
リフォームやリノベーションを依頼する方は誰しも成功させたい、理想の暮らしを手に入れたいと望んでいるにも関わらず、満足度が低かったり、失敗だったと後悔が残ったりするケースもあります。それは依頼する会社が同じであっても、違いが出ることがあります。なぜなら、リフォームやリノベーションは施主の暮らしに合わせるオーダーメイドであり、機械的に行うものではなく、施主やリフォーム会社のスタッフ、工事をする職人さんなど様々な『人』が関係するものでもあるので、満足度にも影響があります。どんなに評判が良く、技術が高いとされるリフォーム会社であっても、施主によって満足度は違いがあるのは、施工業者はもちろん、施主側の家づくりに対する取り組み方も影響するからです。
今回は数多くのお客様を満足度の高いリフォームやリノベーションに導いてきたプロが、完成時やその後の暮らしで満足度が高い施主の共通点を、マインドと行動面の2つの分野にスポットをあててご紹介したいと思います。
1. 満足度が高い施主の共通点 ~マインド編~
完成度や満足度が高い施主と、そうではない施主は、リフォームやリノベーションに対する取り組み方の気持ちや精神といったマインドに違いが見られます。どんなマインドを持っていると成功に繋がっているのか、リフォーム会社が知っている共通点をご紹介したいと思います。
■理想と優先順位が常に明確になっている
今回のリフォームやリノベーションでどんな暮らしを手に入れたいのか、最終目標が明確になっている施主は、数多くある情報や選択肢を前にしてもぶれることがなく、成功に繋がりやすい傾向にあります。理想とする暮らしの中でも、特に何を重視したいか優先順位がはっきりしている、スムーズに打ち合わせが進み、完成までの過程も楽しむことが出来ているように見られます。SNSの情報や流行りに影響されすぎて、毎回意見が変わったり、何をしたいのか分からなくなったりすることがありません。
さらにベストなのは、個人だけではなく家族全員が同じ理想と優先順位を共有しているケースです。リフォーム会社に依頼をする時点で、家族としての方向性が決まっていて、内容を共有できている施主の多くは、プランや設備機器の選択肢を迫られても、悩むことはあっても比較的家族で揉めることはなく決定していくことが出来ます。
■リフォーム会社との信頼関係がある
満足度の高い施主の多くは、依頼したリフォーム会社や担当者への信頼が高く、何でも気軽に相談したり、自分の理想の暮らしを手に入れるための方法を限定せずに、プロの意見も大切にしていたりして、互いに信頼関係が築けているという共通点があります。リフォーム会社の担当者と信頼関係を築き、家づくりのパートナーとみなしている施主は、良い家を作り上げるチームとして強力です。
リフォーム会社の担当者も仕事とはいえ、感情をもった人です。希望や意見を言ってくれなかったり、提案に対して懐疑心をもたれていることが分かる施主だったり、お金を出すのだから自分の言う通りにしてくれれば良いという方よりも、信頼を抱いてくれていることが分かり、プロとしての知識や技術をリスペクトして尊重してくれる施主には、出来るだけ力になりたい、住みよい家にしたいと十二分の力を発揮するものです。
担当者との相性も少なからず影響があるので、信頼関係を築くことが難しそうと思える担当者やリフォーム会社よりも、信頼できて何でも話せる、チームとして迎え入れたいと思える会社を探すことが重要です。
2. 満足度の高い施主の共通点 ~行動編~
完成度や満足度が高いお客様は、マインドだけではなく、行動の面でも共通点が見られます。リフォーム会社のスタッフが感じる、リフォームやリノベーションで成功に導く、行動の分野での重要ポイントをご紹介したいと思います。
■メモ魔&確認魔
リフォーム会社に依頼する時点で、理想の暮らしや今の家の問題点など、手元に箇条書きされたメモやスケッチを用意している方の多くは、リフォームやリノベーションによる最終目標がはっきりしていて、成功に導きやすいという共通点があります。また、打ち合わせを進めていく中でも、家族で話し合うべき点や気になる点などを頻繫にメモする、一般的に『メモ魔』と言われる方も、メモを元に振り返ったり、目標を常に意識出来たりして、毎回の打ち合わせがスムーズに進みやすい傾向にあります。
また、頻繫に気になっていることや疑問点を確認して、不安なままで進めない方は、完成の満足度が高くなります。反対に思っていることや、気になっていることを確認せずに進めた方の中には、完成してから『気になってはいたけど、やっぱり嫌だった』とか、『思っていたのと違った』と言われる方もいらっしゃいます。しかし、これは気になる点や不明な点を遠慮することなく、いつも確認していれば防ぐことが出来る失敗です。リフォーム会社の担当者も細かく質問をして、問題はないか、不安要素や疑問はないか確認していく必要がありますが、施主側も意識して確認を行うという協力が必要です。
リノベーション後にその家に暮らすのは、担当者ではなく施主です。遠慮は必要ありません。少しでも気になることは放置することなく、迷惑かなと思えても、納得がいくまで確認しながら打ち合わせをするようにしましょう。
■資産や持ち物を把握している
自分の暮らしに合った現実的なリフォームやリノベーションを行えると満足度の高い暮らしを手に入れることが出来ます。そのため、自分の資産や持ち物をしっかり把握したうえで、打ち合わせを進めていく施主は成功に繋がりやすいという共通点があります。
現在、片付けにくい家に住んでいる、片付けが苦手という方であっても、まずは家の中に何があるか、誰の物なのか、今後も必要な物は何か、何を大事にしているかを把握するために、持ち物を把握しましょう。また、誰の名義の家や土地なのか、決定権を持っているのは誰で、リノベーションに充てることが出来る資金はどれぐらいあるのかなど資産に関しても明確になっていれば、話が進んでいく中で起こり得る、契約トラブルや資金トラブルを防ぎ、打ち合わせが中断されたり、白紙になったりするという問題を防ぐことが出来ます。
さらに、持ち物の点でも、漠然とした量よりも、何を持っているかが明確に分かっている施主は、それに合った収納スペースや部屋のサイズが必然的に分かるため、完成後に収納が足りなかったり、反対にデッドスペースが出来たりすることを防げ、暮らしに合った現実的な家づくりが行えます。
3. まとめ
同じリフォーム会社に依頼しても、施主によって満足度に違いが出るケースは少なくありません。それは、家づくりには感情をもつ『人』が関係しており、リフォームやリノベーションは施主の暮らしに合わせたオーダーメイドで行われるものだからです。完成度や満足度の高い施主の多くは、理想の暮らしと優先順位が常に明確になっていて、家族内でもそれが共有されていること、リフォーム会社や担当者を家づくりのパートナー、チームとみなして信頼関係が築けているというマインド面での共通点があります。また、メモを準備したり頻繁にメモをとったり、疑問点や不安点に関する確認を怠らないこと、自分の資産や持ち物をしっかりと把握しているという行動面でも共通点が見られます。
リフォーム会社と施主が共に協力して理想の暮らしを求めた家づくりを行えれば、満足度や完成度が高いリフォームが行えます。