドルームの照明が明るすぎると寝つきが悪くなったり、明るいまま寝てしまうと睡眠の質が低下したりすると言われています。
ベッドルームの照明は明るすぎない間接照明にしたり、調光出来るタイプにしたりして、就寝前から明るさを軽減し、就寝の際にも出来るだけ暗い状態を保てるようにしましょう。そのため、ベッドルームを作る際には、照明計画をしっかり行うことが大切です。間接照明でも、壁や天井に凹凸を作って照明器具を設置するのであれば、ベッドなどの家具のレイアウトをある程度決めたうえで、照明の位置や高さを考える必要があります。
スタンドライトやテーブルライトなど照明機器を置く予定であれば、コンセントを設置することを忘れないようにしましょう。照明とコンセントの計画をしっかり行っていなければ、照明機器のコードが短いために延長コードが必要になったり、電子機器の充電用でコンセントが埋まってしまったりして延長コードだらけのベッドルームになったという失敗例は少なくありません。延長コードがあると寝起きに引っかかって転倒してしまうという危険もあるので、照明やコンセントは、何を設置するかだけではなく、ベッドとの距離も含め、どこに設置するかも忘れずに決めましょう。
また、深夜にトイレへの移動などの際に、暗いままになると転倒の危険があるので、人感センサー付きの間接照明や手元灯・足元灯などを設置して安全を確保することも、照明計画に入れることを意識しておきましょう。
2. ちょっとした工夫で快適な睡眠を手に入れる!
今のベッドルームもちょっとした工夫で、快適な睡眠を手に入れることが出来るかもしれません。大がかりな工事をせずとも出来る、安眠ベッドルームの作り方をご紹介したいと思います。
■質の高い睡眠を促すレイアウト
ベッドを中心とした家具のレイアウトによっても、今よりも快適なベッドルームにすることが出来るかもしれません。
例えば、廊下や水回りなど音が気になる面に接している壁がある場合は、その面がベッドの頭側にならないようにベッドの向きを考えてレイアウトするだけで、音問題を軽減できるかもしれません。さらに、音が伝わりやすい面にタンスやキャビネットなどの家具を置くだけで防音効果を期待できます。
また、ベッドが窓に近いと冬は特に明け方の冷え込みの影響を受けて寒さを感じたり、喉を傷めたりするケースもあります。少しでもベッドを窓から離してレイアウトするだけで外気の影響を受けにくくなります。
ベッドの向きが限定される場合は、ボード部分の高いタイプを選んで音や冷気を防ぐなど、ベッドそのもののデザインで対処することも出来ます。
■自然光を味方につけて質の高い睡眠へ!
ベッドルームを出来るだけ暗く保つためには、室内だけではなく、外の光も確認しておくことが大切です。
例えば、部屋や窓の位置によっては、街灯や近隣の家の明かりが入りやすい場合もあります。遮光カーテンでしっかりと明かりをシャットダウン出来る環境を意識しましょう。
さらに、明るさという点では照明だけではなく、自然光の取り入れ方も大事です。起床後、太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、睡眠・覚醒のリズムが整います。(※1 P23)
そのためベッドルームは、朝日が入りやすい東側に窓を設けておくことで、起床後すぐに太陽光を浴びやすい環境を作ることが出来ます。夜、外からの光の影響がなく、暗さを保てるお宅の中には、あえてレースのカーテンだけにして、朝日とともに目覚めるようにしている方もいらっしゃいます。また、カーテンにタイマー機能の付いた自動開閉システムを設置することによっても、太陽光をなるべく早く浴び、意識せずとも体内リズムを整えやすい環境になります。
3. まとめ
私たちの生活や健康に睡眠は欠かせないので、快適に暮らすためにも、健康を維持するためにも、ベッドルームの環境を良い状態にすることは重要です。快適な睡眠を手に入れるためには、ベッドルームを季節に合った適切な温度と湿度になるように、冷暖房機器の設置が必要です。また、睡眠時に出来るだけ暗くするために、照明の種類や位置を意識した照明計画を行いましょう。さらに、家具のレイアウト次第で音や寒さ対策を行ったり、太陽光を上手く活用することによって睡眠リズムを整えたりすることも出来ます。
安眠出来るベッドルームを目指した部屋づくりをして、快適な睡眠を手に入れましょう!





