こだわりの在来浴室に!在来浴室のデメリットを軽減する方法とは?

最近の浴室はシステム化されたユニットバスが一般的になっています。そのため、在来浴室からユニットバスにリフォームするお宅も増えていますが、ユニットバスへのリフォームを悩んでおられる方や、今の在来浴室を気に入ってはいるものの、問題点を感じ改善したいと思っておられる方も少なくありません。実際、在来浴室にも魅力的な部分は多くあります。特に、輸入住宅や海外スタイルのお宅では在来浴室が根強く人気です。

そこで今回は在来浴室のメリットとデメリットと、在来浴室のデメリットと言える部分をリフォームでどのように軽減することが出来るのかをご説明したいと思います。

1. 在来浴室のメリット&デメリット

在来浴室からユニットバスにリフォームすべきかを考えるうえで、それぞれの浴室のメリットとデメリットを知っておくことは大切です。ここでは、在来浴室のメリットとデメリットをご説明したいと思います。

■在来浴室のメリット

●デザイン性にこだわれる:浴槽・水栓金具・壁や床など部材を組み合わせたり、浴槽を造作したりすることも可能なので、デザイン性にこだわった唯一無二の浴室に出来ます。システム化されたユニットバスでは、パネルの色やデザインのみのコーディネートとなるためテイストが限られてしまい、浴室だけ部屋のテイストに合っていないということもあります。しかし、在来浴室であれば、輸入住宅などの海外スタイルを含め、細かな部分までテイストを合わせて造ることが可能です。旅館やホテルのような癒しの空間にすることも出来るかもしれません。

●材料にこだわれる:デザイン性だけではなく、浴室を構成する建材の品質にもこだわることが可能です。木で浴槽をつくるために、ヒノキなどの香りや肌触りの良い木の種類にこだわることが出来るかもしれません。また、輸入建材を取り入れることが出来るのも在来浴室の良さです。照明器具にもこだわって明かりによる空間演出も出来ます。国内外のタイル、水栓金具など一つ一つの材料にこだわることが出来るのでお気に入りの空間になります。

●デッドスペースが出来ない:ユニットバスは、規格サイズが決まっています。ユニットバスからユニットバスにリフォームする場合は、同じサイズのユニットバスを選べば良いですが、規格がない在来浴室の場合は、ユニットバスにリフォームしたことで、今よりも狭くなる場合があります。間取りを変えずにリフォームすると、小さくなった分、デッドスペースが生まれることもあります。また、サイズを大きくしたいものの、上手く納まらない、柱や壁を壊さなければいけない、というケースもあります。しかし在来浴室であれば、間取りに合わせた広さの浴室を造ることが可能です。省スペースに納めたい場合も、反対に出来るだけ広々とした浴室にしたい場合でも、好みのサイズピッタリに合わせて造ることが出来てデッドスペースが生まれません。

●ライフスタイルに合っていて使い勝手が良い:自分や家族の体形や使い方に合った浴室にオーダーメイドすることが可能です。身長が高い方や数人で入りたい方は大きな浴槽にしたり、介護しやすいように洗い場を広くとったり、浴槽の高さを調整したり、シャンプーボトルを置く場所を設けたり、自分に合った仕様に出来るので、使いやすく体をしっかり休めることが出来る浴室になります。追い炊き機能付きの浴槽にしたり、洗濯物を干せるように浴室乾燥機やランドリーパイプを設けたり、ライフスタイルに合った浴室にすることも可能です。

■在来浴室のデメリット

●掃除が大変:在来浴室を代表する壁材や床材と言えば、タイルです。タイルは目地があるため、汚れが溜まりやすく掃除が大変になるというデメリットがあります。また、ユニットバスは浴槽と床壁が一体化になっているため継ぎ目がないのに対し、在来浴室では、それぞれが単体の材料や設備機器になるため、水垢や汚れが溜まりやすい造りといえます。手やブラシが入りづらい隙間があると掃除が出来ず、腐食や漏水の原因にもなりえます。

●断熱性が低い:ユニットバスと比較すると気密性や断熱性が劣ります。そのため、冷気が入りやすかったり、お湯が冷めやすかったりして、在来浴室=寒いというイメージを持たれる方も少なくありません。床や壁がタイル仕上げの在来浴室は、冬の冷たさを特に感じます。

●職人の腕にかかっている:ユニットバスはシステム化された部材を組み立て造るので、完成に違いは出ませんが、在来浴室は一つ一つオーダーメイドで作り上げていくので、デザイン性も施工技術も職人の腕にかかっていると言えます。ショールームなどもないため、完成イメージが湧きづらかったり、イメージが上手く伝わっておらず思っていた浴室にならなかったりする場合もあります。また、防水加工やタイル張りの技術によっては、施工不良で水漏れを起こす可能性もあります。

●費用が高くなる場合もある:ユニットバスと比較して工期が長く、職人の人数や手間がかかる在来浴室を造るには費用が高くなる傾向があります。デザイン性や材料にこだわるとさらに高くなってしまいます。しかし、材料すべてを選べるメリットを生かして、費用を抑えることを最優先にして造ることも可能です。

2. リフォームで在来浴室のデメリットを軽減!

在来浴室のメリットとデメリットを確認したうえで、メリットの方が多いお宅や魅力的だと感じたお宅では、在来浴室を選ぶかもしれません。さらに、在来浴室のデメリットともいえる点を最小限に抑えることが出来ればより良いお風呂になります。どのようにデメリットを軽減できるのか、ご説明したいと思います。

■汚れが付きにくい素材選びをする!

在来浴室は掃除が大変というデメリットがよく挙がりますが、材料にこだわれるというメリットを最大限に生かして、汚れが付きにくい素材や掃除のしやすい素材のものを選ぶことでカバーできるかもしれません。

タイルを選ぶ場合は、目地の掃除を軽減するために大判のタイルを選んだり、表面に汚れが付きにくい、抗菌効果や防カビ性能が施されていたりするタイルを選んだりすることが出来るかもしれません。磁器タイルであれば、水はけが良く、ヌメリの抑制効果もあります。

壁付けの水栓金具を選んで水滴が溜まりにくいデザインにしたり、浴槽を動かして掃除が出来るように工夫したりすることも出来ます。

■在来浴室でも寒くない浴室にリフォーム出来る!

在来浴室からユニットバスへのリフォームを考えておられる方の多くが、寒さを原因としています。しかし、在来浴室のデザイン性や間取りの良さ、使い勝手を気に入っているのであれば、在来浴室のままで断熱性を上げることを意識してリフォームを行うことで解決できるかもしれません。

例えば、壁や天井、床に断熱材を入れて浴室全体の断熱性を上げることが出来ます。また、冷気が入りやすい窓を断熱性の高い窓にリフォームしたり、リクシルのサーモタイルのように熱伝導率が小さく、冷たさを感じにくいタイルや断熱タイルを採用したり、浴室暖房機を設置したり、壁に浴室パネルを張って気密性を上げたりする方法もあります。

3. まとめ

ユニットバスが一般的になっていますが、在来浴室にはユニットバスでは実現できない魅力的な部分が多くあります。例えば、デザイン性や材料にこだわった唯一無二の浴室に出来ます。また、間取りやライフスタイルにピッタリ合った自分仕様の浴室づくりにも最適です。しかし一方で、ユニットバスに比べて掃除が大変だったり、断熱性が劣っていたりする場合もあります。在来浴室にリフォームする場合は、掃除のしやすい素材選びや、浴室全体の断熱性能を上げることを意識しましょう。

オシャレで快適な浴室にするために、在来浴室でこだわりの浴室にリフォームするのはいかがでしょうか?