ホテルライクな家、海外スタイルの家にするうえで、猫足バスタブを採用したオシャレな浴室を検討している方がいらっしゃいます。しかし、日本の家では主流ではない浴槽なので、見た目だけで選んで大丈夫なのか、なかなかリフォームに踏み切れない、憧れで止まっているという方は少なくありません。

猫足バスタブは、入浴の観点や普段の暮らしのうえで実際どうなのでしょうか?猫足バスタブへリフォームするうえでの注意点とともにご紹介したいと思います。

1. 猫足バスタブにリフォームするメリットとは?

そもそも猫足バスタブとはどのようなもので、リフォームの際にはどこに依頼すると良いのでしょうか?猫足バスタブのある浴室のメリットとデメリットもご紹介したいと思います。

■猫足バスタブとは?どこで手に入る?

猫足バスタブは、曲線的な浴槽に猫のような足がついたデザインで、ビクトリア式浴室の典型とみなされています。1885年から1920年にヨーロッパで普及し、特に貴族の間で人気となりました。現在日本では、ヨーロピアンスタイルやヨーロピアンアンティーク、英国ホテル調など、高級感のある海外スタイルの浴室を作りたい方の中で人気です。

残念ながらTOTOやリクシル、パナソニックといった日本の水回り設備機器を扱った大手のメーカーでは置き型浴槽の取り扱いはあるものの、現時点で猫足バスタブの取り扱いはありません。しかし、日本のメーカーでは、サンワカンパニーやインクコーポレーションで取り扱いがあります。また、本場海外のものであれば輸入が可能で、猫足バスタブの代表とも言えるKOHLER(コーラー社)は人気です。

浴槽だけであれば、ネットでの購入も可能ですが、実際に日々使用することを考えるのであれば、猫足バスタブは海外スタイルの浴室用ですし、輸入建材を使うのであれば特に、設置に専門的な知識が必要となるので、輸入建材を取り扱っていて輸入住宅など、海外スタイルへのリフォームの知識や技術があるリフォーム会社に依頼しましょう。

■猫足バスタブって実際どうなの?

猫足バスタブを採用する方の一番のポイントはオシャレさです。日本では、室内は海外スタイルのインテリアにこだわることが出来ても、水回りの設備機器に統一感を出すことに難しさを感じる方が少なくありません。特にバリエーションが少ない浴室のアイテムでは難しさを感じる中で、猫足バスタブであれば、浴槽ひとつで、ヨーロピアンスタイルの浴室にすることが出来るので、家の隅々まで海外スタイルにこだわりたい方や、ホテルライクを理想としている方に人気です。

しかし、海外スタイルの浴槽というだけあって、海外の方に比べ背の低い日本人の体形には、浴槽が高いため、またぎ辛さを感じてしまいます。子どもや高齢者がいる家庭では特に転倒のリスクもあります。

また、システムバスに比べると浴槽の保温性に欠けていたり、大半のメーカーが追い炊き機能を付けたりすることが出来ないため、湯船に浸かる方にとっては実用的ではないと感じるかもしれません。一方で、シャワー浴がメインの方にとっては、浴槽の保温性や追い炊き機能の有無は重要ではないため問題ないと感じる方が少なくありません。

掃除のしやすさに関しては、意見が分かれます。浴槽に脚が付いていて排水のタイプによっては移動も出来るため、床の掃除がしやすい、風通しがよくカビが生えにくいという意見がある一方で、浴槽の下が見えやすく汚れが目立ってしまう、脚部分の掃除がしづらいという意見もあります。また、浴室内にバスタブだけがある独立型のタイプなのか、海外で主流の浴槽・トイレ・洗面がワンルームになっているタイプなのかによっても、汚れやすさや、無理のない掃除の態勢がとれる広さが確保できるかどうかが違ってくるため、掃除のしやすさに関しては意見が様々です。ただし、掃除のしやすさも含めオリジナルの空間にリフォーム出来ることが、猫足バスタブなどの置き型浴槽を採用するメリットでもあります。

2. 猫足バスタブにリフォームする方法と注意点とは?

ヨーロピアンな浴室にすべく猫足バスタブを採用することを決めたのであれば、どのようなリフォームが必要となるのでしょうか?快適なバスタイムにするためにどんな点を注意してリフォームすべきか、ご説明したいと思います。

■猫足バスタブを置くなら在来工法の浴室にリフォーム

猫足バスタブは置き型浴槽になるため、浴室と浴槽が一体型のシステムバスではなく、まずは浴室空間を造ったうえで浴槽を設置する在来工法となります。そのため、現在システムバスのお宅であれば、システムバスを解体し、配管工事を行って壁や床を仕上げる在来工法の浴室へのリフォームが必要です。猫足バスタブは重さがあるので、重さに耐えられる床に仕上げる必要があります。

すでに、在来工法の浴室であれば、基本的には浴槽を猫足バスタブに交換するだけのリフォームでも採用することは可能ですが、浴槽を交換するタイミングで床や壁のタイル、水栓などもヨーロピアンスタイルにリフォームしましょう。海外メーカーの猫足バスタブを採用するのであれば、タイルや水栓も輸入建材を使うことで、より統一感が生まれます。床や壁のタイルを選ぶ際には、デザイン性だけではなく、汚れの付きにくさやメンテナンスのしやすさ、滑りにくさなども確認して選びましょう。

■排水タイプをしっかり検討しよう!

猫足バスタブを設置する場合、排水の方法が2タイプあります。ひとつは、浴室内の床に排水口があり、バスタブの排水や洗い場の排水どちらも受けるようにする方法です。もうひとつは、猫足バスタブ専用の排水口で、バスタブと排水口と浴室の排水管が繋がった状態になるタイプです。

前者は排水管と繋がっていないためバスタブを移動させることが出来ますが、排水口の位置によっては排水の際に、床全体に水が広がってしまい湿気がこもったり汚れがつきやすくなったりします。後者はバスタブの移動が出来ませんが排水への流れが良いというメリットがあります。ただし、洗い場を設ける場合は、洗い場用の排水口を設ける必要があるというデメリットがあります。

掃除のしやすさや浴室の広さ、洗面・トイレの位置や使い勝手などと照らし合わせて排水タイプを決めましょう。

3. まとめ

オシャレな猫足バスタブは、海外スタイルやホテルライクな浴室にするうえで人気です。日本の大手設備機器メーカーでは取り扱いはありませんが、サンワカンパニーなどの日本メーカーやKOHLER社のものなど輸入商品を採用することが可能です。海外スタイルの浴室にするのであれば、輸入建材を取り扱っていて輸入住宅や海外スタイルへのリフォーム知識や技術があるリフォーム会社に依頼しましょう。排水のタイプを検討し、輸入タイルや水栓を取り入れた在来工法の浴室にリフォームしたうえで猫足バスタブを設置することで統一感が生まれます。

海外スタイルの暮らしやインテリアにこだわって、猫足バスタブで高級感のあるお風呂を演出してみるのはいかがでしょうか?