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ひと昔前までは、エアコンは電気屋で購入して設置してもらうのが一般的でしたが、最近は新築や中古物件に初めからエアコンが設置されていたり、リノベーションやリフォームなどの家づくりの際にエアコンもプランに組み込んだりと、個人的に設置する家電ではなく家の設備のひとつとなってきました。しかし、便利で家の設備として当たり前になったエアコンが家によっては、効きが悪いように感じたり、家の中をダサくしてしまっていたり、することもあります。そのため、リノベーションやリフォームの際には、良い計画のもとにエアコンを設置する必要があります。
梅雨や夏のエアコンを本格始動させる前のこの時期に前もって準備するために、部屋をダサくすることなく、エアコンを効率的に使うためのリノベーションのポイントをご紹介したいと思います。

1.  エアコンを効率的に使うためのポイントとは?

エアコンを効率的に使うことは家づくりとどのように関係しているのでしょうか?エアコンを効率的に使うために、リノベーションやリフォームでどんな点を意識しておくと良いのかご説明したいと思います。

間取りや断熱性もセットで考える

家の断熱性能が低かったり、エアコンの容量以上の部屋の広さであったりすれば、どんなに性能が良く最新のエアコンでも効果を充分に発揮することは出来ません。ですから、まずは家の断熱性能をリフォームやリノベーションによって整えることを意識しましょう。

壁や床、天井に断熱材を入れたり、サッシを断熱性の高いものに変えたりして家の断熱性能を上げましょう。また、間取りを考える際には、各部屋にエアコンを設置するのか、もしくは1台のエアコンで数部屋の空調を整えたいと思っているのか、事前に考えておきましょう。そうすることで、効率良くエアコンが使える位置にエアコンを設置出来るようにエアコンのスペースを確保したり、風が流れる位置で部屋を繋げたりドアや室内窓を設けたりするレイアウトを考えることが出来ます。

部屋の短辺壁面の障害物が無い場所にエアコンを設置する

エアコンの風は基本的に横ではなく前に流れるため、長方形の部屋であれば、部屋の短辺方向の壁面にエアコンを設置することで、部屋の長辺方向の面積が広い空間に風を送ることが出来て、部屋全体に効率よく風を流すことが出来ます。

また、風が溜まることなくスムーズに流れるためには流れる方向に障害物が無いようにする必要があります。冷房時には天井に向かって水平に、暖房時には床に向かって垂直に風を送ることで効率的に風が流れることを考えると、エアコン設置付近の天井に梁や下がり壁、吊戸棚が無い位置に設置することや、床面には高さのある家具を置かないようにすることを意識してレイアウトを考えましょう。

2.  エアコンのせいで部屋がダサくならないようにするには?

効率の良さを重視した結果、エアコンが目立って部屋がダサくなったという失敗例があります。どうすればエアコンがあっても、オシャレな家を保つことが出来るのか、その方法をいくつかご紹介したいと思います。

エアコンが悪目立ちしないようにする!

効率良くエアコンを使うためにも、しっかりと平面図上で設置位置を確認するかもしれませんが、意外と見落としがちなのが、立面での見え方や色の確認です。

白い壁であれば一般的な白のエアコンは比較的目立ちませんが、エアコン設置壁面をアクセントウォールにして、カラークロスや柄入りのクロスにしたり、タイル壁にしたりすると、エアコンの白さが浮き出て悪目立ちしてしまいます。モダンな雰囲気にしたくてアクセントウォールを設けたにも関わらず、エアコンがあることでゴチャゴチャした印象やバランスが悪くなると、アクセントウォールの意味がなく、ダサくなってしまいます。エアコンを設置する面をアクセントウォールにしないようにするか、色付きのエアコンを選び、エアコンもコーディネートすることで悪目立ちしないようにしましょう。

また、エアコン本体は気にならないものの、コンセントまでの位置が遠くてケーブルが壁にあるのが目立ったり、反対にコンセントと近すぎて余ったケーブルが垂れてみっともない感じになったりする場合もあります。コンセントやケーブルが目立たないように、エアコンの近くや上部にコンセントを設けるなど、エアコン専用のコンセントの位置を確認することも忘れないようにしましょう。

さらに、そもそもエアコンが部屋のテイストに合わないと感じる場合もあるかもしれません。自然素材で仕上げた家や、アンティークテイストの家には最新機器のエアコンは空間に馴染みません。その場合は、エアコンを壁面に埋め込んで隠し、吹き出し口を格子状にして風が送れるようにしたり、天井埋め込みタイプのエアコンにしたりすることで、エアコン本体が見えないようにすることも出来ます。

照明に緩衝しないように設置する!

エアコンによって空間がダサくなる原因のひとつに、照明と緩衝してしまっているという理由があります。天井埋め込み型のダウンライトがエアコンで隠れて照明の役割を果たせていなかったり、吊り下げタイプのペンダントライトやライティングレールが近すぎて、照明の位置のバランスが悪くなったりしていることが原因かもしれません。エアコンの設置位置を考える際には、照明の配置図にもエアコンの位置を記載するなど、照らし合わせて、エアコンがあっても照明が隠れないか、天井内でバランス良く配置されているかを確認するようにしましょう。

また、間接照明などを使っている家では、エアコンの影が入ってしまい、せっかく照明にこだわったにも関わらず、雰囲気良く照らせていないという失敗例もあります。照明器具本体の位置だけではなく、光の当たる位置や角度も確認しておくことで、オシャレな家にするためのこだわりの照明計画を台無しにせずにすみます。

3. まとめ

快適な暮らしやオシャレなインテリアを実現させたり、冷暖房の効率を良くしてランニングコストを抑えたりするうえで、間取りや家の造りとエアコンを含む家電や設備機器は密接に関係しています。そのため家づくりをするリノベーションやリフォームの時点でエアコンのプランも一緒に考えることは重要です。家の断熱性を上げることや、エアコンの設置台数や位置を考えて間取りを考えることが出来ます。また、エアコンのせいで部屋がダサくならないように、平面上だけではなく立面上でも確認し、色をコーディネートすることやコンセントや照明の位置もセットで考えることが大切です。

快適な暮らしに欠かせなくなっているエアコンを、効率的に使えるように設置しつつもオシャレな家になるように良い計画のもとにリノベーションを楽しみましょう。